せ な

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1/13/2025, 9:15:40 AM

「ゆあ。」
今日も可愛い、と笑う君。
そう言ってくれるのは、そんなことをわたしに言ってくれるのは、君だけだったのに。
「はやと… っ なんで、どうしてっ?」
目の前が赤く染まる。
怖くて怖くて、ぎゅっ、と目を瞑る。
それでも悪夢は消えてくれなくて。
名前を呼んで笑ってくれた日々を、毎晩毎晩見続ける。
そしていつも、わたしがあなたの名前を呼ぶ前に、全てが消える。
名前を呼ばせて。
あの夢のつづきを魅させて。
今日もわたしは嘆き続ける。



#あの夢のつづきを

12/27/2024, 7:02:32 AM

“ 変わらないものはない ” という人は皆、変わってしまった大人たちで。

“ 全部変わってしまう ” と歌うのは、変わっていない学生たちだ。

結局仕舞いには表面上が変わってしまって、

軸は変わらない。

それを言いたいのは皆が同じなのに、

言い方が少し違うだけで、全く違う意味を持ってしまう。

勿論、変わらないものはないとうたう学生も少なくはなくて、

変わってしまうという大人も山ほどいる。

十人十色、人それぞれ。

だからこそ人は迷う。

みんな違うから、人は意見に埋もれ、左右される。

それをうたうのはきっと今を生きる人々だ。

12/23/2024, 10:31:24 AM

「わぁっ!ぴょんちゃん〜〜〜!!♡」

目を輝かせる末の妹と、

「やったーー!」

真ん中の妹。

そんな微笑ましい会話を端で聞くわたし。



「あれ?はるちゃんのはないの??」

と、末の妹。

「中学生になったらもうなくなるん?」

と、真ん中の妹。

「うん、まぁ。」

曖昧な返事しか返せないわたし。



“サンタさん”の存在を、お母さんに教えて貰うまで、私は“サンタさん”の存在を本当に信じていた。

心の底から。

だが、小学校6年生の頃、真実を伝えられた。

『サンタさんは居なくて、親がプレゼントを置いている。』

(これはあくまでわたしの家での話であって、全家庭が、とは言いきれない為、サンタさんは親だなんて思わないようにして欲しい。)

びっくりして、わたしは言葉が出なかった。



それから月日は流れ、中学生になった。

もうサンタさんの正体の話は頭の片隅に追いやられるくらい、私の生活は充実していた。

そんな中訪れた12月。

「あき、お任せがいいんだって」

「…え?」

何を言われているのか、初めは分からなかった。

「クリスマスプレゼント。でも、ぴょんちゃんの腕時計がいいんだって。」

「…嗚呼、そうなんだ。」

漸く理解した頃には、もう話がだいぶ進んでいた。

「これとこれ、どっちがいいと思う?」

「こっちの方が可愛い。」

「やっぱり?」

私の中では、サンタさんは親ではないとまだ信じていた。

否、信じようとしていた。

それすら呆気なく砕け散った。




そして今、クリスマスの朝のこと。

(家ではイブの日の夜にプレゼントが届く。)

プレゼントを貰い喜ぶ2人を尻目に、わたしは何も感じてません、とでも言うかのような顔をしていた。

わたしだけ、プレゼントが貰えないんだ

分かっていた筈なのにそう感じている自分が居ることを知って、嗚呼、わたしはまだ信じていたんだなと思った。





「晴乃。(ハルノ)」

「なぁに、お母さん。」

妹たちが2階に遊びに行った頃、お母さんは私を呼んだ。

「いつもお姉ちゃんしてくれてるし、勉強と部活、大変そうだけど、がんばってたから。」

そう言ってお母さんは私に小さな箱をくれた。

「…ありがとう、」

驚きで口がふさがらない。

「開けてもいい?」

「もちろん」

嬉しさと驚きが入り交じった顔で、私は箱の蓋に手をかけた。

────── パカッ

「…!」

箱の中には、ネックレスが入っていた。

私は途端、笑顔になる。

そして、母を見上げた。

「メリークリスマス、晴乃」

母はにこりと笑い返してくれた。





# プレゼント #5

12/23/2024, 7:43:11 AM

仄かに香る、ゆずの香りがお風呂中を駆け巡る。

ほぅっ、と息を吐くと、白い息が出て消えた。

何時もは慌ただしいお風呂場に、ゆったりとした時間が流れる。

時間なんて気にせずに入るお風呂は気持ちが良かった。


# ゆずの香り #4

12/22/2024, 1:28:19 AM

「 この大空に 翼をひろげ 飛んで行きたいよ 」

私が、この歌を歌ってもいいのだろうか。

未来もない私が、未来に飛ぶ歌を歌っても。


「 もう、長くないです。 」

目の前が真っ暗になった気がした。

なんて小説では言うのかも知れない。

だけど、実際そんなことなくて、ただ、クエスチョンマークが浮かぶだけだった。

私は、理解が出来なかった。


余命半年。

なんて言われても、見える景色はやっぱり同じで、

感じる風も、光も、全部全部変わらなくて。

実感が湧かなかった。

中学三年生、受験が待ち構える年齢。

あんなに焦っていたのに、急に焦らせていたものが消えて、なんとも言えない気持ちになった。




死んでしまえば、大空に飛んでいけるのかな

なんて、無理に決まっているけれど、夢を見なければやって行けなかった。



#大空 #3

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