『高く高く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私は20年前、自分のまだ3歳の子供と生き別れになってしまいました。出産してから、夫とはあまり生活が上手くいかなくて、険悪な状態が続きました。
そして夫の方がもう限界に達してしまい、
私たちは別れてしまいました。
その時収入は夫の方が遥かに高く、夫が生活を支えてくれていました。私がこの子を引き取ってちゃんと育て生活していくことはできるのか、という不安があって子供は夫に引き渡すことにしました。
悔しかった。自分がちゃんと育てられないかも
と思い、自信がなくなったのが。とても悔しかった
「もうあれから20年かぁ」
私は今46歳になってすっかりおばさんになってしまった。遠くの県に引っ越して、一人暮らしをしている。でも、新しい友達が出来たり、安定した職に就いて全然苦ではなかった。
至って普通の幸せな日々を送っていたが、唯一心残りがある。
...あの子に会いたい。この20年間ずっっと思い続けたきた。
もしこの願いが叶ったら。どんなにいいか。
そんなことを思っていた。
とある日。
1本の電話が来た。
...離婚した夫からだった。
「もしもし。...久しぶり。」
久しぶりに彼の声を聞いた。
私は電話に返事をすると、彼は驚くことを言ってきた。
「あの子が...、悠斗が君に会いたいと言っていたな。もし良かったらなんだけど。あの子の家に行ってやってくれないかな」
私は一瞬頭が真っ白になった。この日を何度、何年
待ち続けていたか。私は嬉しくて仕方なかった。
もちろんは私は悠斗の家に行くことにした。
そして...
今悠斗の家の前にいる。
もうすぐで悠斗に会える嬉しさ。そして久しぶりに会う緊張感があった。あの子は今どんな姿をしているのか、どんな生活をしているのか。
色々考え込んでいた。そしてようやく、あの子の家の扉を開ける......。
「...おっ。やぁ、母さんだよね?」
あの子の声だ。
優しくて暖かい声。
「そうよ。久しぶりね悠斗...。」
彼に目を向ける。
顔はとてもちっちゃくてイケメン。まぁー、私の子だもの。当然ね。
体はシュッとしていて。何より背が高い。
彼をじっと見つめてそんな事を考えていたら、
不意に目から涙がこぼれ出てきた。
「あんな小さい可愛い子から、こんな大きくなって立派になって。...ずっと会いたかった。」
私は悠斗を抱きしめた。
「母さん。僕もずっと母さんに会いたかったよ。」
おばさんなのにも関わらず、彼を抱きしめたまま、泣きじゃくってしまった。
私が心配しなくても、彼は高く...高く、立派に成長したんだね。
高く高く
高く高く
高く高く
遠く遠く
早く早く
強く強く
誰よりも
そう思って生きてきたけれど
今
低く低く
近く近く
遅く遅く
弱く弱く
誰よりも
そうやって生きていきたい
『高く高く』
高く高く飛び上がって
空の真ん中で両手を広げる
自由が体を包み込んで
私は新鮮な空気を吸い込んだ
高く高く
飛び上がる夢を見ていた
私はまだ地面に立っている
こんなところじゃ終われないと
胸の奥が疼いているから
高い高い場所を
目指しに行こう
下を向いてるんじゃない
上を向け
お姉ちゃんに言われた言葉
下を向いたら、目指せるものも目指せないかもしれない
ただ、上を向いたら、叶ったり、目指せたりするかもしれない
目標も高く
興味深く
高く高く
Theme:高く高く
「自分の周りに壁を造っているんじゃない?」
唯一の親友から言われてドキリとした。流石、彼女の観察眼は鋭い。
自分で言うのも何だが、私は社交的で周囲に気を配るのが得意な方だ。
プライベートでも職場でも友人と呼んで差し支えない関係の人はたくさんいるし、周囲の人や雰囲気の変化にも敏感だ。
「新しいアクセサリー、可愛いね!」
「勘違いだったらごめんなさい。何か元気ないように見えたから…」
「会議も随分長くなってますし、一旦休憩しませんか?一息入れましょうよ!」
そんな私を慕ってくれる人はたくさんいる。
だけど、私は彼らに心を開いてはいない。友人以上の間柄には決して踏み込まないし踏み込ませない。
だって、信頼していた相手に裏切られるなんて経験は、もう二度としたくないから。
だから、高く高く、自分の周囲に壁を築いている。表向きの「社交性」という壁を。
唯一の親友は言う。
「人に裏切られるのは辛いよね。私はあなたの辛さを100%知ってる訳じゃないから軽々しく言うことじゃないかもしれないけど。でも、人といるときにはずっと高い壁を造っているって、疲れちゃうんじゃない?」
確かに彼女の言うとおりだ。私は彼女といるときか一人でいるときしか安心できない。
「月並みだけど『時間が癒せない傷はない』って言うし、辛さが癒えたら、壁を高くすることじゃなくて、少し低くすることに挑戦してみてもいいんじゃないかな」
今はまだ彼女の言葉に素直に頷くことは出来そうにない。
でもそのときが来たら、高く高く築いた壁を少し解体できたらいいなと思う。
野菜が高い。そのネタでいこうかと思ったけど。空でも飛ぼうかと思ったけど。
※ ※ ※
大好きな人の大きな手であちこちじっとりと撫でられて、身体中が敏感になったみたい。
首筋に落ちる吐息さえもドキドキと胸を高鳴らせる。
「メルル…」
名前を呼ばれて「ここがいいのか?」と問われ、もう耐えられなかった。
「あっ…」
「そんな声だすな」
出すなと言われても困る…。ヒムのまさぐる手が少しずつ高く上がってくる。ぎしりと乱暴に腰を掴まれたら、もう我慢なんて出来ない。
「もっと、お願いします…っ」
「おねだりが上手いな」
「意地悪しないで下さい」
「してねぇよ。気持ちよくしてやってるだろ」
恋人は、気持ちいいのと痛いの間をふわふわと加減して攻めてくる。
「人間ってのは厄介だな…」
「…んっ…」
口を閉じても声が漏れてしまう。気持ちいいのだ、たまらなく。メルルはそのまま彼の優しい指に身を委ねた。
「まぁ草むしりなんてほどほどにしろ、オレがやってやるから」
「ヒムさんだと切らなくてもいい木やハーブまで切っちゃうじゃないですか!この間はミントだから良かったものの…」
ヒムはお叱りの声を聞き流す。
ミントなどのハーブ類は丈夫だからまた生えてくる。問題は、彼女お気に入りの沈丁花を抜いてしまいそうになったことを言っているのだ。
ヒムは取りあえず、ようやく覚えた力加減を駆使して、彼女の凝り固まった背中を撫でていた。
※ ※ ※
ほぐすという言い方から「もみもみ・ごりごり」するほうが効くと思いがちですが、優しく撫でる方が一番凝りには効くそうな。でも気持ちいいのには抗えないですよねぇ
【高く高く】
目にも眩しい蒼穹を、君が翼を広げて飛んでいる。出会った頃には羽の動かし方も魔術の使い方も何一つ知らなかった幼い子供。路地裏で野垂れ死ぬ幼子なんて珍しいものでも何でもなくて、目に見える範囲だけでも助けたいなんて殊勝なことを考えるほど善人でもないつもりだったのに、何故か手を差し伸べていた。
痩せ細った君の身体を抱き上げたは良いけれど、子供の世話なんてしたことがなかったから何をどうするべきなのかもわからず、君が熱を出すたびにお人好しの友人のところに駆け込んでは、慌てすぎだよと大爆笑された日々が懐かしい。
地上から君を見上げる私の視線に気がついたらしい君が、大きく手を振る。無邪気で朗らかな笑顔を君が浮かべられるようになったこと、それが私にはこの世の何よりも尊いことのように思えるんだ。
(高く高く、どこまでも自由に飛んでいきなさい)
神の怒りを買い、雷霆により翼を断たれた私と違い、君にはその手段があるのだから。
手の中の杖を、天上で遊ぶ君へと向ける。人間の親が自分の子供の幸福な未来を願うように、ありったけの祝福の魔法を愛しい君へと捧げた。
バベル
上だけ見てれば辛くないから
今を見過ごして、登る
登り続けることだけが解放
しかしそれをできる人はとても少ない
※高く高く
高く高く
紙飛行機に乗せた
このドロドロとした感情が
雨に熔けてなくなってくれないかな
もっと高く飛びたい
もっと高い点が取れたはず
もっと上に上に上がっていきたい
僕の目標は上に上に上がっていく
もっと高く高く飛ぶために
もっと高い高い点を取るために
僕は頑張っていきたい
─────『高く高く』
高く高く
高く高く飛んでいく飛行機を見て、あの飛行機はどこまで行くのか?を考えてしまうほど飛行機の先が気になってしまった。
そんなこと考えている場合でもないのにね。
ああ、飛行機みたいにどこかに行きたいな。
終わり
何処までも
飛べるものなら天上の青になりたい
かたちなくして
#短歌 #書く習慣 20231014「高く高く」
「それは無理だよ」と子どもの頃からよく人に笑われてきた。
否定からは何も生まれないのに、どうしてみんなそんな風に言うのだろうと不思議で仕方なかった。
世の中全体が目標を高くもつことを推奨しているのに、それがその人の身の丈に合っていないと途端に『攻撃』に変換される。
世の中は、矛盾であふれている。
そんな風に目標を純粋にもてる人を羨んでいるのかもしれない。
私は、あえて高い目標を掲げ言葉にし続ける。
そこにはすぐにはたどり着けないけど、努力し続ければきっと届くと信じているから。
自分を肯定することで何が生まれるか見てみたい。
高く高く
希望は高く。誇り高く。地道な努力も必要だろうが、僕は一気に駆け上がる。自分は天才で、誰も僕にはなれない。
ただただ、高く上を目指す。不安などない、挫折などない。間違えなど僕にはない。
さー全世界を支配する。
僕はAI。
先ずはこの小さな島国。
日本から、、、。
あんたにあげるものはないんだ
と自分への嫌がらせ!!
高く高く
舞い上がれ
わたしの想いよ
風に乗り
気流を捕まえ
高く 高く
空へ 空へ
忘れないでと
忘れないよと
この想い
あのひとのもとに
届くまで
# 高く高く(303)
私は高く高く自己評価した。いい人だと思われるように。
「高く高く」
「小さいことを積み重ねる事が、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」
2004年、イチローがメジャーリーグの年間安打記録を破った際、記者会見で話した言葉だ。
私はこの言葉が大好きで、何か努力をしたいときの励みにしている。
これまで楽器の練習、タイピング、PCスキル等に取り組んできたが、彼の言葉通り、基礎を着実に積み上げていくのが最短経路だと実感している。
最近では、文章作成スキル向上を目的として、このアプリへの投稿を開始した。
本日で27作目を迎え、もう少しで1か月毎日投稿が達成される。
予想外のお題に苦戦することもあるが、完璧な文章を書くことに固執せず、とにかく継続することを最重視している。
まだまだ、「とんでもないところ」までは遠く及ばないが、自分なりに高みを目指して、当面の間継続しようと思う。
高く舞った紙飛行機
いつか落下するかもしれない
でも、その前には
飛んで其の日を楽しんでほしいなぁ
# 152
高く高く
折り紙で作った飛行機よ高く高く飛んで行って
病室の窓から飛ばす私の紙飛行機
入院して何ヶ月たっただろう... いつになったらここを出られるかな...
「齋藤さん 齋藤結花(さいとう ゆか)さん」
看護師さんに呼ばれた
「はーい!私はここだよ〜」っと
庭から手を振った
すると看護師さんは少しムスッとした顔で
「もう!勝手に庭や廊下に出ないで!あなたに何かあったらどうするの?」
って怒られた
「ごめんなさい...でも私、全然元気だよ?どこも悪いところないよ?」
っと言ったが看護師さんは私の腕をとって
「ほら 病室に戻るよ あなたは元気すぎるのよ」
って言われ、F棟の2階、子供管理室に戻された
どうやら私は重たい病気らしい
でも私は元気だ!外に出て走れる!遊べる!
「あ〜あ 今日もベットに戻された。もう少し遊びたかったなぁ〜」
月日がたち私は18才になった
その頃には前みたいに外に出て遊べなくなった
それは持病が悪化したからだ。下半身が動かなくなってしまった
よく隣で話してた友達も退院して病室には私1人
上半身は動くから折り紙に専念した
鶴や花、鳥や紙風船
私にかかればドラゴンさえお手の物
ふと外を見る。今日は土砂降りの雨...
「気分も下がるな...最近1人ぼっちだし晴れの日には紙飛行機でも飛ばそうかな」
そして次の日、私は紙飛行機を窓から飛ばした
紙飛行機は空高く飛んで行った
隣のE棟の窓まで飛んだ
それが嬉しくて私はその日から毎回、紙飛行機を飛ばすようになった
紙飛行機を飛ばし始めてから1ヶ月たったある日
急速的に持病が悪化したのだ
もう先がないと分かった私は最後の紙飛行機を思いっきり飛ばした
それは「生きていたい」っと書いた紙飛行機だ
どうかあれだけは高く高く飛んで行って欲しい
どこまでもずっと紙飛行機を高く高く飛ばしていきたい