shallow

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6/20/2023, 12:53:51 PM

 あなたがいたから、わたしはいつも通りのわたしでいられた。
 あなたが誰かに殺されたと聞いて、わたしはわたしではなくなってしまった。
 だけれど、あなたがいてもいなくても、世界が回っているし、いつもと変わらないニュースが流れてくる。変わらず昼と夜が繰り返されていく。

 まるで、あなたがいなくなったことに世界は気づかないみたいに。
 知ってる人でさえも、数日たてば、あなたのことが話題に出ない。 なぜ? あなたがいないことを誰も語ろうとしないのは。
 お願いだから、あなたがいた事実までも殺さないで。

6/19/2023, 10:53:42 AM

 相合傘。

 それはもう2度とすることは叶わなくなってしまった。
 なぜって? 僕……彼女と喧嘩してしまったんだ。きっかけは愚かな僕には到底分からない。何があの子を怒らせてしまったんだろう。
 とぼとぼと1人雨の中、涙を雨で誤魔化すように、濡れながら歩く。
 流石に寒くなってきたので、公園で雨宿りをする。……何してるんだろ、僕。

「そんな所で何やってんのよ!?」
 聞き間違えようのない声。振り向くと彼女が立っていた。
「えっ、どうして、君がここに」
 嫌われて、呆れられて。もう彼氏ではなくなったのではないかと。そう言うと、
「……その言葉を聞いてたった今呆れたわよ」
 さあ、一旦私の家にいきましょ、ここから近いし。と僕の腕を引っ張る彼女。
 いつの間にか雨は止み、雲の隙間から光が差し込む。僕のぐちゃぐちゃになった顔が露わになった。
「なあに、泣いてたの?」
「……別にっ」

 結局、今日は相合傘をすることは無かったけど。またチャンスはやってきそうだ。

6/19/2023, 10:04:00 AM

落下

 手足が上に向き、体が浮いている感覚から、俺は落ちているのだと理解する。
 下を見ても、底がない。ように見える。あるのかもしれないが、真っ暗で判断ができない。
 ハハ。これは夢なんだろうな。こんなことが現実にあってたまるか。どうせ夢だ、すぐ目が覚めるかシーンが変わるだろ、と楽観的なことを考えながら落下し続ける。
 そういえば俺の人生も落ちてばかりの人生だったな。恋に落ちたり、行きたかった学校に落ちたり、そこから何もやる気が無くなって、周りから責められる……いわば地位が落ちた、というやつ。……流石にこじつけが過ぎるか。
 俺、何もしてこなかったよなあ。どうせと言い訳して逃げてばかりで。目から覚めたら、少しは何かに挑戦してみるか。この夢の内容を覚えているかどうかはさておき。
 落下しているせいなのかネガティブなことを考えてしまう。しばらくすると、辺りが明るくなってくる。ようやく目覚めるだろうか。ずっと暗いところから急に明るいところになるため、眩しくて目をつぶる。

 目を開くと、無機質な白い天井。周りには見慣れない機器と切迫した表情の家族。俺に気づいたのか、慌てて誰かを呼ぶ。白衣を着た人物が駆けつけてくる。
 ……なんだ、まだ夢でも見てるのか。もう一度目をつぶる。
「……きて……! ど……して……あなたが……んな目に……!」
 母さんがなにか話しているけど、こんな泣きそうな声を聞くのは初めてだ。
「……ちついて……さい!」

 母さんと知らない人の声を聞いたまま、俺はまた眠りに落ちた。何だか夢の中で寝るってのも不思議な話だが。

6/17/2023, 1:37:54 PM

未来

 未来。それは確定されていないもの、だと思う……どちらかというと、実際に見てみるまでわからないシュレディンガーの猫みたいな? そんな感覚だと思っている。
 私の思い描く未来は、とてもネガティブなものからそんなこと起きる? みたいな超絶ポジティブなものまで様々だ。
 ん? 未来は自分で手にできるもの? ふうん。まあ確かに自分に関する未来なら、変えられることが出来る。
 私が思った未来は、自然とか、社会とか。自分一人だけじゃ変えられそうにないもの。例えば、ここで大地震がどうしたらいいんだろう、死ぬよなあとかね。
 皆は未来といえば何を思い浮かべるのかな。何にしても、素敵な未来があるといいよなあ。