『高く高く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
高く高く
目標は高く
どこまで飛べば
終わりは見えるの?
そんなに高く高く飛んで
何になるの?
わからなくなってきた
高く高く飛んで行けたらいいのに
この腐った世界から
偽りだらけの家庭から
憂鬱な学校から
今あるすべてから解放されればいいのに
「敗退ー走り高跳びレジェンド高橋なんと予選大会敗退です」
「優勝はなんと初出場ながら世界記録2メートル36に並ぶ記録を叩き出した若きホープ吉田純一です。」
大会後、パットしない壁色の控室で横に長いくすんだ青いベンチに座り呆然としていると、カメラと記者の音と光を引き連れながら吉田が入ってきた。吉田は部屋に入るなり俺に気づいたようでニヤついた顔を抑えながら話しかけてきた
「これはこれはレジェンドじゃないですか。あー元レジェンドか。今日はお疲れ様でした。」
俺は、何を言っても勝てないことを悟りできるだけ冷静に
「優勝をめでとう、次の時代を頼むよ」
そう言って控室を出て暗い廊下に出た。
控室を出る瞬間記者に呼び止められ
「引退されるのでしょうか、インタビューお願いします。」
そう聞かれた。一番聞きたくない二文字を耳にし俺は、歯を食いしばりながら、下を向き黙って家に帰った。
「お疲れ様」
帰って早々妻にそう言われ、まるで引退してきたかのように聞こえ
「俺はまだ引退していない!」
俺はついそう言ってしまった。その声は奇麗に整えられ家事を毎日頑張っていることが目に見えて分かる部屋にこだました。俺はすぐ冷静になって謝ったが妻は
「ごめんなさい、私の方こそ言葉に気をつけるべきだったわ」
そう言った。俺には本当にもったいない人だ。とりあえず一緒に夕飯を食べようと言い向かい合うように席に座った。そのとき妻のシワに俺は目がいった。(苦労をかけてしまってすまない)俺はそう心の中で謝った。そしてひと言
「やっぱり俺もう引退しようかと思ってるんだ。お前ともこれからもっと一緒にいたいし」
そう言った。実際俺は今年で40になりアスリートのピークは過ぎていた。だが、俺は妻の表情が怖くて下を向いてしまった。妻はそっとこう言った。
「私のことを気遣ってくれてありがとう。でもねもし少しでも引退したくない気持ちがあるなら引退しないで。私は頑張ってるあなたを好きになって支えたいと思って結婚したんだから。」
聞いている間に俺は涙がでてしまい、結局顔を上げることができなかった。
俺は妻に謝り、練習に復帰した。コーチは俺の顔を見るととてもおどろいた様で「もう引退すると思っていた」そう言った。俺は深々と頭を下げもう一度大会に出させてくださいと懇願した。コーチは「もちろんレジェンドが言うなら」と、次の世界予選に枠を儲けてくれた。感謝を告げ練習場に向かうと広い運動場に何人もの選手が高く配置された棒を飛び越しては柔らかいマットに深い音を立てダイブしていた。久しぶりの光景に胸が高鳴った。しかし大会後から数日練習しなかった体は、昔のようなしなやかさを失い飛ぶタイミングを忘れていた。それでも、あきらめず続けたが体の感の戻りが昔よりも遅いことに気づき年齢の限界を実感していた。俺は、絶望しかけたがその度に妻の事を思い出し踏ん張った。また、ニュースで吉田が他の大会でまた優勝し次は俺と同じ世界予選に来ることを知り不安になった。
「妻に誇れる最後がほしい」
大会当日、吉田はすぐに俺に話しかけてきた。
「先輩この大会出るんですね引退したかと思いました。」
「今回もよろしく頼むよ吉田くん。いい大会にしよう」
吉田は少しムッとしながら、去り際
「あの練習姿でいい大会にできるならどうぞ」
そう言った。
昔から吉田は口や性格は悪いが走り高跳びには真面目で注目選手は徹底的に調査するやつだった。俺のことをまだマークしていたのかと驚いたが、そういうやつだからこそのホープなんだろうと納得した。競技に入ると、歓声が聞こえ始め俺は胸が熱くなり今日は跳べるそんな気がした。
「2メートル34クリア!吉田、高橋激しいデッドヒート!」
大会終盤、俺と吉田は一騎打ちになった。二人とも跳べなかったら終わりの恐怖と緊張で限界だったが、次は前回吉田が世界記録に並んでみせた2メートル36だった。これで決着がつく俺はそう確信した。すると吉田が話しかけてきた、今はやめてくれと思ったが吉田は真剣な顔でこう言った。
「大会前、失礼なことを言ってしまってすいませんでした。正々堂々よろしくお願いします。」
そしてすぐ吉田は立ち去り自分の集中に入った。相変わらず真面目だと思いながらすぐに俺も集中した。そしてまず最初に吉田がとんだ。失敗。次に俺が跳んだが失敗した。
二回目も同じ結果だった。吉田は跳べない自分自身への怒りから「クソ」と叫んでいた。三回目、吉田は跳ぶタイミングをミスり僅かに棒が揺れ落ちてしまった。俺の番がやってきた、もしこれを失敗すれば天下りで吉田が優勝となる。俺は、妻の顔を思い浮かべさらなる集中をするため口元に人指し指を置いた。観客はそれを見て沈みかえり、会場には明るいライトとバーとマットがしんしんと浮かび上がった。俺は支えてくれたすべてに恩を返したいしたい。自分の思いを確かめ俺の体は助走を始めた。一歩また一歩体はスピードを溜めていく、世界を表す高い高いバーが迫ってきた。だが俺は一ミリの迷いもなくすべてを地球にぶつけ跳んだ。
「うおおおおおおおおおおおおお」
「レジェンド復活!奇跡の復活、まさにレジェンド!世界の記録に今日本人がまた並びました!高橋選手優勝です!」
高く高く
跳ぶ
落ちる
もう一度跳ぶ
落ちる
高く跳びたい
昨日の自分より
今日の自分より
憧れの
あいつより
何度だって跳ぶ
諦めたくない
高く高く
大空へ飛び上がりたい
鷹を相棒に迎え、三年が経つ。
最初こそ意思疎通どころか腰が引けコマンドも満足に出せなかった。
今では互いの考えがわかる。風を読むより容易い。
腕を平行に保てば君が飛ぶために足に力を入れる。
飛べ。そう念じながら腕を送れば羽ばたき空を舞う。
高く。高く高く。
何一つ遮るもののない空を、飛び回る。
それを眩しさと愛しさで見守る。
高く高く
死ぬために
わたしは
空高く
飛んでいく。
この日の空は秋晴れで、急に寒くはなったけれど、丁度いいお出かけ日和だった。
今、僕は日本で一番高いと言われる、空の名を冠した塔から地上を見下ろしている。
あまりにも標高が高すぎて。ここからでは人の姿がよく見えない。
そのくらい、人間がちっぽけに見える。
きっと、僕の悩みも同じくらい、ちっぽけな存在なんだろう。
つい最近、恋人に振られて落ち込む僕なんて……。
これ以上考えるとつらいから、僕は周囲を見回す。
平日だからか、二人組の男女が多かった。
惨めだ、凄く。
僕は改めて外を見た。
日本で一番高い塔の中。
僕の気持ちなんて知る気もないような青空は、どこまでも高く高く、澄み渡っていた。
高く高く
高く高く
目標やプライドを高く見積りすぎていることが多い。
私は、理想が高く思った通りはなかなかいかない。
だから、できないと思ったら途中で諦める。
やることもやめるときもある。
最低な人間だとおもうことが多い。
だからやめたいと何度も思う。
自分が気づかず、あるいは避けて通っていたことがある。ただそれを知ること。目を逸らさず立ち止まること。それが時として自分が自由であるための試練となる。
それを乗り越えた時、人はより高く高く飛ぶための翼を得て羽ばたいていく。
高く高く、崇高であれども、一時的な物に流され、壊れやすい物、私は『思い』『夢』など、遠くとも近い、人が渇望する、誰にでもある、あった、生まれるであろう希望。高く高く、届かない場所にあるように見える…、それでも強い力、思い、才、様々なものを使えば届く、高い、それでも近い物。
高く高く
何処からどうみて高いのか
地面からだろうけど
地面は低いのかね
基準はそこからであって
高さも低さもここから見ている
海は深いし広い
空は広いし遠い
地球の空より向こうに宇宙はあるけど
地球の外側にしか宇宙はない
では地球は低いのか高いのか問題
そんな考えは置いとくとして
高さは高くけれど限界がある
どんなに高くても高いから無理がある
無理ってか無駄と言うか
無理なのも無駄なのも他人である
200㎖コップならそれ以上は入れれない
ギリギリなのもよろしくない
7〜8割くらいが丁度いいと言われている
人間の正確な容量が解らないから
分量がどうにもならない
それで掴めなくても全体的に見れれば
その視点から脱出出来る
情報が多いのではなくて
見ようとしてる視点が細かいんじゃない
細かいとこはある程度は
他人に任せてしまうしかないよ
あなたはそこから何が見たいのか
ここが重要で
その為にどう見て見るのかだと思う
高さなら登り方があるはずだよ
牛乳は1日3杯。
1cmでも背が高くなりますように。
願いながら、コップをぐいっと傾ける。
高く、高く
高く高く飛んでゆく
風船のように
君のこころも
軽くなるといいな
#高く高く
私は毎日人を羨んで生きている。私がダメなんじゃない。他の人ができすぎているんだ。そう思わないとやっていけないから。でも、そんな考え方は高校3年生になり、進路も固めなければいけない。やりたいこともない。なりたいものもない。何にも希望を持てなくなった。そんな状況になり、もう人のことすら気にできないくらいに追い詰められた時に変わった。先生や親に圧をかけられ、自分がダメなんだと認めざるを得なくなった。もう終わってしまおうかと考えたこともたくさんあった。それでも勇気が出なくて。また落ち込んで。生きてきたことを後悔した。誰かに共感して欲しかった。安心させて欲しかった。でもそんなことを考えていても何も変わらないことはわかっていた。私は何かに優れているわけでも、何かに恵まれているわけでもない。どん底に落ちた時、急に自分を客観視できた。そして、人生なんて死んで仕舞えば終わりだ。もし次耐えきれないことあったら死んでしまおう。と考えた。そこから必死にもがいた。もちろん悩んだこともあった。今思えば死にたくなかったのだろう。私は上にいる人たちを眺めて、上に行こうともがいていた。でも上に行く必要はなくて。誰の目にもつかないくらい高く羽ばたいて仕舞えばいいのだと知った。誰の影響も受けずに誰からの視線も気にならないくらいに。高度が高ければ高いほどたくさんの星と空が広がっているから。
陸上選手に憧れる。
単純に早く走ったり高く飛んだり長く走ったり、自分の身体だけで勝負するのが羨ましい
もっと、もっと、上に成らなければ……。
もっと、もっと、強く成らなければ……。
あの頃は、かなり思い詰めていた。
強さばかりを追い求め、いつも努めていた。
強く成らねば、生きる意味は無い。そう、感じるほどに。
己の有する全ての才能を、研ぎ澄ませることしか……眼中に無かった。
若さ故に……無知が故に驕り、傲慢だった。
かつて、誰よりも完璧で無ければ、己を許せなかった。
かつての己は、苛烈で独善的だった。
まるで反面教師にしていた、師匠のように。
何も考えず、いとも容易く、躊躇も無く、淡々と命を奪ってきた。
命の重さは、皆等しく同じだ。
重罪人とて、それは変わらない。
かつて、命を奪うことは己を強くする手段の一つでしか無かった。
でも、今は違う。
今の己は、命を奪うことの重さを知っている。
己の強さは、他者を思い遣らねば、成立しないことを知っている。
研ぎ澄ませてきた……己の強さは、他者が苦しまぬ為に在る。
高みを見るのでは無く、眼の前のことに集中する。
そして、その一瞬が生涯に幕を閉じる者の『人生』を決めるのだと思う。
高く高く
周りは、自分より綺麗な人や歌やダンスが上手な人、そこに加えてプラスアルファを持っている人がたくさんいた。
アイドルに向いてないのでは?と悩んだ日々もあった。
それでも、トップアイドルになりたいって夢は諦めきれなかった。
たとえ届かない夢だとしても、叶うわけないと笑われてしまっても…。
小さい頃の自分に元気をくれたあの人たちみたいになりたいて願いは捨てられなかった。
雲を突き抜けるくらい高く高く手を伸ばした。
一番星は遥か遠くにある。それでもいつか誰かを照らすアイドルになろう。
【78,お題:高く高く】
小さい頃お父さんによく、たかいたかいしてもらったなぁ
あれ結構凄くない?子供と言ってもそれなりに重いだろうし、手ェぷるぷるするよ?
一回も落っこちたことないし、やっぱ親って凄いのな
『高く高く』
僕の友達は高い所をずっと飛んでいる。
翼を大きな羽ばたいてずっと飛んでいる。
僕はどこに向かっているの?って聞いたことがある。
「俺は誰も届かない所に行くだけだよ」
そう笑顔で答えた。
僕はかっこいいと思った。
僕は低い所しか飛べない。
高い所が怖いんだ…
けど今日は少しいつもより高い所を飛んでみようも思う!
「天候、良し。風向き、良し。水面、良し。絶好の飛行日和だ!」
ゴーグル越しに空を見上げて少女は満足そうに微笑む。
鼻歌を歌いながら桟橋を歩き、愛用している白い飛行艇の操縦席へ乗り込んだ。乗った際にちゃぷ、と艇底が小さく波をたてて揺り籠のように揺れる。
手慣れた手付きでエンジンを起動すると、プロペラが激しく回転しゆっくりと艇が前へ進んでいく。凪いだ水面に白波を立て、滑るように走る。ここからが好きな瞬間だ。
段々と空へ浮き上がり、完全に水面から離れていく感覚が少女を高揚させる。目の前には真っ青な空と沸き立つ雲が一面に広がっていた。
「まだまだ。もっと高く、高く…!」
操縦桿を強く握り締め、少女を乗せた飛行艇は天高く飛ぶ。
「---わぁ…!」
飛行艇は雲の上へ到達し、下を見ると海に浮かぶ島々が小さくなっていた。さっきまで自分がいた場所も、まるで豆粒のよう。
「サイッコーーっ!」
無邪気に叫ぶ少女の笑い声が空に響いて溶けていった。
お題「高く高く」