『1件のLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
1件のLINE
LINEのKeepメモには、僕の目標がポンポンと一方的に送られている。目標を言葉にすると、ほんのちょっと、覚悟と勇気が乗ってくるから。
LINEの友だちの中から、緑色のアイコンをタップする。一つ、呼吸を置いて、できたばかりの目標を打つ。誤字がないことだけ確認して、送信する。
「いつか、君に好きだと伝える」
卒業までに、達成できるといいな…。
なんて思っていたら、メッセージの横に「既読」と表示された。あれ、これはKeepメモではなくて…?
改めて画面全体を見ると、目標の上には縦に二つ並んだ「よろしく」のスタンプ。
これは…。今日、君と交換したばかりのLINEじゃないか…!?
一件のLINEで意識が戻る。
外はまだ明かりすら見えない。
夢から戻りかけの重い瞼で目を凝らす。
「死にたい」
一言だけの通知。
昼間あれだけ喋っているはずの相手が、この頃やたらしつこくなった。
言うことといえばこの手の弱音ばかり。
いい加減うんざり。
もう面倒でしかないから関わるのを辞めたい。
明日の朝、一番の目覚めついでに封鎖してしまおう。
一件のLINE
LINEはアンインストール済みです
何年も前に
その手でいま手元にあるのは
Discordとメッセンジャーくらい
用途はメッセンジャーは料金系で
Discordはゲーム系
ゲームの内訳は
スプラ3 原神が主ですが
あまり使わない
この手の集まりは
ほとんど内輪であって
外部といたしましては残念極まりない
ちゃんとした集まりもあるらしい
そうらしいである
出会った試しがない
ある程度の人数が集まってからは
集団主義ぽい
TwitterとかLINEからの派生なら
まぁ仕方ないとは思うけど
所詮は他人事なんだけど
酒は飲んでも飲まれるな
これがどこでも基本なんですよ
巻き込まれないようにお気をつけてね
一件のLINE
テスト前日の夜。好きな人からLINEが届く。
『起きてる?
申し訳ないんだけど、ワークの24ページの答え見せてくれないかな?これって答え配られてないよな?』
LINEだと少し柔らかくなる話し方とか、
相変わらず腰低いなとか、
寮住みなのに同室の人に見せて貰わないんだとか、
頼れる人の中に私が入ってるんだとか。
このLINEがすごく嬉しくて、愛おしくてたまらなかった。
『はい。今後はちゃんと授業聞きなさいよ。』
そう添えて写真を送る。
この一件を送るためにどれだけの時間がかかったか。
ピロンッ
通知が届いた。
スマホをゆっくり見てみたが、
なんだ。ただの公式LINEだ。
内心がっかりしてしまった自分に驚いた。
ずっと私は心の何処かで待っている。
あなたからの1件のLINEを。
お題 : 1件のLINE #19
1件のLINE
今日のお題は難しいな。
何にも浮かばないし、書けそうにない。
LINEに大して意味を感じないし、単なる連絡手段だし。
そう!単なる連絡手段だし、なんならスタンプだけなんてこともあるしね。
言葉さえ要らない連絡方法があるって、人と人との繋がり方がこんなにも様変わりしたのだと実感する。
「1件のLINE」
あなたからだったりしないかなぁ って
スマホでお気に入りのサイトを見ても落ち着かなくて、小さくため息をつく。ちらりと見た黒板には、『令和○年度✕✕大学一般入試』と書かれた紙が貼られていた。
この嫌な緊張感を味わうのは二度目。前回は頑張れるところまで頑張ったが、だめだった。
ふと、一件のLINEがきていることに気づく。
《結紬。遂に本番だね。結紬は本当にすごいです。うちらは推薦で早めに終わらせたけど、うちらのいつめんグループの中で、結紬だけ最後まで努力してたよね。春休みみんなで卒業旅行に行った時、結紬だけちょっと苦しそうだったよね。ごめん。でもね結紬、あなたは私らの誇りだよ。誰よりもかっこいい人だよ。その結紬らしい真っ直ぐな気持ちを思いっきりぶつけてこい!
大丈夫。うちらはずっと結紬と繋がってるよ。大丈夫。》
時々送られてくる大学生活の報告に、嫉妬がなかったわけではない。心がちりちりしていたのを必死に隠していたけど、ばれていたのか。
深呼吸をして、一緒に送られてきたみんなで写っている写真を見た後、スマホの電源を落とした。
中2
一件のライン
嫌いな人から一件
まじで!!
きました
どうすればいいでしょう?
正解は〜〜〜〜
未読無視!!
既読つけたようがいいかな?笑
いいやーーー
お題
『1件のLINE』
ピコンッ
今日もいつものように推しを眺めている時だった。
私のスマホに1件の通知が来た。
なんだよ、、今推しに浸ってたのに……
そう呟きながらも渋々通知を開いた。
「好きです。付き合ってください。」
通知の内容は告白だった。多分……。
いや、付き合ってくださいって書いてあるから告白か…
送ってきたのはクラスの男子、あまり話したことはないがまぁ、世間で言うイケメン&陽キャ。
そんな人が私なんかに、、そう思ったが返信をすることにした。
『ごめんなさい。あなたのことよく知らないので』
思ったことをそのまま返した。そうしたら1秒も経たないうちに返信が来た。
「は?俺振られた??」
「なんでお前みたいなキモオタに振られなきゃいけねーんだよ」
私は戸惑った。
『えっと、』
思わず言葉を返す。
「え、気づいてない?w」
「嘘コクだよ?w」
嘘コク……。あぁ、私今いじられてるんだ。
”キモオタ”その言葉にも引っかかった。
確かに私はオタク。だけどキモイなんて付けないで欲しい。2次元だろーがなんだろーが好きな気持ちをそういう言葉でおさめんな。と嘘コクされた悔しさより怒りの方が大きかった。
『あ、そうですか。では』
そう冷静に返事をし、スマホを閉じる。
でも相手は懲りなくメッセージを送ってくる。
『うるさい。』
一言だけそういうと私はその男をブロックした。
何も言えてないけれどスッキリした。
1件のLINEが来た。
私は覚悟をしてそのスマホ画面を覗き込む
……………………………公式の通知だった。
私は役者を目指して早5年。
様々なオーディションを受け、その度に
「お前の代わりなど山ほどいる。とっとと帰れ」
と追い払われた。
《ピロリン♪》
と、また通知が来る。
どうせまた公式からだろう。
最古参で無名の頃から推している歌い手グループがあるのだ。
…まぁ、それじゃあなかったら、また不合格の文面が連なるだけなのだろう。
はぁ、とクソでかいため息を吐いてスマホを見る。
《この度は、シオリ演劇部のオーディションに参加していただきありがとうございます。
るる様の合否確認は下のURLからご確認ください。》
珍しいパターンだな、と思いながらURLをダウンロードする。
合格
その文字を見たとき、自分の目を疑った。
何度も見直すが合格の文字は消えない。
倍率を見る。
定員50人
応募人数1万人超え
倍率100倍
…私は、合格した50人の中では最下位だった。
だけど、1000件以上不合格判定を受けていた私にとって、これは喜ばしいことであった。
それから3年。
シオリ演劇部は今や日本を超え、海外進出をしている。YouTubeのチャンネル登録者数は200万人超え。
その中で私は、20歳の若きエースとして、シオリ演劇部を引っ張っている。
そして、今日も私はみんなに劇を披露する。
「私は!絶対にあきらめない!どんなに馬鹿にされても!私の夢は…私が決めるんだ!何度挫折しても…何度罵倒されても…絶対に諦めない!
諦らめなければいつかは夢が叶うから!」
いつか、夢は叶う。
頑張ってさえいれば、夢は叶う。
あの1件のLINEで、私の人生は180度回転した。
だから、私は
これからも諦めずに生きていく。
「一件のLINE」
LINEを使わなくなって久しい。婆々なので使わなくても老人だから許してもらえるだろう。LINEに限らずSNSは一切使っていない。先日、テレビで私と同じ老人をみつけた。アップルの創業者の一人である、スティーブ・ウォズニアックだ。かの老人も私と同じ懸念を抱いていた。SNSを駆使することで大衆心理を誘導する事が可能になる。私と同じように一切使っていないので、私だけではないと安心した。
いまの若い人がSNSを使わずに生活できるはずもない。しかし、相手の価値観を何の疑問もなく受け入れているばかりでは、失うのは自己のアイデンティティである。よく考えて欲しい。私とは何者なのか。
世界経済はグローバル化し価値観は多様化している。この世界が日々刻々と変化し続けていくなかで、正しい答えなどない。前にも発した言葉だが、あるのは、その瞬間にある最善だけなのだ。その最善すら、良い方向に向かうのか、わからないまま前に進まねばならない時代なのだ。
若者達よ心せよ。あなたが唯一無二の何かを創るのだ。しかし伝統的文化を継承する役目を担う人も必要になる。個々人の人生も多様化せねばならない。
いまはその気になれば、いくらでも勉強できる。自分が目指すべき道があるはずだ。その夢が叶うかどうかはわからない。私は絶望のさらに向こうの虚無も経験した。けれど神は私の使命を思い出させてくれた。死んで生まれ変わっても私の使命は消えない。
SNSを使う時は自分自身を見失わないように気をつけて欲しい。そして、少しばかり心理的に距離を持つことだ。難しい場合には、使わないのも個人の自由だ。
あとがき
お風呂から出てきた夫がスティーブ・ウォズニアックの事を調べてくれた。動物を救う動画を見るために、Tik Tokは利用していた。動物好きも一緒だった。
SNSにかなり否定的な内容になった。すでに生活の一部となっている方が大多数に違いない。客観的に見て、マイノリティな意見である。
その一件のLINEは、今も私のスマホの中にある。彼がもう、この世にいない者たちの仲間になったとしても。
プロフィール写真が消えた今になっても、私が存在する限り、彼は存在する。
彼の肌の温もり、汗ばむ肌、声、軽やかな足さばき…私はいつでも目の前に彼を再生できる。
そして、今夜も永久に既読がつくことのないメッセージを眺めている。
【一件のLINE】
僕のLINE友達は
お世辞にも多いとは言えない
ほとんどは数年以上動かしていないので
一件のLINEに一喜一憂することも少ない
それでも
今トークにある数少ない友達との
ほどよい距離感に
なんとも言えない心地よさを感じているので
割とお腹いっぱいだ
公式ラインか、さっきまで連絡をとりあってた、友人からの返事。
ずっーと
消せずにいる…
大好きなヤツからの
LINE
今でも
とってあるとよ
たまに思い出したくなる時にね
そっと開くんだぁ
梅茶々
1件のLINE
ピコンッ、
「…はぁ、今度は…何なの…」
私は、最近知らない人からLINEがよく来る。
警察にも話したが、なかなか信じてもらえない。
証拠あるのになあ。
怖いが、恐る恐るスマホととると、
ピコンッピコンッピコンッピコンッピコンッピコンッ
ガタンッ
「きゃぁ!?」
急にたくさん来た。
驚いた反応でスマホを落としてしまった。
「割れてるかなぁ…」
そして案の定割れていた。予想通りだった。
だが、これはいいことなのでは…?
新しいスマホを買ってアイコンや名前を変えれば…
今の時刻は午前11時。スマホ屋も開いている。
「よし。」
私は晴れた気持ちで外へ出た。
ピコンッ、
彼女が出ていった後、一件のLINEが来ていた。
《今から会いに行くね♥️》
END
「おーい」
すべてはこの一件のLINEがはじまり。
数年前、同窓会を開く予定を企画していた際、
個別にLINEのやりとりをした。
初めは同窓会に関するまともな話。
だが、同級生がゆえ
年齢も40代になりプライベートな話も多少する。
私は独身で自由気ままな生活を楽しんでいる。
相手の男はバツイチになっており。
連絡を取り始めた頃、お見合いに失敗したようだ。
だからなのか この男
わたしが独身だと知って、毎日連絡してくるようになった。
その第一声が冒頭の「おーい」である。
すぐに返信しないと、鬱陶しいほどLINEがくる。
そして、通話したがる。
話の内容も、マウント取りたいだけのクソジジイに進化していく有り様。
この男
占い師に観てもらわなくてもわかる。
将来、老害になるタイプですよ。
昔ヤンキーだったからなのか
妙な自信だけは残ってて
私に向かって「俺の嫁候補な」だと(笑)
良く言えるな、今の自分を鏡で見たことあるのか❗
気味悪いオヤジが気持ち悪いこと言ってますけど❗
私の心の声は、そう叫んでいたはず。
もちろん丁重にお断りしました(笑)
その後、この男とのLINEをブロックするのは
当然のことなのでした。
おしまい
その1件のLINEで、
どれほど幸せになったことか。
送らなかったあなたには分からないことでしょう。
「1件のLINE」
一つでいい
それが
飽きる程でも
それでも
一つでいい
一つで
一人で
いい
それが私の当たり前
「私の当たり前」