雲の上に浮かぶ飛行船。歯車と一緒にやかましく船尾ではプロペラが回っている。
俺はあくびをしながら夜空をながめる。
「酒飲みてー」
飲みたいっすね、と操縦士が反応する。「最近稼ぎが悪いのでここらで一攫千金としたい」
「ギャンブルで一稼ぎするか」俺は自信満々に言う。
「あんた運悪いじゃないすか」僕もだけど、と付け加えられる。
イカサマすれば勝算はあると言い返しはしなかった。堅気のこいつには怒られそうだ。
「近くに倒したら金になるドラゴンとかいないの」と俺は言う。
「本業そっちですもんねー」
最近ドラゴンは滅多に見かけなくなった。何故かはわからん。これが嵐の前の静けさだったら、急にドラゴンが大量出没し仕事が増えて嬉しいのだが。
星空の下で酒を飲む日が恋しい。
「今日ってエイプリルフールじゃん?」友人が一緒に歩きながら言う。「だからさ、なんか面白い嘘ない?」
「ふっ、ちょうど面白い嘘を言いたかったところなんだ」キザっぽく言ってみた。髪をかき上げながら。
「つまり面倒くさいと」
右から左へと流れる清流。これが三途の川だと理解するのは容易だった。
ピクリとも動かず死んでいた二本足が、石ころたちを踏みしめ立っている。確かな足取り。私は川に片足を入れる。
冷たくないが、温かくもない。何も感じない。死ぬ前と同じように。
波紋を描く、揺れる水面。綺麗に見える川底を、用心深く、穴がないか確認し、どんどんと対岸へ進んでいく。
ハッピーエンドはもうすぐだ。
僕は日光のずっと隣で座っている。
暗闇に慣れた目に感覚をすませ、
日影の寒さを和らげる。
だが外の景色相変わらずは眩しかった。
寝るのを惜しんで、
僕は夢を見るみたいに現実から逃げている。
先が見えない夜の向こうの明日。
それが、なんとなく嫌だ。
今日もまた、やり残した。
でもいつかは明日になる。
今日にさよなら。