同情 泥くぐらせて 手の上
ヘド 出そうでも 目の前
じっと睨むと かんしゃくが差す
驚いて手から滑らし浅池濁るが
はたして時化ていたのか
耳をすましても 思いのほか
爆弾のように落ち着いているみたいだ
どうせなら花火になればいいものを
僕が忘れるまで ずっと
ぬめっと地を這い 水草ゆらして
あくる日吹きおろす風に気づかず
自らの尻尾を追っかけるのだろう
ああ そして僕もまた
侘しい帰り道の気の間違いで
今日と全く同じことをしてしまうのだ
I Love … ジンジャーシャーベット
幼き日 風が心地よい日
片手に持って時計台でかくれんぼしたの
触れるとこぼれる古びた赤壁や
あの子の似合わない大きな帽子や
全身を使って精一杯の等身大
今日まで連れて来れたのは
ジンジャーシャーベットだけ
夏かしい友よ また過去を語っておくれ
溶けるまで とけるまで
逆光チリチリ焼ける背どころか
けつに火付き ファニーな走り
必死までの鋭角増す 尖りとなり
うっかり踏んだ
大きな水たまりで立ち止まり
反射した街灯は揺れるもんで
ちいさな丸がピタッと胸にリンク
こんな自分ごと好きだ!!!
美しい瞬間から目を背けるように
そこ と 目 の間にスマホのカメラをはさむ
薄めた希望で生涯を遂げてもいいという
刹那的な愚かさに塗れてしまって不潔な私
行き場をなくしてそわそわ足に任せると
故意か運命か
また あなたのいるここに戻っていた
寒さが身に染みてエアコンをつけても
まだ部屋は暖まらず 仕方がないから
コートを着たまま座椅子に座っている
とりあえずつけたテレビの音は虚しく
かといってスマホを触らずに
ぼけっと、カレンダーを眺める
「はあ。どうしても独りだ…」
しまった いつからか
逃した幸せを取り戻すために
漏らしたため息より大きく吸うようになった
なんてことない癖であり僕の小ささだ
まだ寒さが身に染みる
自分の本当の願いもわからず
何の幸せに向き合ってきたのか
げに妙だが現実の方に浮かされていたとすれば
寒さが心まで届くようだ
だからこそ 立ち上がれなくなる前に
紅茶を淹れて
1人じゃ食べ切れないミスドの箱を開けよう