『鳥かご』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ぴぃぴぃ
きゃあきゃあ
愛らしく、あるいは喧しく。
ふらりと立ち寄ったペットショップ、飼うわけではないけれど目についた鮮やかな色合いに足を踏み入れた鳥類のコーナー。
こんなに小さいのに中々な値段だなとか、騒がしいのはコイツかとか考えながらキョロキョロと店内を歩く。
狭そうな鳥かごの中で身を寄せ会う小鳥たち、窮屈そうな大型の白い鳥、澄ました顔で歌うキレイな鳥。
小さな世界で生きる彼らは1度でも空を夢見たことはあるのだろうか。
いや、そもそも空を知らないかもしれない、外敵なんて存在を見たこともないのかもしれない。
綺麗な水と餌を与えられ、定期的なケアを受ける穏やかな暮らし。
外の世界を知らない、管理される鳥たち。
不自由な世界で安心して生きている、外の自由を知らない鳥たち。
ふと思い出す自分の周りの奴らの言葉、僕の事なんてろくに知らない奴らの言葉。
聞こえる度に肩身が狭くなる、窮屈さを感じる。
鳥かごどころかまるで檻のような
いや違う、違う。僕は外にいるんだ。自分の意思で。
だから少しばかり羨ましく感じるなんて、ないはずだ。
そうだ僕は人間なんだ、彼らよりも多くの権限を持っていて、自分の未来は自分で決められる、そのはずだ。
これ以上居続ける気分じゃなくなった。
店を出て、最寄りの駅に向かう。
明日も仕事だ頑張ろう、理不尽も不公平も呑み込んで、同じ日々を繰り返す。
あの鳥たちだって必ずしも良い主人に出会えるとは限らない、自分と同じだ、同じはずなんだ。
だから羨ましいなんて、無いんだ。
管理され、安心安全に過ごせる彼らが羨ましいなんて。
子どもの頃、鳥を飼っていたことがある。
確か、セキセイインコだった。
ふと思ったんだけど、鳥かごの掃除って
したことは無かったような…。
親の仕事だったんだな。なんか申し訳ない。
玄関に置いてあったから、そう大きくはなかった
かもしれない。あんまり覚えていないなぁ。
「鳥かご」
#1 鳥かご
目の前に広がる広い世界。
黒い太い線で切り離されているそれは、小さな部屋で過ごしていた私には想像も出来なかったくらい、広く、明るく、うるさい。
私の前を通る人は皆、可愛いって笑う。
時々目の前まで来て少し悩んでから帰る人もいる。
今目の前にいる人も、その人達と同じなのだろうか。
彼は、今まで私を見てきた人達よりもずっと長く見つめて、たった一言、こう言った。
『こんな狭い鳥かごに入れられて、可哀想。』
そう言って帰っていく猫背な背中を、私は不思議に思いながら眺める。
可哀想、とは、一体どういう意味だろうか。
だって私は、今こんなに幸せ。
広い世界を見渡すことが出来るし
天敵に襲われる心配もない。
ご飯もしっかり食べられて、寿命や病気以外で死ぬことなんてほとんどない。
これ以上の幸せなんてあるの?
私からすれば、こんなどこまで続いているかも分からない大きな世界で、どこから襲われるかビクビクしながら生きている貴方の方がよっぽど
可哀想。
主人公は鳥。マンションの部屋で
飼われている鳥(バード)だ。
この鳥は人間の言葉を理解できる。
その部屋には若い男と女がいて
毎晩のように男の「愛してる」「愛してる」
という絶叫が聞こえる。
当初、鳥はゲージに入れられ
男女との間にカーテンがあったので
二人の行為は見ることができなかった。
やがて、体が大きくなると
ゲージの外に出されるようになり。
男女の行為を目にする。
女が男に蝋燭の熱い滴を垂らすのだ。
男はそういう趣味があるのではない
女の愛に応えるため、痛みに耐えているのだ。
僕はいつまで鳥かごに入ってればいいんだろうか。そう思う反面、外に出ようと布団から起き上がると力の抜ける足。
ゴミだらけの、布団と薬と酒と水しかない鳥かごはあまりにも居心地が良すぎたんだ。
title of the day
- 鳥かご -
10代の頃
"鳥かごの中の鳥ってこんな気持ちなんだ"
と思った事がある 。
逃げられない、出られない、自由がない 。
外へ出て飛べたところで、行く場所がない 。
だから、どこにも飛べない 。
自分の家でもある鳥かごの中には、ゴミがたくさん 。
だから鳥かごの中も鳥かごの外も
自分の居場所はないんだと 。
飛び出れば 社会の危険に脅かされ
篭れば その窮屈さに憂鬱になり
籠のまま運ばれれば
少し自由になった気分になれる
私たち人間もまた
親という加護で囲われ
社会というカゴへ覆われ
地球という籠に閉じ込められている
死んだらみんな一緒なのに
全て無駄になって消え去るのに
生きている間は
その籠で縮こまって過ごすしかない
とりあえず、
親という加護を
いいや、かご を
早く出たい。
_ ₉₆
あなたを知りたいという気持ちが、知らぬ間に真っ暗な鳥かごに囚われていた私の価値観を照らしてくれた。
♯これは恋でしょうか。
鳥かご
私のクラスメイトは、完璧な優等生。
いつもにこにこ笑ってて、誰にでも優しくて、成績は常に学年トップ。
部活でも委員会でも輪の中心でみんなをまとめて、先生からの信頼も厚い。
ネットに入り浸ることもなく、時間の管理も自分でできる。
誰の理想もこぼすことなく受け入れて、作り上げたような女の子。
私みたいな暗い子とは、天と地ほども離れた人。
そう思っていたんだけど。
見ちゃったんだ。貴女の顔から感情が消えていくところ。ついさっきまで、友達といつものにこにこ笑顔で話してたのに。
無理してたんだ。
貴女は完璧な優等生なんかじゃなかった。
鳥かごに閉じ込められた、私と変わらないただの高校生の女の子だった。
子供の頃から病気がち、そのせいか背が低い。
しかも、太れない体質というのか、食事制限の多かった幼少期を引きずっているのか少食。
大人になった今も丈夫な方じゃない。
月に一度の発熱は当たり前。
でも、子供の頃からこうだから、熱のときの対処法なんか熟知して、自分はこんなもんだと諦めつつも世の中に順応して多少の熱じゃ休んだりしない。
むしろ、今日はどこも痛いとこない!って日は年に何日かしかないから不健康が普通。
小さい犬はよく吠えると言われるけれど、本当にそうだな。と自分に思う。気が強い。負けん気が強い。度胸がある。良くも悪くもそうなった。
しかしながら、小さく細い私は病弱キャラの方がウケがいいと気づいた思春期。
徹底したキャラ作りはなんてことはない。無口でいたら勝手に周りが心配してアレコレやってくれる。
手をだしたいー!私がやりたいー!を我慢するのがしんどい程度。
キャラ確立した後は、そのまんま大人になった。
ちょっと顔色悪いだけで心配してくれる周囲の人に申し訳ない気持ちばかりで、会社が辛いなんて言い出せない。じゃあ最初からやれよって村八分にされそう。
そんなとき、なんとなく付き合ってた彼氏からプロポーズ。
お決まりの「君を守っていきたい。」って。
まぁ、そういう人生もあるよねって思って結婚。
職場内恋愛だった事もあって、あっさり専業主婦。
家事が好きではない。それしかやる事がないだけだ。
退屈でたまらない人生をあと何十年も送るのかと思うとゾッとした。まさに籠の鳥。
夫に「働きたい」って言ってみた。
別れたいとは思わなかったから。
「やっぱり?」と、したり顔の夫。
気の強さも負けず嫌いも見抜かれてたみたい。
ちょうど折れそうなタイミングでのプロポーズしたそうな。
マジか。
「外の自由を謳歌して、僕のお嫁さんでいてね。家事は半分こにしよう。」
夫とは職場で出会ったと思っていたけれど、夫は私をもっと前から知っていたらしい。いつどこでと聞いても教えてもらえない。記憶力は悪くない方だと思うけど。
悔しいから教えてくれるまで一緒にいようと思う。
鳥かごの中を出たり入ったり。
ナイチンゲールみたいに歌えないけれど、夫と鳥かごの中にいる時間も悪くない。
鳥かご
落語の演目、「ぬけすずめ」
サゲ(話しの最後のオチ)に、鳥かごがでてきます。
鳥かごが、話しのキモになってるの。なかなか粋な話しです。興味ある方、動画ででも聞いてみてください。
人間国宝に、五街道雲助師匠が決まりましたね。納得です。
ますますのご活躍を期待してます。
#鳥かご
君は外に出たいと言う
ここは息が詰まると言う
ここは安心な世界だよ
美味しいご飯と穏やかな毎日
外は不安定な世界だよ
自由は危険と覚悟がいるよ
それでも外で生きたいんだ
ときどき戻ってくるよと鳴いた
あれから何年経ったかな
まだ鳥かごは置いたまま
鳥かごの中にいる間は安心だと思っていた
脅威に曝されることもなく
愛を感じられると思っていた
いつからだろう
愛されなくなったと感じたのは
愛されなくなった鳥かごの中は
ただただ虚無感しかなかった
自由に羽ばたいている鳥たちが羨ましいと
初めて思った
それまではわたしが世界一幸せだと思っていたはずなのに
【鳥かご】
【鳥かご】
目が覚めると小さなあみあみの部屋に居た
すると目の前に大きな影が表れ
自分はびっくりして飛び上がった
するとその影の主は元気だなーと笑っていた
この大きな影の人は何者だったんだろうと思う日が数日続き
そいつは扉らしき所を開けっぱでチャンスだと、
自分は初めてあみあみの部屋から出たすると
トコトコ(((((*´・ω・)
影の主の足音がした
私は慌てて隠れた、、、
子どもの頃は、籠の中の小鳥がなんだかかわいそうだと思ってた。
空はこんなにも広く、大地は何処までも続いている。
その翼があれば何処にでも行けるだろうに、鳥かごの世界しか知らないで終わってしまうなんてって。
でも、その考えは変わっていった。
外の世界は確かに限りなく続いているが、過酷な世界だ。
食べ物を得ることも大変だし、敵に襲われてしまうかもしれない。
だったら、鳥かごが彼/彼女にとって世界の全てだったらどうだろう。
食べ物を探す必要もないし、暖かい寝床もある。傷つけられる心配もない。
何より、飼い主の愛情を生涯に渡って一身にに受けることができる。
彼/彼女にとっては、鳥かごで生きることが幸せなのではないかなって。
え?
それじゃあ、外の世界をもう知っているならどうなんだって?
意味のないことを聞くんだね。
外の世界のことなんて、忘れてしまえばいいじゃないか。
大丈夫。ここは、キミのために用意した鳥かごなんだから。
美味しい食事もふかふかのベッドもあるし、キミのことを傷つける者もいない。
何より、僕の愛情をキミにぜんぶ捧げるよ。
外の世界のことなんて、すぐに忘れてしまうさ。
必ず幸せにしてあげるからね。僕の愛しい小鳥さん。
出られるものなら出てごらんとは言ったけれど、こじ開けていくことはないじゃない……
鳥かごがある。
いや、あるのだろう。
右手の感覚を頼りに真っ暗な世界の輪郭をたどる。
ひんやりとしたものが指に触れる。
上へ指をすべらせる。
真っ直ぐだった輪郭が曲線を描き出す。
左手でも触れてみる。
両手を下から上へすべらせる。
曲線を描き終わったところで右手と左手がぶつかった。
やはりこれは鳥かごだろうか。
鳥のさえずりなど聞こえはしなかったが。
だとしたらこれはただのかごだなぁ。
残念。
つまらないことに時間を使ってしまったな〜。
かごを抱いて水浸しの地面に倒れ込み、触れてみる。
冷たくはない。
生ぬるい。
かごに絡みついていた腕を解く。
かごを押しのけて体を起こす。
瞼を上げ、かごの方を見る。
そっちは毒々しい闇が広がっているだけだった。
鳥は入っていたのかなぁ。
仕方がない、確かめに行くか。
あのかごに扉なんかなかったように思えた。
もし入っていたとして
それはもう腐り、骨になり、隙間からこぼれ落ちているだろうが。
少し前まで昨日よりも明るいところを求めていたのに
今の僕にはどちらへ行けば明るいのかもわからない。
だから今日も好奇心に身をゆだねる。
「鳥かご」
いつもおんなじ景色。
外には人間と言われている生き物がいる。
この生き物は、自分のことを偉いと思っている。
一人じゃ生きていけないくせに…
突然与えられた自由
見たことのない景色
初めて羽ばたく世界
やっと掴んだ自由
ぼくは空を飛び回った
青い空を飛んでいると
空は赤くなりはじめた
おかしいな
ぼくは自由になれたのに
おかしいな
帰る場所なんてないのに
ぼくはあの場所に帰りたい
ぼくは自由じゃなかった
心は鳥かごに囚われたままだった
#鳥かご
「鳥かご」
会社から家への帰り道。
まるで鳥かごから抜け出せた小鳥になったみたい。
なぜ毎日毎日、
あんな窮屈な場所へ行かなければならないのだろう。
所詮私は手懐けられた小鳥。
おんなじことの繰り返し。
遠くへ飛んでいく勇気もなく。
1人で生きていける訳もなく。
羽をしまって大人しく。
ただ群れからはぐれないように。
#19