五月雨

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題 星に願って
『亡くなってしまった人は、お星様になって見守ってくれているんだよ。』と祖母が教えてくれた。
幼い頃、両親を亡くした私を祖母が引き取ってくれた。
親戚にとって、"親がいない"可哀想な子は同情の対象でしかなく、施設に入れられそうになったところを引き取ってくれた。
最初は祖母に対してブスッとした態度を取ったり、無視したり、当たったりして本当に可愛くない子供だったと思う。どうせ、あの人たちと同じなんでしょ?という考えが捨てられず、祖母を蔑ろにしていた。
ある日の夜、喉が渇いて起きると、祖母が『どれだけ嫌われても良いから、あの子がいつか心の底から楽しいと思えますように。笑ってくれますように。』と泣きながら願っているのを見て申し訳がなくなった。
 そんな祖母の遺品を整理しながら、3つの星が今日もたおやかに光り輝いていた。

2/11/2025, 6:03:17 AM