georgetaro

Open App
10/23/2023, 10:57:13 AM

どこまでも続く青い空の麓を探しに電車に乗った

着かなくてもいい 見つからなくてもいい

らしく生きられれば らしさを思い出せたなら

10/21/2023, 2:09:39 PM

声が枯れるまで鳴いていたししおどし
唇ぬらすだけの水の流れ
時間のようだね
冬までに畳む旅館の庭は
不安げな寒空から吹く風で褪せる
強い寂しさを裏腹に
ぐったりとした諦念が汲まれるが
いつも通り背筋を伸ばして
テキパキとした女将の姿勢を見ては
誰も野暮をしようとしなかった
古時計のコンセントが抜かれようと
ショベルカーが苔をめくろうと
ししおどしがもう鳴らなくとも
ただ確かにそこにあった
ししおどしの声はまだ
どこかへ振動している

10/17/2023, 2:53:20 PM

忘れたくても忘れられないなら
土に潜ろうぜ!
草の根が張って無いところに頭から
Tシャツ、短パン、サンダル、風呂上がり
コンビニ行くんかと思わせてみっともなく
土に潜ろうぜ!
口の中がジャリジャリしてきたら
そろそろ窒息しないように気をつけて
あてもなく掘って掘って
爪に入った土とかどうでもいいから
無我夢中に!
明日吹く風なんて置いてきてさ
いずれ全身埋まったらどうする?
何から忘れる?
でもさ
深く深くに蒔いた種が萌えたら
そしたら もう
花が咲くまで待ってもよくない?

10/16/2023, 2:34:04 PM

やわらかな光が白く塗りつぶしたのは
明け方のうちに降られた商店街
風が出てきて雲で翳り
アスファルトが増えていく
光の世界が去って行く
そういえば小学二年生のときには
追いかけても間に合わなかった
もう一度追いかけてみようか…
ふと前を見ると信号が青になっていた
会社に行かなきゃ…会社に行くか…

10/14/2023, 2:14:19 PM

高く高く空を登る繊維
幼子だったのは遥か昔数秒前
定刻通り 一切のキモさなく
線たる線であることを強いられている
自覚的な彼らは
自身が持たない欲望にまみれ
むず痒い体表のほつれを捩っては
よじれて 解けかけて
四時の方向へと進む
秋晴れ 夕暮れ
下で寝ぼけて絡まる酩酊の兄弟達には
子供の駆け足が聞こえたらしい

行こうよ まっすぐ 圧縮へ 
重力を捨て大気圏越えて
天体掠める光のように
行けるよ まっすぐ 圧縮へ
どやされても気にせず
潰れても面倒がらず
立ち上がる
湿気るまでは飽きぬ 性分だからこそ

Next