生きているだけで偉いなんて言ってくれる人はほとんど
いなくて。いないからこそ生きていられる気もして。
そもそも偉くなくたって生きていていいんじゃないか。
そのうち死ぬ。誰だっていつか死ぬんだから。
それまではただ、生きていていい。そう思っていたい。
—————————————————————————
気をつけてね
この言葉が死亡事故率を7%下げるらしい。
わかりやすく交通事故の例を挙げるなら、2024年に
交通事故で亡くなった人は約2600人。1日に約7人
が亡くなっている。
僕は優しくないから、みんなに生きていてほしいなんて
ことは思わない。大切な人だけ生きていてほしい。大切
な人だけ笑っていてくれればそれでいい。
だから僕は大切な人に何度でも言う。気をつけてねと。
たくさん言って、100%になることを祈りながら。
—————————————————————————
正直になるってすごく怖い。受け入れてもらえなかった
としたらって考えてしまう。でも、それよりも怖いのはその先で。受け入れてくれた相手が自分の前からいなく
なってしまったとしたら。きっと僕は耐えられない。
だから正直でいる人は最小限でいい。なんなら一人だけ
でいい。たった一人だけでいい。そのたった一人が僕の
前からいなくなったら不運な今世を恨んで死んでやる。
世界は不都合に完成していた
でも君と出会って、恋に落ちて、愛を知って
好都合に未完成な世界が現れた
だから知りたくなった
その先には、なにがあるのかを
ありきたりではない二人だけのなにかがあるのかを
馬鹿みたいに大きな声で叫んだところで
きっと届かない場所にあるはずのなにかへ届く気がして
君のつけている指輪が嫌いだ。
誰に貰ったの、なんて言えはしない。きっとその答えを
聞いたら自分が壊れてしまうから。
手を繋いだけれど、初めて嬉しくなかった。
いつも通りなら手を繋いだとき、そこには僕と君の手。
その二つしかない。二人だけの世界。
それを邪魔されるような、壊されるような感覚。
嫌いだ。大嫌いだ。
いつか君の手まで嫌いになってしまいそうだ。
でも、わかる。
そうなったときに一番嫌いなのは、そうなってしまった
自分自身だってことくらい。
過去に固執する自分に
固執するような過去に
これからも囚われて目の前が見えなくなるのだろうか
ずっと名前を考えていた。
君と出逢った場所にいるときの自分の名前を。
本当の名前、いつも使っているものでもよかったけれど
君は違うでしょう。
君が違うのなら、自分も違うものがよかった。
正しいことも正しくないことも君とお揃いがいい。
柊月(ひづき)にする。
君が呼んでくれる名前と、月。
初めて君と見た満月が綺麗だったから。月を見るたびに
あの日の夜を思い出すから。
思い出す口実を増やしたかったのだと思う。
それくらい、あの夜は特別だった。
いつかそれを言葉にして、文にして、君に届けたい。