10/18/2023, 11:06:25 AM
初恋。
「好きです。付き合ってください」
君は、あの日金木犀の木の横で私に言った。
夢かと思うほど幸せで、私は震えた声で
「私なんかで良ければ。」と返事をした。
そこからは映画を見にいったり、動物園に行ったり、遊園地に行ったり、とにかく楽しい時を一緒に過ごした。
毎日一緒に登下校もした。
その楽しい日々が続くと思っていた。
「ごめんね。別れよう」
君は、あの日金木犀の木の横で私に言った。
夢かと思うほど悲しくて、私は震えた声で
「私なんかでごめんね。」と返事をした。
その日から私は金木犀のいい匂いのせいでいつまでも君のことが忘れられない。
#忘れたくても忘れられない
10/16/2023, 1:53:41 PM
朝起きた時、レースのカーテンから心地よい光が漏れていた。全てを包み込んで、草花を喜ばせ、私のからだをふわっと宙に浮かせてしまいそうなほどあたたかい、春の、光。
「おはよう。今日はいい天気だね」
隣で寝転がる君はそう言いながら抱きしめてくれた。やさしい空気が身体中に広がってゆく。ふわふわして、つい、寝てしまった。
「おやすみ。」
君は、優しく私の身体を撫でながら言う。
やわらかな光は君と私をもう一度だけ夢へと連れていってくれたのだった