花咲いて
なんの草だろう。そう思って抜いた雑草が、あなたの好きな花だったと知った時、私は少しの後悔の念にかられた。
私の名前
あなたが呼んでくれるなら、いくつだって、
あだ名は積み上がってもいいし、愛称だってへんてこなのも嬉しいんだ。
だからどうか、私の名前を呼んでよ……。
窓越しに見えるのは
電車を辿って旅に出る。
ふと、窓ガラスを通って見える未来があった。
妄想、空想、夢の続きと人は言うだろう。
でも、ああ、そうか。
君の隣に並ぶことが怖い時だって、君はずっと隣にいてくれた。
私はその未来を信じたかったんだ。
あの頃の私へ
早く大人になりたがっていた、小さくてものすごく元気だった頃のわたしへ。
今、少し言葉を送ります。
もうこれを書いている前から、私はとっくに大人です。
何が、というとむずかしいです。
子どもと言われる歳を過ぎ、大切な家族や、大切な動物たちを見送った、というと、小さいわたしはおどろくでしょう。
わたしが思い描いていたような大人になれなかったこと。諦めたのは夢だけではないことや、他にも色々とあります。
苦さを知ることは大人になることなのか、まだ私にはわかりません。
小さなわたしが私の話を理解したなら悲しむかもしれませんね。
とはいえ、目まぐるしい日々にきっとすぐに忘れることでしょう。
こんな言葉が届くなら夢の中でしょうから、それならば明日のために、今日のためにゆっくりと眠って下さい。
おやすみなさい。どうか続きはいい夢でありますように。
逃れられない
あなたは言う「逃れられない」と。
私は疑う『本当にそうだろうか』と。
けれどあなたが心底思い込んでいるなら、それは確かに真実で。
私がわずかにでも疑っているのなら、それも確かに真実なのだ。
ねえ。私はどちらが真実だろうと、結果としてあなたが幸せなら、それこそが一番いいと思うんだよ。