次に目が覚めるまでに、死んでしまえれば楽なのに。
現実は地獄のように生きているだけで苦しいのです。寝ても翌朝がやってくることが怖いのです。
それでも私の時は刻まれていく。1日1日進んでいく。
いつの日か幸せな時がやって来るのだろうか。
幸せを願いながら、目が覚めたときに気分が晴れることを願いながら、今日も眠る。
「目が覚めるまでに」
1年中1日中、雪の降りしきる街があった。
住人はあいまいな空模様にほとほと困っていた。
街の長の息子である青年は、この状況を何とかしようと立ち上がった。
降り続ける雪の原因は、周囲の街の魔法エネルギーの使いすぎによるものだった。
青年は考えた。長である父に周りの街に呼びかけてもらえばいいのではないかと。
しかし、その父は1日中寝ていて起きる気配がないのだ。
さらに青年は考えた。バクに夢を食べてもらえば起きるのではないかと。
そこで青年は長い時をかけて、様々な書物を調べ、とうとうバクを呼び出した。
雪の降るどんよりと曇ったあいまいな空からバクがやってきた。
そしてバクに夢を食べてもらった。バクによると父が目覚めなかった理由は、降り続ける雪に囚われていたからとのことだった。
目覚めた街の長は驚いた。夢の中だけではなく現実でも雪が降り続けていたのだ。
急いで周りの街に魔法エネルギーの使いすぎを抑えるように呼びかけた。
~数年後~
「見て、あれが、太陽だ…!」
「あいまいな空」
私のこの辛さもいつしか変わっていくのだろうか。
あじさいの色がうつろい変わるように。
「あじさい」
私は半袖を着ることができない。
なぜなら腕に生きるためについた傷があるからだ。
半袖を着る人を眩しいとも思いつつ、一方で自分も頑張ってきたのだと褒めてあげたい。
「半袖」
この世を天国と称する人もいれば、この世を地獄と称する人もいる。
あなたにとってはどちらですか?
私にとっては地獄でしかありません。生きているだけで苦しくてたまらなくて、明日が来なければいいのにと願う日々です。
いつか天国になってほしいと願いながら、今日も地獄を生きています。
あなたにとってはこの世が天国でありますように。
「天国と地獄」