NoName

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5/24/2024, 1:32:04 AM

   逃れられない


 あなたは言う「逃れられない」と。
 私は疑う『本当にそうだろうか』と。
 けれどあなたが心底思い込んでいるなら、それは確かに真実で。
 私がわずかにでも疑っているのなら、それも確かに真実なのだ。
 ねえ。私はどちらが真実だろうと、結果としてあなたが幸せなら、それこそが一番いいと思うんだよ。

5/23/2024, 12:11:26 AM

   また明日


 短くて易しくて難しい、小さな約束。
「また明日ね!」
 会おうだとか、話そうだとか、何かを共有しようだとか。
 そんなのひっくるめての別れの挨拶。
 ささやかな再会を望む言葉。
「また明日!」
 子供らが同じ言葉で手を振り合う。
 そういう情景が似合うのは、きっと今のような夕焼け前の公園などだろう。
 季節が移ろって時を重ねても。
 “明日”が“今度”に変わっても。
 今のような笑顔がこの子達に続いたらいいなと、私は通りすがりにかすかに願ったのだ。

5/21/2024, 12:22:25 AM

   理想のあなた


 想像の中でいくつも、何度でも理想のあなたを作り上げた。
 そのたび私は自分に問いかけることになった。
「あの人への理想だけの塊なんて、今まで一体どこにあったの?」と。
 えくぼの無いあなた、苦いコーヒーが好きなあなた、大人っぽいあなた。それから……。
 理想のあなたを手放せたのは、あなたがいつも等身大の私を見ていてくれたおかげ。
 そうでなければ、今でも理想は育ち続けていただろう。

5/12/2024, 10:49:23 AM

   子供のままで


 いつだって人を見抜くような鋭さを、無邪気さが覆い隠している。
 けれどそれは計算された振る舞いではない。

 楽しければ笑い、悲しければ涙をにじませる。怒ったら飾らない言葉で、責めるでもなくただ事実を口にする。
 人の幸せを自分のことのように喜び、人の痛みにはそっと寄りそう。

 そんなあなたも、歳を重ねるごとに変わっていく。
 でも心は子供のままで、世界を見続けていって欲しいと私は思う。
 あなたがそう願っているように。

5/11/2024, 8:44:55 PM

   愛を叫ぶ。

 虹の先へ届けと、いまあなたに思いを叫ぶよ。
 どうか、自由でいて。

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