題 君と見た景色
君と見た景色は数えきれないほどある。
同じ景色を見ていたはずなのに感じることが違うのって不思議なことだよね。
でも、どんなことにも終わりは必ず来る。どんなに大切にしていても形あるものは崩れるし、時が経てば思考や物事の捉え方が変わる。1分、1秒と刻一刻と私たちは歳をとっているわけで、もう戻れない。そして時が経てば経つほど記憶は薄れていくものだ。
でも、私は君と見た景色を忘れることはない。
これからは、ずっと隣に君がいるのだから。
題 花の香りと共に
『ふわっ』と鼻腔をくすぐるこの香りは彼に手向けられた花の香りだろう。彼がここにきた時は必ず花を持ってきてくれる。今の私は花が好きだと言った覚えはない。
白衣の着た人から『記憶喪失ですね』告げられ、実感がわかず、ただボッーと他人のことのように聞いていた。
自分が分からない。姿も声音も思考も私なのに自分ではないような気がして、怖かった。
そんな時にあったのが彼だった。彼と一緒にいると心地がいい。私の知らない私を教えてくれた。彼が持ってきた花の名前を覚えるのが、どんな花を持ってきてくれるのかが最近の私の趣味だ。今まで彼が私にくれた花は
スターチス、ミモザ、バーデンベルギア、ブライダルベール、パンジーなどだ。
___________________ 花言葉 __________________
スターチス 永遠に変わらない愛、変わらぬ心、途絶え
ぬ記憶。
ミモザ 優雅、友情、エレガンス感謝、思いやり、秘密
の恋。
バーデンベルギア 運命的な出会い、出会えてよかっ
た、思いやり、壮麗、広い心。
ブライダルベール 幸福、願い続ける、花嫁の幸福、鮮
やかな人。
パンジー 思い、心の平和。
お題 透明
人と人の間には薄くて分厚い透明の壁があると思う。
その壁の内側は、他の人に干渉されたくない領域なのだ。その壁の内側に入ってしまうと、入られた側は嫌でしょう。自分自身のプライベートな部分を、他人に勝手に入られたのだから。
題 星に願って
『亡くなってしまった人は、お星様になって見守ってくれているんだよ。』と祖母が教えてくれた。
幼い頃、両親を亡くした私を祖母が引き取ってくれた。
親戚にとって、"親がいない"可哀想な子は同情の対象でしかなく、施設に入れられそうになったところを引き取ってくれた。
最初は祖母に対してブスッとした態度を取ったり、無視したり、当たったりして本当に可愛くない子供だったと思う。どうせ、あの人たちと同じなんでしょ?という考えが捨てられず、祖母を蔑ろにしていた。
ある日の夜、喉が渇いて起きると、祖母が『どれだけ嫌われても良いから、あの子がいつか心の底から楽しいと思えますように。笑ってくれますように。』と泣きながら願っているのを見て申し訳がなくなった。
そんな祖母の遺品を整理しながら、3つの星が今日もたおやかに光り輝いていた。
題 あたたかいね
雪国の冬は他のところと比べると別格と言っていいほど寒い。本当にここ同じ国!!ってなるくらいには寒い。
夜なんて室内なのに氷点下の時もある。最高気温は9どとかだ。そこで、私は電気毛布を買ってもらった。
猫と一緒に寝てあったかいねと言い眠りについた。
まぁ、猫アレルギーなんで鼻水と涙とパレードだったけど