私は受験生。
平日は6時間。休日は12時間。勉強をしている。
もうこの生活を3ヶ月している。
スマホ・ゲーム機は没収された。
私はお菓子をたよりに頑張って勉強していた。
ある日お菓子を食べようとしたら床にこぼしてしまったので吹いていた。
そして目の前にあった鏡をのぞいてみると、
視線の先にあったのは太った自分の姿だった。
私だけ人間。
世界は皆脳にAIを入れることを望んだ。
でも私は嫌だった。
私は作家だった。世間でも人気で私は自分の脳で小説を書きたかった。
みんなはAIになってしまった。
みんなロボットみたいに表情が固く、発言も冷たい。
私はそれでもみんなの心に響くような小説を書き続けていた。
私だけが人間で、私だけが努力していて、私だけが心がある。
私だけが…。
私は誰かの遠い日の記憶を見るのが好きだ。
「高谷涼音」という女性の記憶を今日は読んだ。
とても健康で、幸せそうで裕福な家庭を持っていた。
最期は娘、孫、に看取られ老死をしていた。
こういう人を100万回は見た。
でも私がこれを読み始めてから戦争で亡くなった人。栄養失調で亡くなった人。は後を絶たない。
10億人は見た。とても、人間界は位が別れているのだろうか。まぁ私には関係の無い話だ。
私は1000億年間この誰かの遠い日の記憶を読むのが仕事だ。人間の記憶を忘れられないように管理するのだ。私の仕事の正式名称は「記憶の管理人」まぁ、そのまんまの名前だ。今は156億年目だ。人間界には「飽きた」という感情があるらしいが、私には無い。
でも人間界の感情を知るのはおもしろい。
知らない異世界の話を読んでいるようで。
「古代記憶の管理人」の遠い日の記憶。
外は真っ黒。
まるで私の心の様。
私だって子供の頃は夢もあったし、空を見上げる時は、雲ひとつない青空だった。
空を見上げて思い浮かんだことといえば、今では上司の怒った顔とか。
新入社員で上司からはパワハラされ、
あげくに残業した割には金もろくに貰えないブラック企業。
子供の頃は、モデルやアイドル、現実的な夢と思って描いた夢さえも、インテリアデザイナーや薬剤師だった。
今ではただのブラック企業務めの新入社員。
5年後にはもう、OLだろう。
なんてことを、仕事帰り、
空を見上げて思い浮かんでいた。
私たちさ。終わりにしよう?
今日で最後にしよう。
明日からは会えない。
ごめんね。いつも君に頼ってばっかりで。
でも私、好きな人ができたの。
本当に、申し訳ない。
また会えたら会おうね。
#ダイエット#お菓子卒業#今日こそ!#終わりにしよう#好きピのため!