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10/5/2024, 8:30:53 PM

   星座


 昔、つんとした空気の夜、キャンプ場のようなところで星を見た。
 小さな光の粒が、まるで空から迫ってくるような存在感に見惚れていた。

 横には悩みを抱えた人がぽつり。
 何度もわたしに声をかけては、わたしの反応の無さに黙っていった。
 最後には無言で去って行ったようだった。

 後になって申し訳なかった気がしたけれど。わたしはその時、頭上の光しか目に入らなかったので、下手に相槌を打つよりは良かったかもしれない。

 今でも星座は分からないし、夜に星を見上げる事はほぼない。
 ただ、あの時に夜空から目が離せなかった時に、少し星座を知っていたら、もっともっと遠い輝きを見続けていた事だろう。

9/25/2024, 9:30:56 AM

   形の無いもの


 カタチの無いものに縋りつく。
 駄目だと分かっていてもとめられない。

 どうしても、どうしても、どうしても。

 あなたの唇が紡ぐだけの、不確かな愛の言葉に縋りついていたいの。

9/10/2024, 1:56:11 PM

   喪失感


 からっぽになった、なんてことはない。
 ただ、悲しみと諦めが胸の内で泣いていた。

9/5/2024, 5:38:23 PM

   貝殻


 ふと店頭に並んだ商品に目をひかれた。貝殻などの入った、海を思わせる瓶だ。
 そういえばいつか貝殻拾いに行こうと言っていた相手がいた。
 友達だったあの子はいま元気だろうか?

 私はしばしその商品を眺めて、すぐに興味を失ったので歩き出した。

 叶わない約束だけがたくさん絡まって、やがて大人になって完全に千切れた。
 もう約束の糸が元に戻ることはない。

 拾いに行くはずだった貝殻は、きっと砂がすりつぶしたに違いない。
 そう、思う事にした。

8/23/2024, 6:45:52 PM

   海へ


 海へ行った時、防波堤がとても高かった。
 子供の頃の話だ。
 今も、あの場所へ行くと高いと感じるのだろうか?
 そうならいいな、と少し思った。

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