『鳥かご』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
駅からアパートまでの道、その丁度中間辺りにある白い洋館。
この辺りでは一番敷地の広いお屋敷で、ぐるりと鉄柵に囲まれている。
敷地の中には大きな木があって、区の保存樹木に指定されていた。
どんな人が住んでいる?
家族構成は?
ペットとか飼っているのかな?
興味は尽きない。
けれど、何一つ知ることはできなくて、いつも洋館の前を通り過ぎるだけ。
時折聞こえてくるピアノの音に耳をすまして、歩く速度を落としてみる。
音楽の知識があるわけじゃないから、そのピアノが上手いのかどうか、全然分からない自分にちょっぴりガッカリする。
今日も今日で洋館の前を通る。
あ、珍しい、玄関が開いている。
頭ではダメだとわかっている。
けれど体は正直で、好奇心に負け横目で中をチョット拝見。
「鳥かご?」
思わず口に出た言葉を、慌てて仕舞い込む。
木製の、随分と手の込んだ彫刻が施された、そうアンティークの鳥かごだった。
けれど⋯⋯。
もう一度見たい、しかしここで引き返したら不審人物以外の何者でもない。
でもあれは確かに⋯⋯。
目を閉じて、先程のほんの一瞬の光景を思い出す。
「間違いない」
うんうんと、誰にでもなく頷いて、足取り軽く駅に向かう。
洋館については相変わらず殆ど何も分からない。
けれど 、あの洋館には某アニメが好きな人が住んでいる。
⋯かもしれない。
だって鳥かごの中で、首に赤いリボンをつけた真っ黒な猫が、とても気持ちよさそうに寝ていたのだから。
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(´-ι_-`) 洋館、だいぶ前になくなってた⋯
鳥かご
このかごの外側が、どれだけ雨風強い場所だろうと、自分よりもどれほど大きい敵がいようと、それでも君は、ここを抜け出して、前に飛んでゆきたいのかい。
久しぶりに書こうと思いました。
今月の半ばくらいですかね。恋人が出来ました。
夜職を初めて約4年。
私はきっとこのままこんな人生を歩んでいくんだろうとなんとなく察していました。
本当についこの間。お客様として来ていただいた方に本当になんとなく。ふと。この人ならなんて期待があったんです。またねの約束を交わして抱きしめられた時に安心感があったんです。4年間の思い出が崩れるくらい。なんだか泣きそうになりました。
そのお客様は何度も通ってくれて、見返りなんてひとつも私に求めなかった。
初めて店外をした時に、彼に尋ねたんです。
彼女、欲しくないの?
彼はいても楽しいし居なくても楽しいって言ってました。
今は彼に風上げしてもらって、養ってもらっています。
1人の方からの愛情だけを受けて、その人を信じてその人に期待を降り注いで初めは不安でした。
でも、不思議ですね。一緒にいるうちに消えないでいて欲しい存在になりました。
1週間後には、一ヶ月後には別れているかもしれない。でもそれでも今はこの幸せを抱きしめてみようと思います。
廃墟で、鳥かごを見つけた。
その中には、青い鳥が入っていた。
綺麗な空の色の鳥、狭いかごの中、空へ羽ばたくことなく眠りについていた。
私は、そっとかごから出した。
鳥かごに収まりたくない僕はまた大空に羽ばたく夢を見た。いつか僕も空を飛んでみたい。
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theme 鳥かご 2024-07-25
縦縞の 眺めにもまた 縦縞の
あゝ遠きかな 恋の囀(さえず)り
#9鳥かご
鳥かご
泣きたい。笑いたい。怒りたい。楽しみたい。
そんな感情に囚われる私。
私が檻を殴ると、檻は少し揺れる。そして、少し歪む。
自分が惨め。何もできない。自分のできることなんて、周りに気を遣わせないように、場合に応じて、笑っておくことぐらい。
急に、自分の無力さに腹が立つ。いや、俺が使えない訳じゃ無い。周りが俺を評価しないんだ。周りが悪い。俺は悪くない。絶対に俺は悪くない。
ハッと我に返ると、自分のダサさが、滲み出ていて、口の中が苦い。自分の愚かさに嫌気がさす。歯が勝負のつかない腕相撲をして、何本か砕け散っている気がする。
こんな生き方は、つまらない。どっかの花火大会にでも行って、俺自身を花火にしてもらいたい。自分など、死んで構わない。だけど、最大級に楽しんで死にたい。わがままに聞こえるけど、それは、割り切っている。全てを我欲のために。
色々な妄想をするが、いつも自分の感情が邪魔をしている。感情が、私を振り回す。それが、どこか悔しくて、私が感情を振り回そうとする。こんな生き方なら、自由を感じられて、心ゆくままに、走り続ける人生になるのだろう。檻をこじ開け、笑みを零すかのように。
→短編・少年と銀鼠の鳥
少年の父親は、銀鼠色の美しい鳥を飼っています。遠い国からやって来た商人から買い付けたものです。
ある日、少年は父親の書斎に忍び込んで、鳥を外へと逃がしました。狭い場所に閉じ込められて可哀想だと思ったからです。
「ホラ、これでどこにでも行けるよ」
鳥は近くの木に止まって少年を見ています。銀鼠色の羽が陽の光を受けて玉虫色に輝いています。キュイと感高い鳴き声を上げて、鳥は飛び立っていきました。ありがとうと言っているように少年には聞こえました。
少年は図書館にやってきました。
「やぁ、こんにちは」
「こんにちは。今日も来ちゃった」
毎日のように図書館を訪れる少年は、もうすっかり司書の男性とは顔なじみです。
少年は気になるタイトルの本を手に図書館の奥に向かいます。
少年はいつもの席に落ち着きます。建物から張り出した円形の小さな空間にある安楽椅子。椅子を取り囲む円形の壁にはステンドグラスがはめ込まれているのですが、どれも光を通さず本を読むにはあまり快適とは言えません。
少年が備え付けのスタンドライトを灯そうとしたとき、司書さんが少年のそばにやってきました。
「ちょっとこっちにおいでよ」
少年を引っ張って広くて明るい閲覧室に連れてゆきます。「あんな暗くて狭い場所よりこっちのほうが快適さ」
少年が何も言わないうちに背中をバンバンと叩いて司書さんはカウンターに戻っていきました。
その優しさを無下にできず、仕方なくその辺りで本を読み始めた少年ですが、集中できず10ページも読めませんでした。
「あれっ?」
図書館から家に帰った少年は、書斎の鳥かごに銀鼠色の鳥を見つけました。
少年はもう一度鳥を逃がそうとしました。少年が鳥かごに指を入れたとき、「止めて」と声がしました。
驚いた少年はキョロキョロと書斎を見回します。
「ここよ、ここ!!」
何と、話しているのは鳥ではありませんか!
「君、話せたの?!」
「私、ここが好きなの」
少年の言うことを無視して、鳥はさも迷惑そうな声を上げました。
「外は広いよ」と、おっかなびっくりの少年。
「だから何? ここは清潔で食事もついてて、イタチやテンに狙われることもない」
「僕、君は空を自由に飛び回りたいんじゃないかと思って……」
「そうね、空も素敵よ。でもね、私はここであなたのお父さんに大事にされて、彼のために歌いたいの」
「ごめんなさい」
自分のやったことが鳥のためにならなかったと知り、少年は肩を落としました。
少年のあまりのヘコみ具合に鳥が慌てて声をかけました。「そんなに落ち込まないでよ」
鳥は体をクルリを背に回すと尾羽根を抜き取りました。
「子どもにそんな顔させちゃ、後味が悪いったらありゃしない。これあげるから、もう余計なことはしないって約束して」
銀鼠色の尾羽根が微妙な色合いでひらひら揺れるさまを見ているうちに、少年の瞼が閉じてゆきました。
翌日、少年は書斎で寝ているところを家の人に発見されました。鳥と話したと言っても誰も信じません。寝とぼけたのだろうとからかわれる始末です。父親を引っ張って鳥と話させようとしましたが、鳥は美しい声でキュイと鳴くだけでした。
「こんにちは、司書さん」
「やぁ、こんにちは。昨日と同じ明るい席を空けてあるよ」
司書さんの朗らかな笑顔に少し怖気づきながらも、少年は言いました。
「僕、いつもの席に行きます」
「暗いし狭いだろうに」
「あの席が好きなんです。本に集中できるから」
司書さんは「なるほどなぁ」と頷きました。
少年は図書館の奥に向かいます。その胸元には、ピンバッチに仕立てた銀鼠色の尾羽根が付いていました。
少年は今日も図書館で本を読んでいます。彼のお気に入りの場所は、ステンドグラスに囲われた安楽椅子。
その外観は張り出した円形状で、ステンドグラスも相まって鳥かごのように見えることを少年は知りません。
テーマ; 鳥かご
鳥籠
子供の頃はなんだか好きだった。
アンティークものだとなお良し。
おしゃれで、なんだかワクワクした。
今はちょっと窮屈な気持ちになる。
なんでだろう。
鳥かご
鳥籠の中の小鳥は、
まるで囚われの姫君の様で、
可哀想だと、思っていた。
だけど。
鳥籠から飛び出したとしても、
外は、余りに危険だらけで、
小鳥は無惨な死を遂げるだけだろう。
一瞬の自由を求め、
その生命を捧げるのか。
生命を永らえる為に、
不自由を受け入れるのか。
広い世界を知らなければ、
狭い鳥籠の中が世界の全て。
鳥籠の中と鳥籠の外。
どちらが幸せかなんて、
俺には解らない。
…だから、俺は。
外の世界なんか、知らない振りをして、
餌だけは与えてくれる飼主の下で、
鳥籠の中でくるくると踊る、
青い小鳥で居ようと思う。
あぁ
目の前にいる
この人を
いっそのこと
好きになれたらいいのに
一生
この鳥かごの中に
いなければならないならば
もう
会うことも叶わない
君のことなんて
思い出さなくていいくらい
好きになれたらいいのに
まるで鳥かごに閉じ込められているかのような少年がいた。
その少年にこう問いかける。
そこから出たくはないか?と。だけどまるで動く気配のない少年を見て思った少年は出たいはずなのに出たがらない。彼は悲観していて、虚しさすら感じるのだ。
さぁ君ならどう声をかける?
深傷心
8年前のあの日。
友達、大切な人、信用、信頼etc.
一生大切にしたいモノが全て失った。
あの日のことはまだ吹っ切れずに
ずっと引きづっている。
「このストーリー何?」
バイト帰りに琢也の部屋を訪れた。コンビニでバイトしていると稀に厄介な客に当たる日があって、今日がまさにそうだった。心身共に疲弊した私は琢也に会いたくなって急遽連絡したのだ。
二つ返事でオーケーしてくれた琢也は、家に到着するまでの間ずっと電話を繋いでくれていた。暗い道が少しでも怖くないように、という琢也の心遣いだ。私に向けられたその優しさが嬉しくて仕方ない。
話を切り出されたのはご飯を食べて、お風呂に入って、髪を乾かし合った後だった。ソファに隣り合って座り、スマホを弄りながら寛いでいたら、琢也が突然スマホをこちらに向けてきたのだ。表示されていたのはSNSの投稿した画像で、同じゼミの同期と写ったものだった。
「水野君と撮らされただけだけど」
「はぁ? 距離近くない?」
正直に答えると、琢也は苦虫を噛んだように顔を歪ませた。声は明らかに不機嫌だった。
「そうかな? これでも肩組まれそうになったから必死に避けたんだけど」
「肩ァ?」
あっ余計なこと言ってしまった。
私はのらりくらりと、かわそうとして火に油を注いでしまった。琢也眉間に皺を寄せ、鋭い目つきで私を見下ろしてきた。
「美菜子、お前隙ありすぎ」
「うっ、ごめんなさい」
「謝られてもさ、別に何の解決にもなんないの。肩組みを避けるのは当たり前だし。それでもこれは顔の距離が近いだろ」
「えっ、そ、んなことないと……」
私は狼狽えながら琢也の手の中にあるスマホを覗いた。
同じゼミに所属している水野君はゼミ長だけど、連絡事項を教えてくれるくらいであまり話したことがない。
この写真も卒業アルバムの話が出て、ゼミのページに載せる写真が欲しいからとアルバム委員の子に無理矢理ツーショットを撮らされたのだ。仲良しアピールがほしいのか「肩組んで」とお願いされたところを私が断固拒否して隣に並ぶだけにしたのだが。よく見たら棒立ちの私の横に並ぶ水野君は、私の方に体を傾けていた。くっついてはいないけど、確かに近いと思われるかもしれない距離だった。
そもそも、琢也と一緒にいるようになってから、異性とは話さなくなっている。琢也がいい顔をしないどころか、こうやってヤキモチをやくからだ。
「本当にごめん、気が付かなかった」
「ていうかこの写真上げたやつも誰? 何がしたいの?」
「えーっと、アカウント名的に多分アルバム委員の子かな。ゼミの仲良しアピールでもしたかったのかな」
「勝手に他人の彼女が勘違いされそうな写真を上げてまで?」
「今度会ったらちゃんと言う」
マジほんとありえねぇ。
琢也はそう吐き捨てて自分の頭をガシガシと掻きむしった。本当にイライラして仕方ない時の仕草だ。私は琢也の膝にそっと手を置いて、俯く彼の顔を下から覗き込んだ。
「琢也、本当にごめんね。私、ちゃんと気をつけるから」
「あぁ」
「男子とは必要なこと以外話してない。この水野君も滅多に話さない。二人きりにもならないようにしてるし、彼氏いることも周りに言ってるよ」
「うん」
「メッセージの返信も、SNSのコメントも。通知受けたらすぐにやる約束、まだ守れてるでしょ? マメに何しているか知りたいって言ってくれたから、行動する前に送るようにしてるよ」
「うん」
「まだまだ足りないところだらけの私だけど。お願い、信じて?」
両手を琢也の膝に乗せたまま、体重を少し乗せる。下から覗き込んで、琢也の目と私の目が合った。そのまま数秒待っていると、琢也の手が頭から降りてきて、私の腰を掴んだ。
フワッと束の間の浮遊感の後、私は琢也の膝の上で向き合うように座らされた。落とさないようにか、今度は琢也の手が私の背中に回ってグッと引き寄せられた。彼のぬくもりに包まれて、安心してしまった。
「ごめん、信じきれなくて」
「ううん、不安にさせた私が悪い」
「美菜子は悪くない。俺が弱いのがいけないんだから」
声のトーンが下がり、琢也が弱々しく呟いた。本人から直接聞いてないけど、噂で元カノが浮気性だったことを耳にしたことがある。きっと琢也は無意識に浮気されるのではないかと不安がっているのだ。
琢也が私の肩に顔を埋めて、ぐりぐりと押しつけてくる。私は頬に当たる髪の毛がくすぐったくて、子供っぽい仕草に思わず笑みが溢れた。
「そんなことないよ。私、察しが悪いから琢也にばかり無理させてるよね? 本当にごめん。でも全部言ってくれるから、私ちゃんと気をつけようって思えるの。だからもっと言ってほしい」
「うん、ありがとう美菜子。愛してる」
「私も」
私は肩に乗っかっている琢也の頭を撫でた。髪の毛を整えるように手を動かしていると、急に琢也が顔を上げた。びっくりして目を見開くと、次の瞬間には唇が重なっていた。
最初は軽く、チュッとリップ音を鳴らしながら合わさっていたが、どんどん重なる時間が長くなっていく。力なく薄く口を開けると、今度は深い口付けに変わった。お互いの舌を絡ませて、彼の首の後ろに手を回してより顔を近づける。気持ちよくてたまらなくなって、もっと求めてしまう。
次に唇が離れたのは、お互いの息が保てなくなったタイミングで、私は琢也から離した手を自分の胸に当てて呼吸を整えた。すると、腰を下ろしているところに少し違和感を感じた。
「あの、さ」
「あー、うん、そうだね」
琢也は自分の腰を私に擦り寄せた。硬く主張する存在が何なのか、疑いから確信に変わって思わず顔が熱くなった。私の様子を揶揄って「真っ赤」と琢也は笑った。
「ね、明日休みだからいいでしょ?」
「えー。もう、しょうがないな」
私が仕方なく返事をすると、身体がまた浮いた。ベッドはすぐそこだからとても短い時間だけど、毎回私を持ち上げて運んでくれる琢也にときめいている。
そうしてベッドに雪崩れ込み、瞼を閉じて降ってくる甘い痺れに酔いしれた。
もっと私を縛り付けて。
私だけを見つめて、考えて、愛してほしい。
『鳥かご』
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150投稿目です。
(どこかで1日に2個くっつけて投稿しているのでこの作品は151作品目になりますが、キリ良くしたかった事情のもと投稿回数を今回だけ強調してます)
いつも本当にありがとうございます。
139作品目の時には言い忘れてすみませんでした。
これからもよろしくお願いします。
「鳥かご」
私は外の世界のことを知らない。
外の世界の景色はみえる。
でも、どういうところなのか知らない。
誰も外の世界のことは教えてくれない。
聞こうとすると嫌な顔をされてはぐらかされる。
まるで、鳥かごの中にいるみたい。
私は外の世界が気になる。
みた感じだと、とっても楽しそう。
キラキラしてて、明るくて、ポカポカしてて。
外の世界に行きたい。
どんなところか分からないけれど、ワクワクする。
どうすれば行けるのかずっと考えていた。
ある日、ドアが開いていた。
ここから、外の世界に行けるのではないか。
行ってもいいのかな?
ちょっとお散歩するだけ。
私は外の世界に飛び出した。
出た瞬間、見知らぬ人に踏み潰された。
ぐちゃぐちゃになった。
見知らぬ人はコチラを一度も見ずに去っていった。
外の世界は、思ったより明るくなかった。
キラキラしていない、暗い、ポカポカしていない。
どうして、誰も外の世界のことを教えてくれなかったのか、いま分かった。
あそこにいれば、こんなこと知らずに済んだ。
あそこにいれば、ぐちゃぐちゃにならなかった。
私は愚か者だ。
鳥かごの中にいれば、幸せだったのに。
助けて...。
ここで、目の前が真っ暗になった。
生きてる
死んでる
んなのは、どうでもよくて。
ここにあり、ここにいる、ここを全うすることが大切なわけで。
可愛らしい鳥かごの鳥にはならないけど、精々がんばりますよっと。
お題『鳥かご』
むかし、飼い主さんが教えてくれたの。
「君みたいな姿をした生物が家族でご飯を食べたり、学校行ったり、働いたりする星が遠くの方にある」って。
わたしは鳥かごの中に飼い主さんが用意してくれたふわふわの天蓋つきの白いベッドに、飼い主さんが着せてくれた白いサテンのかわいいワンピースに身を包みながら聞いてたの。
わたしみたいにニンゲンの言葉を理解して、お喋りしたり、お洋服を着たり、鳥かごをお部屋みたいにしてくれるのは珍しいことみたい。前に飼い主さんに抱っこされながら散歩した時、他のわたしと同じ生き物を見たけど皆服を着てなかったし、言葉も喋れなかった。
わたしの星では常に戦いが起きていて、最近飼い主さんがいなくなっちゃったの。
「もし僕が戻ってこなかったら鳥かごから抜け出すんだ。そしたら、誰にも見つからないように走って、『地球』行きの宇宙船を見つけたらそれに飛び乗るんだ。そうすれば、君はもう鳥かごで暮らさなくて済む」
って言い残して、飼い主さんは、全身かたそうな黒いお洋服に身を包んで、黒い銃を手にしていなくなったの。
しばらく待っても戻ってこなくて、お部屋の扉を蹴破って飼い主さんを探しにやって来た怖いおじさんたちに「服を着た小さく美しいサルがいるな。しかも言葉を理解するとは珍しい」と言われて捕まりそうになって、今、逃げてるところ。怖いおじさん達が言うには、飼い主さんは今も行方がわからないんですって。
命からがら逃げて、逃げて、逃げて、足を怪我しながらようやく宇宙船のターミナルについて、『地球』行きの観光用宇宙船にどうにか忍び込んだところ。たまたまお客さんがいなくて良かった。
宇宙船が離陸するのに体がとばされないようにしがみついて、宇宙船が安定するまでどうにか耐えたわ。走ったり、振り回されないようにして、疲れちゃった。
わたし、飼い主さんに言われたの。宇宙船に無事に乗り込めたなら発信機のスイッチを入れてくれって。ワンピースのポケットから発信機が落ちていないことに安心して、中央のボタンを押したわ。
音が鳴らないから飼い主さんに届いているかはわからない。
乗った宇宙船は、天井の窓が丸く大きくあいていて、いろんな星たちが見えて、
「飼い主さん、会えるよね」
とぽつりこぼした。宇宙に浮かぶ星たちはきれいで、飼い主さんにも見せてあげたかったな。
あんたの部屋が殺風景だから、っていきなり押付けてきた金色の鳥かご
別に鳥が好きって訳でも無いし、飼いたいなんて言ったこともないのに、って文句言ったら私がこれから住む家なんだからこんな殺風景じゃ耐えられない!だって。
そこからは成り行きで鳥を買いに行ったっけ
今までペットの世話なんてしたこと無かったけど、君が楽しそうだったから僕もなんだかやる気が出てきて。
愛着が湧いちゃうかも、なんて言ったこともあったね。
でも結局僕が大切なのは君であって鳥じゃない
ご飯の時、君が鳥にかける、あんたもご飯だぞ〜なんて声がなきゃ餌をあげようとも思わない。
どうせ出てくんだったらこれも持っていってくれればよかったのに
そうしたら君の事も思い出さなくて済む
■鳥かご
「私ってまるで鳥かごみたい」「閉じ込める側なんだ」
鳥かごの中には
何が見える?
何羽かの鳥?
それとも、空っぽ?
自分自身や、愛する人?
閉じ込めるのも
閉じ込められるのも好きじゃない。
だから私は、出入り口も
常にあけておく。
気が向いたら、餌を食べに
来てもいいし。
羽根を休ませてる隙に
捕まえたりもしないよ。
いつだって、飛び立つ自由は
誰にでも平等にあるはず
それなのに、私は…
少々の不便は、不要な付属品として
人生という時間制限には付き物だ。
部屋に舞い落ちた、羽根を手に取り
ふっと吹くと
驚くほど軽やかに、また羽根は
空に戻った。
【お題鳥かご】