2024/04/13「快晴」
身体が軽い。
花々が眩しい。
小鳥たちがさえずり、
喜びの唄を歌い合う。
僕は思わず顔を上げた。
強烈な光で瞼を閉じてしまうけど、
それでも瞼の中にオレンジ色の世界に包まれて、
優しい温かさに身を委ねるんだ。
そう僕は、
地球に、宇宙に、この瞬間を生きている。
2023,08,22『裏返し』
何故か斜め前に目線が行く。
肩より少し短い真っ直ぐな髪。
俯いた時にチラと見える長いまつ毛。
首を傾げながら笑う姿を見ると、こっちまで明るくなれるんだ。
「……何?」
やば、気付かれた。気まずい……
「声、うるせーよ」
咄嗟に出た言葉で、相手の瞳が歪んだ。
違うんだよ、これは心の裏返し。本当は…………
2023,08,21『鳥のように』
乾燥した爽やかな風が吹き始めた頃、
僕は橙と藍に挟まれた空の下で両腕をめいっぱい広げた。
そして瞳を閉じ、風の流れを感じる。
想像の中の僕はいつだって自由に空を飛べる。
茜空の前でどっしり構える黒々とした山々も、僕なら一気に飛び越えて行ける。
誰にも邪魔されない広々とした空間は、まるで地球のスイートルームだ。
ふと17時のチャイムが聞こえ、僕は即座に意識を戻した。
空は先程より群青が増し、鈴虫の声と共に夜へ導かれる。
随分と日が短くなったなぁ。
鳥のように飛ぶのは、また明日。
2023,08,20『さよならを言う前に』
さよならを言う前に、最高の笑顔を贈ろう。
さよならを言う前に、最高の感謝を伝えよう。
貴方は僕が僕であることを許してくれた。
貴方は僕という存在を求めてくれた。
初めて体中の血潮が熱くなる瞬間だった。
生きる事を知れた。
でも、貴方は僕の前から消えなくてはならない。
忘れないよ。ずっとずっと、ずっと…………
愛おしい姿が消え行くその時、
僕は無我夢中で貴方の体を抱き締めた。
2023,08,19『空模様』
青々とした眩しい空の遠くに大きな入道雲が見える。
あの真下は今頃大雨なんだろうなぁ……なんて他人事を考える。
この光景は夏しか見れない風物詩だ。
自分は小学生の頃、同じ様に眺めた巨大な入道雲を思い出す。
これもこの時期特有の空模様のおかげだ。
自分は今一度胸を張り、熱い空気を目一杯吸って空を見上げた。あの入道雲を目に焼き付ける為に。
四十度近い気温はキツイな……。