11/15/2023, 4:01:50 PM
子猫のように不自然に泰然と
大切なプレゼントがどうせ腐るなら
心の隅の見えないところに
怯えて膝を抱えたままの自分も入れたら
角が二つ埋まってる現状
窓を覗くと秋空にこころ押されて
抜けた空気で少し浮き出す
「また、あの龍が見たいな」
首の歯形が明滅する
思い出した さっき
絵本の夕方を、拾ったじゃないか
走り出したら大丈夫
運命に轢かれないように
首の鈴を鳴らして翔ぼう
11/6/2023, 2:02:41 PM
柔らかい雨じゃ力不足だ
君を引き止める理由になり得ない
僕はいつだって何かのせいにして
枕を濡らしてきた
水溜まりを避けたはずが泥はね
今じゃみっともないこんな様
やっぱり
やっぱり僕じゃ君の隣は役不足だ
11/4/2023, 2:35:05 PM
哀愁をそそる香りが鼻腔をくすぐり
網膜に紅一点、神経系を揺るがす
舐めくさった僕らはひどく貪欲だし
空きっ腹に響くシャッターオンが
唾飲を促すもんだから焦ったくて
もうセピアに飛びついちまったよ
ああ見切れた僕らも茶色く寂れて
ひどく淡く覚えられてしまうのだろう
楽しみだなあ
11/4/2023, 3:29:13 AM
鏡の中の自分に同情された
これが幻覚なら僕は疲れすぎだし
ホラーの類なら尚のこと惨めだ
そいつは生気を失った僕の顔を見やって
「一度寝てからやった方が効率も上がるぜ」
なんでそんな正論を言われなければならないのだ
弱火の怒りが湧き上がるが反論する声が出ない
一人暮らしをすると
ため息以外のものが口から出ないものだ
無視して部屋に戻り机に向かっても
さっきのやる気が返ってこない
どうしようもないのでさっさと床に臥した
遺憾でも幽霊の口車にのってやるしかない
死人に口無しのはずだけど…
11/2/2023, 1:34:27 PM
眠りにつく前にラジオを消した
FMから流れる童唄が不愉快だったから
新聞配達の音に焦って眠るときは
静謐で不満を爆ぜるべきだ
蔑ろにした明日よ私を叱ってくれ