柊 蒼真

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11/20/2022, 6:57:50 AM

#キャンドル

【癒し】

私は、最近若者の間で『癒し効果がある』と話題のキャンドルを買った。
どこにでも売っているような、普通のキャンドル。普通のキャンドルにそんな効果があるなんて、全く信じられない。
だが、職場で雑用ばかり押し付けられてストレスの溜まっている私には、何でも良いから癒しが必要だったのだろう。

キャンドルが入っているのは、マグカップが入りそうな少し大きい箱。
家に帰った私は、すぐに箱を開けた。

「なに…これ…」

箱の中には『癒し効果』と書かれた人差し指ほどの小さなキャンドルが1本入っていた。

このキャンドルを調べて分かったことがある。
それは、このキャンドルが詐欺商品だとして話題になったということ。
詐欺商品に興味を持った若者が、たくさん買い始め若者に人気。と世間に広まった。

私は商品に騙されたこと、よく調べずに物を買った私自身に腹が立った。

私は、今も癒しを探し続けている。

11/18/2022, 11:43:46 AM

#たくさんの想い出

【今日の小さな想い出】

気付けば、1時間小説を考えていた。

途中までの話を書いても、結末がしっくりこない。
考えているうちに、どんな話を書きたいかも忘れてしまった。

お題は『たくさんの想い出』
想い出…

あらためてお題をみて思った。
小説を考えていたこの時間も、いい想い出になるのではないか…と。

私は小説を書くとき、自分の記憶や誰かから聞いたこと等をもとにしている。

なぜ、たくさんの想い出の中で今日の事を選んだのかは自分でも分からない。

でも、たまには良いかもしれない。

想い出がどんなものであっても、
今日の想い出は、昔の良い想い出になるのだから。

11/17/2022, 10:38:46 AM

#冬になったら

【温まる】

「冬になったら、温泉に行きたいね」

母がそう言った。
前々から旅行に行きたいと話していたが、コロナ禍ということもあり、自粛していた。

蜜柑を頬張りながら弟は言う。

「俺やだ。寒いのに外出たくないんだけど…」

弟は寒いのが苦手だ。
冬はこたつに入ってほとんど動かない。
私も寒いのは苦手だが、外出したいとは思う。
外出自粛をして体が鈍っているし、
温泉なんてめったに行かないからだ。

「いいじゃん、行こうよ温泉」

母は嬉しそうに笑った。

「露天風呂に入りたい。あと…星がみたい!」

「露天風呂かぁ、星は山とか暗い場所でみたいな」

「温泉入って、体の内側から温まりたいなー」

母と話をしていると父が帰ってきた。

「ただいま。何の話してるの?」

「温泉行きたいねって話」

「良いね。みんなで楽しんでおいでよ」

「え、父さん行かないの?」

「仕事忙しいし、たまには1人になりたい」

弟は父の言葉を聞いて意見を変える。

「俺行く。温泉入りたーい」

弟は父が嫌いだ。一緒にいたくないらしい。

「行きなよ。お土産話、楽しみにしてるから」

温泉旅行には、私と母と弟で行くことになった。

次の日の朝、私は父に聞いてみた。

「父さん、本当にいいの?」

「いいんだよ、楽しんでおいでよ」

「うん…ねぇ、父さん」

「なに?」

「冬になったら何したい?」

「家族の笑顔がみたいな。それで満足だよ」

「そっか。楽しんでくるよ」

父は嬉しそうに笑った。
私は、父の笑顔をみて心が温まる気がした。

11/16/2022, 3:50:10 PM

#はなればなれ

【愛する人】

愛する人を失った

思えば、原因は俺かもしれない

事の発端は昨日の朝

俺は愛する人に手を上げた

態度が気に食わなくて、彼女の顔を傷付けた。

申し訳ないと思って夜に優しく抱きしめた。

少し嫌がっていたが仕方ない

朝、あんなに酷い事をしてしまったんだ

彼女が寝るまで抱きしめてあげた

彼女が寝て静かになった

俺は朝になるまで彼女をみていた

彼女は起きてベランダに向かった

彼女は鳥に憧れているようだった

いつも空を自由に飛ぶ鳥たちをみて

恐れながらも「私も飛びたい…」と言う

俺は彼女の夢を叶えてあげたくなった

俺は飛ぶのを恐れる彼女の背中を押した

彼女は背中を押されて笑顔で飛んでいった

飛んだ彼女をみてみんなが驚いた

地に降りた彼女にみんなが駆け寄る

彼女は車に乗せられて施設に運ばれた

俺は知らない人に囲まれて話をしてる

あーあ、はなればなれになっちゃったね

せっかく夢を叶えてあげたのに、

そっちで待っててよ。

愛する人よ

今から俺も君のところまで

飛んで逝くから…

11/16/2022, 8:16:56 AM

#子猫

【愚かな戦争】

人間達の愚かな戦争により世界は荒れ果て、この星に残った生物は以前の4割程にまで減少していた。

豊かな自然と食料を人間達に奪われてしまった動物達は人間達に怒りを覚えた。

そんな中、戦争を生き抜いた人間達が無差別に動物を殺し、自らの糧にしていた。
動物の中には、ペットとして飼われていた犬や猫等もいた。人間が食料として殺して行くのは大人の動物ばかり。

1人孤独になった子猫は殺され食料にされた親猫の為、動物達が平和に暮らせる為荒れた世界にした人間に復讐するために立ち上がった。

子猫は自分だけでは人間に勝てないと知っていた。世界各地の動物達に会いに行き、人間に復讐する為に協力を求めた。全動物達は子猫の考えに同意し、共に人間への復讐をしてくれることになった。

動物達は、武器の調達から始めた。

「なぁ猫、人間達の武器を集めりゃいいのか?」

「はい。武器になる物ならなんでも集めてしまいましょう。たとえそれが人間の使っていた物でも…」

「了解。お前ら!あるだけの武器を集めろ!それがなんであろうと持ってこい!人間に復讐するためだ!人間なんかに世界を渡さねぇ!」

「あ、でも…爆発物等は危険です。危険物を集めるのはやめましょう。僕達も死んでしまう。」

子猫の言葉により、たくさんの武器が集められた。動物達は集めた武器を持ち、使いこなす為に練習を始める。

「みんな、覚えが早いですね」

「それほど人間に恨みがあるのでしょう」

「全部あんたのおかげだよ。あんたが立ち上がらなければ、みんな人間に復讐しなかった」

「ありがとうね、子猫ちゃん」

子猫が人間への復讐を決めてから1年…
多数の犠牲はあったが、ついに復讐の時がきた。

「みなさん、1年間よく耐えましたね。やっとだ…今こそ復讐の時です!豊かな自然を奪い、僕達動物を殺した…そして、人間共の糧になってしまった仲間達の無念を晴らす為にも、必ず勝利しましょう!」

「もちろんだ!」

「憎き人間共を滅ぼしてやれ!」

動物達は人間の住む集落に向かった。

空は、血のように赤く染まっている。

動物達が人間の住む集落に着いた時、大きな爆発音が聞こえ、その音と共に動物達は倒れてしまう。

「いったい…なにが…」

そこに銃を持ってたくさんの人間がやってくる。

「お前達、やってしまおう」

その一言で、人間達は一斉に動物達を撃ち殺す。
1人の人間が子猫に近付いてささやく。

「どうやら…地雷に気付かなかったみたいだなぁ?動物の分際で、人間様に勝てると思うなよ」

「諦めない…僕は…なにがあっても…!」

「ばぁーか」

人間は子猫を撃ち殺す。

「喜べ!俺達はこの戦争に勝ったんだ!俺達こそがこの星を、地球を支配する神だ!」

人間がそう言いはなった瞬間、

地球に巨大な隕石が堕ちた。

この日、全ての生物が滅び
地球は宇宙の塵となった

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