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鳥かご

私はその日いつもより早く家を飛び出した。学校に行くと誰もいないことを確認して私はクラスで飼っている鳥のつーくんの鳥かごに歩み寄った。つーくんは先生が家から持ってきたインコでクラスの子たちは休み時間になるとつーくんと必ず遊んでいた。でも私は知っていた。つーくんはみんなが嫌いでずっと外の世界に憧れていることを。私は物心ついたときから動物の言葉が分かるという特殊能力を持っていた。それで今日つーくんをみんなに内緒で逃がしてあげようと思ったのだ。クラスの子たちには悪いが「朝来たら逃げていた」と嘘をつけばいい。そう思って私は思いっきり鳥かごを開けた。その瞬間つーくんは羽ばたいていった。私が外を見る頃にはもうその姿はなかった。私が鳥かごを閉めると後ろから物音がした。すぐに後ろを振り向くとクラス委員長の鮫島大翔がいた。「田中さんつーくん逃がしたの」そう聞かれて私はうなずいた。それから私は鮫島にすべてを話した。特殊能力が使えること、つーくんが外の世界に憧れていたこと。そのことを話すと鮫島は「じゃあ俺について来て」と言われついて行った。その時の私はまだ知らなかった。これから起きる悲劇に。

7/25/2024, 12:13:01 PM