ただいま、夏。
次に、秋。
おかえり、冬。
そのあと、春。
友人が席を外した。
赤いストローを口に運ぶ、それからストローが緑に染まって君の中にメロンソーダが流れてく。
少しメロンソーダのかさが減った。綺麗だと思った。
目が合った気がして自分のコップに視線を移す。
僕の心拍に比例するみたいに炭酸がどんどん抜けてく。
知人Bにこんな幸せがあっていいのか。
今は世界中の人と繋がれる時代ですね。
あ、また既読無視。
機械があるからと言って機会があるわけじゃないみたいですね。
「◯◯な人は、人生損してる!」
この決まり文句で1番確かなのは
「タイミングが悪い人」だと思います。
はい、私です。
登校中体調が悪くなり、帰宅しました。
すると母と姉が私の話をしていました。
かなりの誤解です。不快でした。
きっとタイミングが悪かったのです。
母や姉ではなくタイミングが。
「◯◯ちゃんってほんと花心ないよね。」
数少ない友達からこう言われたんだ。
花に興味がないのは本当だけど。
きっとあの子は自分の話に興味がないように
感じたんだと思う。
傷つきはしなかったけどいい気もしないな、こーゆーの。
「ねぇ、虹出てるよ!」
聞こえた瞬間手を引かれて声にならない声が溢れた。
え、誰、急になんで、虹?
頭の中はフル回転。息が切れて足を無理やり止める。
さっきまで雨が降っていたのに外は晴れてた。
「だ、誰?」
「君と同じクラスだよ」
「ごめん覚えてない」
「そっか。まあ、虹見ようよ!綺麗だよ」
確かに綺麗だった。
「なんか元気なさそうに見えたから。」
そう言って彼女は虹よりも綺麗な髪を靡かせた。
「知ってる?虹の端には幸せがあるんだって。」
「そっか。...走ってみる?」
「え、いっちゃう!?」
「やっぱもうギブ疲れた」
それからいっぱい笑った。
いつのまにか虹は消えてたけど
気づかないくらいたくさん笑った。