『鳥かご』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
人一倍失敗がコワイ。
人がそんなに?って思うことでも緊張する。
昨日やってしまったちょっとした失敗にドキドキして、
朝、いつもより早く目覚める。
深呼吸して、心を3回叩く。
「大・丈・夫」 これが私のおまじない。
ただ、昨日の小さな出来事なんて
誰も責めたりしない。
気にもとめてなかったりする。
ただ、会社という小さいようで大きい
その籠の中で私は毎日小さなドキドキを繰り返す。
たまに、抜け出したくて、
温泉に出かけたり、寄り道しておいしいものを食べたり。
そうやって、うまいこと羽根を広げないと
籠の中で縮こまってしまうから。
帰り道、ハーゲンダッツ買って帰ろーっと。
明日ちゃんと飛べるように。
「 鳥かご 」
鳥かご。小説でお馴染みの深窓の令嬢が自分をたとえて言う言葉。「私は、まるで籠の中の小鳥」
確かにそれはつらかろう。気詰まりな暮らしは、肩が凝って仕方ないだろう。同情する気持ちは大いにある。あるが、人生で一度!一度でいいから、そんな言葉を吐くような深窓の令嬢になりたい。
発想まで貧困化している私は鳥かごイコール籠の中の鳥イコールお嬢様。の図式が出来てしまう。
つくづく、貧乏人である。笑
鳥かご
自分の知っている世界だけに閉じこもっていたら、
それはそれで幸せなのかもしれないけれど、
未知の世界を知ったらもっと幸せになったのかもしれないし、逆に不安になったのかもしれない。
でも、今までの私を変えたくて。
鳥かごから羽ばたく時が、今なのかもしれない。
今日、勇気を持って告白しようと思う。
振られちゃうかもしれない。
それでも好きなことを伝えることができた自分を、
私は尊敬出来ると思うから。
あなたが奏でるその曲は
自暴自棄のフリをして
あなたが謳う正しさは
自己満足でしかなくて
流行りの加工アプリで
自分自身を美化したり
他人の小さな綻びを
血眼になって探すくらいなら
いつの間にか手放していた
その古びた手鏡を磨いてみろよ
あなたを囲う鳥籠が
わたしの目には脆く見える
あなたを囲う鳥籠の
扉はとっくに壊れてる
あなたを囲う鳥籠は
あなたの心までは閉じ込めてない
見えない檻を作ったのも入ったのも自分なのに、閉塞感を覚え苦しむ私の様子を鳥かごの中の鳥のように表現しようとしたけどやめた。
鳥かごと鳥のように美しいものじゃないから。
鳥かご
鳥にとっては、
その鳥かごが
世界のすべて
鳥かご。
鳥かごに
何を入れよう?
一つしかない
心?
私も鳥かごに
入ったら
遠征できるかも?
鳥かご
かごの中に鳥はいるのか?
かごの鳥
鳥はいつも出られるときを待っているのか?
それともかごに満足しているのか?
それともいつか壊して出ようと思っているのか?
それともそれともそれとも…
それとも鳥かごをどう使うのか?
#鳥かご(2024/07/25/Thu)
とうとう彼女の家へ遊びに来た
いらっしゃい 久しぶりね
りんごの皿を手に彼女のお母さんが部屋に
小学校の時以来じゃない?
かしこまって返事の声がやや裏返りかけた
ねえ、これ、かわいいでしょ
ごらんなさいと指さす先に竹かごがあった
生きた鳥を入れるの可哀想って言ってね
ぬいぐるみの鳥が入ってるのよ ふふ
シマエナガのマスコットが数個
エナガ団子を再現するみたいに並んでた
可愛いな うん 可愛い
聞くところには蚤の市で見つけた竹の鳥かごが気に入り買ったけれど、小鳥を閉じ込めるのは気が引けて、ああなったとの事
断じて世話が億劫だからでは無いと補足されると、やや言い訳めいて聞こえてしまう。そうか。知らない一面が垣間見えた気がした。
やっぱり可愛い。
僕はいつも
手を伸ばす
目の前にいる
あなたに触れてみたい
声が枯れても
叫び続ける
この想いが
あなたに届くように
僕の未来は
あなたより短い
こんな僕だけど
次に産まれる事が許されるなら
またあなたの元でありますようにと
祈り続ける
「鳥かご」#6
1度外の世界に出てしまえば、ここがどれだけ窮屈で、狭いのかが分かる。
そんなことに気付くくらいなら、出ようともがかず、外の世界に気づかない方がいいかなぁ、なんて鳥かごの中で考える。
鳥かご
仮に飛べる力を無くした鳥を鳥かごから出すことは出来なくても、一緒に外を見ることはできる。だから私は彼女と散歩した。偽善と思われても構わなかった。
感情のない表情をしていた彼女がある時、私の手を掴んで笑いかけてこう言ったのだ。
「ありがとう」
私は堪らず泣いた。彼女は困惑する。
“珍しいから”それだけの理由で片翼を奪われた有翼人種の彼女は日の光に照らされ、天使のようだった。
いつかこの囲われた偽物の庭から彼女を出してやりたい。本気でそう思った。
日々家
鳥かごに閉じ込められた鳥は
世界を知れるか?
今日と過去に閉じ込められた私は
明日を知れるか?
【鳥かご】
体の割には与えられる空間が少ない
僕は自分から世界を狭めてる
厄介だしおかしな奴だよね
『鳥かご』
「もういい! 徹の好きにすればいいじゃない!」
未久は今にも周囲の空気を一刀両断してしまいそうな鋭い金切り声で言い、僕が大事に抱いていた古い鳥かごを奪い取った。そして、それを思い切り床に叩きつけた。
長い喧嘩の最中。一瞬の出来事だった。金属が潰れる音とともに、錆びた鉄製の鳥かごは、フローリングの床の上で無残に壊れた。僕は血の気の引く思いで、それを見下ろした。
僕がまだ小さかった頃、鳥かごの持ち主は心臓発作でこの世を去った。彼女が大切にしていた鳥かごを、僕は形見に譲り受けた。
彼女の名前を、僕はそっと呟く。
「ママ……」
***
徹の背後には何かが棲んでいる。その何かは、徹が大切にしている鳥かごと関係がある。
幼い頃から、私は勘が鋭かった。中学生になった辺りから、それは一種の霊感のように私に何かを告げてくるようになった。大学を卒業し、図書館に勤務するようになってから、霊感に似たそれはますます強くなった。
徹とは、大学時代からの知り合いだ。勤勉な学生同士ということもあるのか、私たちは妙に気が合った。しかし、徹と私が男女の関係になることはなかった。
「僕は異性と深く係わることができないんだ」
徹の家に初めて招かれた時、息が詰まるくらい清潔な部屋で革張りのソファに体を沈めて、私は彼の話を聞いた。その時、徹は骨董品めいた鉄製の鳥かごを、遺骨でも扱うように大事に抱えていた。
「僕が小さい頃に、母がよく言っていた。たとえママが死んでも、どこへも行かないでねって。僕は約束したんだ。どこへも行かない。ずっとママのそばにいる」
「だから私とは付き合えないの?」
尋ねた私に、徹はさも当たり前のように大きく頷いた。
あれから二ヶ月が経った。今、私たちの間には壊れた鳥かごがある。私が徹から鳥かごを奪い、床に叩きつけて壊したのだ。
こうするしかなかった。徹が母親からかけられた呪いは、こうすることでしか解くことができなかったのだ。
「ママ……」
徹が呟き、壊れた鳥かごに震える手で触れる。一つ一つの部品をゆっくりと拾い集め、やがて徹は深い溜め息をついた。私は無言で見守っていた。理解してもらうことは不可能だ。元から空っぽだったこの鳥かごの中に、私が何を見ていたのか。そんなこと、現実主義者の徹には到底理解してもらえないだろう。
私は唇を噛み締め、黙って部屋を出た。徹は追いかけてはこなかった。
でも、きっと私がいなくても徹は幸せになれるだろう。母親によって鳥かごの内部に囚われていた徹の自立心は、たった今、解き放たれたのだから。
今度こそ、徹が自由になれますように。
私は心から願った。壊れた鳥かごから飛び立つように出ていった、青緑色をした光の玉が、今も目の奥に焼きついていた。
鳥かご
この世界は息苦しい。
あれは駄目、こうしなさい。
制限が多すぎる。
もっと自由でいたいのに世界はそれを許してくれない。
個性を消してしまうのはこの鳥かごみたいな息苦しい世界だ
自分は今無職!
毎日家の中鳥かごにいるみたい
外に出て羽ばたきたい!
鳥かごを開けっ放し
でも帰巣本能で帰ってしまう自分がいる
あなたの鳥かごにいる間は、あなたは私を見てくれるのでしょう?
鳥かご
私はその日いつもより早く家を飛び出した。学校に行くと誰もいないことを確認して私はクラスで飼っている鳥のつーくんの鳥かごに歩み寄った。つーくんは先生が家から持ってきたインコでクラスの子たちは休み時間になるとつーくんと必ず遊んでいた。でも私は知っていた。つーくんはみんなが嫌いでずっと外の世界に憧れていることを。私は物心ついたときから動物の言葉が分かるという特殊能力を持っていた。それで今日つーくんをみんなに内緒で逃がしてあげようと思ったのだ。クラスの子たちには悪いが「朝来たら逃げていた」と嘘をつけばいい。そう思って私は思いっきり鳥かごを開けた。その瞬間つーくんは羽ばたいていった。私が外を見る頃にはもうその姿はなかった。私が鳥かごを閉めると後ろから物音がした。すぐに後ろを振り向くとクラス委員長の鮫島大翔がいた。「田中さんつーくん逃がしたの」そう聞かれて私はうなずいた。それから私は鮫島にすべてを話した。特殊能力が使えること、つーくんが外の世界に憧れていたこと。そのことを話すと鮫島は「じゃあ俺について来て」と言われついて行った。その時の私はまだ知らなかった。これから起きる悲劇に。