星空の下で
星空の下で
ひとり歩くと
世界の音が
すこし遠くなる
胸の奥に
しまっていた言葉が
そっと
形を取りはじめる
星は
急がない
争わない
ただそこに
静かに灯っている
その光に
触れた気がして
ふと立ち止まる
ああ
わたしも
こんなふうに
静かで
揺るがない心を
持てたらいい
夜風が
そっと頬を撫でて
「大丈夫」と
言ったような気がした
星空の下で
ひとりきりなのに
ひとりではない夜が
たしかにある
眞白あげは
それでいい
それでいい——
その言葉は、
肩に入っていた力を
そっとほどく合図のように落ちてくる。
完璧じゃなくていい。
昨日より少し静かでもいい。
誰かの期待に届かなくても、
自分の呼吸が乱れないなら、それでいい。
選ばなかった道を
何度思い返しても、
いま立っている場所に
自分の影が寄り添っているなら、
それでいい。
うまく言えない日も、
笑えない夜も、
言葉にならない気持ちも、
全部まとめて抱えたまま進めるなら、
それでいい。
「これでいい」じゃなくて、
「それでいい」と言える強さを
胸の奥にひとつだけ灯して、
今日をそっと閉じていく。
1つだけ
ひとつだけ
胸の奥で灯りつづけるものがある
名前をつければ
たちまち形が固まってしまうから
そっと指先で触れるだけにしている
消えそうで
消えなくて
ふとした瞬間に
こちらを見上げてくる光
誰にも渡さなくていい
比べなくていい
奪われることもない
ただ
ひとつだけ
自分の中で呼吸している
静かな確かさが
今日も私を立ち上がらせる
眞白あげは
大切なもの
大切なものは
手のひらにのるほど
小さくて
名前もついていない
誰かの声のあたたかさ
ふとした瞬間のやさしい沈黙
胸の奥でそっと灯る
見えない光
失ってはじめて気づくものも
気づかれないまま
そばにいてくれるものも
どれも同じように
かけがえがない
大切なものは
派手じゃなくていい
ただ
心が静かに揺れる
その一瞬を
抱きしめていたいだけ
眞白あげは
エイプリルフール
ほんとうのことを
言えないまま
春の風だけが
やさしく頬をなでていく
「嘘だよ」と笑えば
少しだけ
心の重さが軽くなる気がして
つい冗談に逃げてしまう
でも
あなたにだけは
嘘をつきたくなくて
言葉を飲み込んだまま
夕暮れを見送った
今日だけは
世界が少しあいまいで
胸の奥の本音も
隠れてしまうけれど
明日になったら
ちゃんと伝えたい
嘘じゃない
わたしの気持ちを
眞白あげは