「あ、泣いている子供がいる。」
夜遅くのテーマパーク。君は一体どこに行ったんだろう。
迷子の放送はない。どこに行けば良いのかわからない。右往左往してみようか。動けない。不安が鉛を持たせてくる。あんなに明るかったのに。いつの間にか影がたくさんある。あの「コ」がくれたおもちゃを片手に。歩き回りたい。
唇が醜い色になる。額には汗が。
やっとの思いで歩き出しても、足がもたつく。あっという間に転んでしまった。痛い。苦しい。悔しい。そんな言葉が頭に羅列した。その瞬間にはもう遅かった。
しょっぱい。口からは声が止まらない。みんなが見てくる。怖い。怖いの。
そんなことが起きた。それのせいで咽喉がまるで砂漠のようだ。水が欲しい。そう思って、口を開けると草が生い茂った。「あめ」だ。あゝ、ありがとう。そのためにくれたんだ。ある分だけ口に入れた。この「あめ」はずっとこのままでいれば良いのに。
あの人がくれたのは、ボタンを押したら飴がでてくる仕組みのお菓子。それと、喉の渇きもしょっぱくなった口も癒してくれる。「あめ」を2つも口に入れるなんて思わなかった。
みんなが上にいる。ぼくも、早く大人になりたいな。見上げると目にあめが入ってきた。
雨と飴
〜眠れないほど、秋が恋しくなる〜
冷たい風が流れて涙を乾燥させる。ベランダには数ヶ月前の水着がまだ干してあった。布団の中に入っても夢に落ちない。闇からはきりきりと虫の声が少しうるさい。空からの雫がまた溢れそう。外の空気を吸いに行こう。そう思って靴下を履いてサンダルに足を入れた。電灯はない。黒い靴下が足を闇の中に埋めた。折りたたみ傘をあけた。ポツポツと傘に雫が垂れてきた。溢れそう。道の途中にあった水溜まりに気づかず靴下を濡らしてしまった。冷たい。靴下を脱いだ。濡れた足が風にあたり体を冷やす。少し歩いて空き地についた。音が大きくなってくる。どうせ濡れるのならー僕は思い切り大草原に身を投げ、心を遷した。器から溜まっていたものが溢れた。
ストレスが溜まっていても、嫌なことがあっても、外に心を傾けてみてください。生き物が昔から最も触れてきてきたのは自然ですからきっと落ち着くはずですよ。