トケイソウ

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11/19/2024, 11:26:50 AM

瞼を上げる。一面の銀世界。まるで絵の中に飛び込んだよう。


街灯はオレンジ色に灯る。誰も彼もが巣に帰る。
街も眠りについている。なのに空は鼠色。



ビルの壁面もコンクリートもその色で、馴染みがあるのに違う世界に来たみたい。



灰色をソリで駆けるのが見える。そういえばクリスマスは今日だったっけ。


窓から幸せが漏れている。それぞれの家にキャンドルが灯る。



「待った?」



頬を赤く染める貴方。
ふたりの手をポケットで暖めて。

私にもキャンドルが灯る。


11/18/2024, 12:31:52 PM

私の「青春の想い出」って作品があったら、登場人物は私、ただ一人だけだろうな。

それほど、誰の特別になる訳でもなく、目立たずに、ひっそりと、過ごした。


上手に生きたかった。普通の青春を送りたかった。
そんな風に想うこともあるけど。


こんな私も、私は愛しい。

明日を上手く描こうとして、
消して、直して、重ねて、模倣して。

私の人生ってノートは、ボロボロだけど。
これから先、もっとボロボロになるだろうけど。


消しすぎて破けたり、色を重ねすぎてくすんだりなんてこともあるけど。


それでいい。
他人に羨まれる私になるより、自分に誇れる私でありたいから。


これからたくさんの想い出でページを埋めていくんだ。




11/17/2024, 12:36:39 PM

冬になったら私は、地球と抱きしめ合う。


鎧を外した、素顔の木々と
痛々しいほどの、木枯らしと
身を寄せている、小鳥たちと
行き先のない、虫と
裏にいる、あの季節と
聖なる書の、天使と
移ろいゆく時代と共に生きる、大地と
塔を壊されても、神に阻まれても、言葉を分かち合う、あなたと


抱きしめ合って、支えて、支えられて。

私は、たえる、


冬になったら、抱きしめ合う。