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12/12/2023, 1:16:30 AM

『何でもないフリ』

この退屈な世界では無関心を貫けなくなった奴から消えていく
自分一人が何をどうしたって世界は変わりっこないのだから
何でもないフリをして日々を無意味に過ごしていれば良いのに

11/17/2023, 10:46:27 AM

『冬になったら』

突き刺すような肌寒さが全身を襲う
目を覚ました私に突き付けられるのはキミが居ないという事実
隣で笑い掛けてくれた貴方は何処かへ行ってしまった
此処に在るのはそんな現実を受け入れられない子供のような私
季節は巡り何度目の冬を迎えただろう
けれど私の季節はあの冬で止まってしまったから
この寒さでまたあの頃を思い出しては空っぽの心で凍えるのだ

10/30/2023, 10:31:55 AM

『懐かしく思うこと』

楽しかったこと、嬉しかったこと
全てを等しく過去へと追いやって

苦しいこと、辛いこと
この身を焦がす痛みを心へと突き立てる

あなたと居たあの時より楽しいなど在ってはならない
君と過ごした日々より嬉しいなんて有り得はしない

二度と手に入らないのだと決め付けた憧憬の景色を
いつまでも私は夢に見る

10/24/2023, 12:16:04 PM

『行かないで』

あの時そう言えたら良かったのに
今頃になって後悔を募らせる
何度も君を夢に見る
それが無駄だと分かっていたはずのに
最後まで利口な私で居たいが為に
今なお続く責苦に苛まれたまま
また喉まで出かかったこの言葉を飲み込んだ

8/18/2023, 10:48:20 AM

『鏡』

床に叩き付けられて砕け散る鏡を
私はまるで他人事のように眺めていた
衝撃で宙を舞う欠片はキラキラと輝いており、
時折写り込む私はというと見るに堪えない
醜悪な表情を浮かべていた

私は私が嫌い
だから私の生き写したる鏡も当然嫌いだ

どれだけ取り繕ったっていずれ本性は明かされる
鏡に写る私が本物の私だ
皆のいう他人に無関心な私なんて何処にも居やしない

苛立つ心に埋め尽くされる破壊衝動
そんな顔で私を見るな、と私は私自身を壊した
偽物の私は本物の私を殺して高らかに嗤う
また私は嘘を一つ重ねる
それを知るのはきっと、粉々に砕けた私だけ

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