私は毎日、水をかけている。
雲の上から。
私はこの行為に意味は無いと思っていた。
あの日までは。
私は天使の中でも別に位が高いわけでも低いわけでもなかった。
だからこそこの意味もなさそうな仕事に疑念を抱いていた。
ある日神様たちの会議を立ち聞きしていると
今年の降水量は例年よりいい感じだね。
人間界の畑が豊作のようだ。
来年も降水量に気をつけてがんばろう。
そう言っていた。
降水量はたぶん水をかけた量だ。
人間界の畑が豊作、、、。
人間界の食物は水で育つのだろうか。
でも私はこんなことを考えながら人間の役にたっていると感じられとてもやりがいを感じた。
誰かのためになるならば。
私は彼に伝えたい。
この気持ちを。
もうすぐであの隙間から。
でもやっぱり伝えられない。
私はこんなに彼のことを想っているのに。
ずっと5年間ずっと彼のことを考えて彼に思いを伝えようと思い続けているのに。
隙間はあっても伝えられそうにない。
私の心はまるで鳥かごのよう。
彼は余命半年の宣告をされてからもう半年。
彼はいつ死ぬか分からない。今日、明日、突然死ぬかもしれない。
彼はとても桜が好きだった。
私は彼に桜を見せたかった。
私は彼が好きだから。
だから、一生のお願いです。
花咲いて!!
もしもタイムマシンがあったなら、
僕はあの日に戻って君を車道側に移動させるだろう。
僕はいろいろ調べてさりげなく歩道側に女性を歩かせるというデートのテクニックを学んで
君とのデートに向かった。
僕は緊張しながらも、今思えば少し不自然だったかもしれない。が、君を歩道側に移動させることが出来た。
その歩道側には、大きなデパートがあった。僕らが歩いていた道もデパートの前だったので人が多かった。
そしてその日、僕らが歩いていたその時間に、そのデパートで、テロが起きた。
そして彼女は、外に設置されていたであろう爆弾によって、命を落とした。
僕はたまたま生き残ってしまった。
だから僕は、原始時代に戻ったり未来に行ったりしない。
私は記憶喪失だ。私の名前さえ、覚えていない。
たぶん)私の彼氏?によると
私の名前は「姫」と書いて「プリンセス」らしい。
まさかのキラキラネームでびっくりしたけど、
自分的にはどうでもよかった。
とりあえず過去を思い出さなければ、
名前を聞いたところで過去が蘇るなどはなかった。
でもこれだけは彼氏も知っていたらしい。
自分の名前が嫌で、名前を変更しに、市役所に行くところで交通事故にあい、記憶喪失になったと…。