『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「香水」
香水 / 瑛人
゛ドルチェ&ガッバーナの香水のせいだよ ゛
抱擁を交わした。
嗅ぎ覚えのない甘ったるい香りが鼻を掠める。あなたの趣味とは合わない香り。でも今は気づかないふりをする。
いつか私とあなたが結ばれる日まで。
ちゃんと別れてよね。こんなに期待させてるんだから。
気持ち悪い程甘い香りを、マーキングする。
2024/09/04 #香水
まだ気に入ってんの?
そんなキツい香水つけないでよ。
息できねーわ。
…笑いに来たってか。
そうとしか思えないし。
つーかいいなあ、その傘。
「……笑いに来たんじゃない、俺は。
慰めに来たんだよ。」
はあ?
あっは、急に何を言い出すかと思ったらそれ?
やっぱ冷めるわーそれ。
「俺は……間違ったことをしたと思わないし、他人から見れば俺は間違ったことをしたと思う。けどさ。
お前はどう考えても、正しいことをした。」
あーあーうるせー。
そんな言葉求めてねんですわ。
こんなのでも救けたいか?
嘘だろ冗談じゃねー。
救けてくれるってんならお前以外で頼むわ。
そんくらい大嫌いだぜお前のこと。
「そう言われてもおかしくないことをした。
この傘を持つのはお前の方が相応しいのにな。」
じゃあ早く傘くれよ。
#2024.8.31.「言葉はいらない、ただ・・・」「香水」
ヒーローの偽善、ヴィランの偽善。
汚水藻野の話。
この前スーツ着てて超絶クールイケメンな高身長お兄さんがいたんですけど、香りすらも超絶クールイケメンな高身長お兄さんでびっくりしました。
しかもそのお兄さんと遭遇したのがごく普通のショッピングモールでした。これがギャップか。
多分あれ芸能人だったんじゃねーかな…ってくらい。顔が強すぎてすぐ逸らしちゃったの後悔。
僕は、密かに思いを寄せている人がいる。
あの人は、いつもクラスの中
【香水】
最近大学生になった兄がオシャレに気をつかい
はじめてきて、よく香るようになった。
兄「これ嗅いでみ?よくない?」
私「えー、あっちの方がいい」
みたいな会話。私の日常。
「香水」
トップ、ミドル、ベース。
香りの速度があなたらしさを変化させる。
香水
この香水はあなたの匂い。
いつでも、思い出す。
思い出だ。
一緒にかったなーとか、一緒にすごしたなって。
『香水』
そういえば香水を切らして何日になるだろう。
いや、何ヶ月になってしまうかな。
気に入っていたロクシタンのヴァーベナ。
なくても死なないから買うのは後回しにしてここまで来てしまった。
今月から給料上がるし、そろそろ買ってもいいな。
“香水”
聞き慣れないヒールの足音と、嗅ぎ憶えのある香水の香りにキーボードを叩く手を止める。隣で仕事をするふりをして、ゴシップニュースを見ていた同期も画面をしれっと仕事用のエクセルの画面に戻して顔を上げた。
私と同期の視線の先では先ほどの足音の主と私達の上司とが火花を散らしながら睨み合っていた。うわ、始まったよと通路を挟んで背中合わせに座る先輩が呟く声に同期と二人で振り返った。
今年の春から配属された新入社員の私達よりずっと前からここにいるその先輩いわく、あの二人の睨み合いは恒例行事らしい。物腰の柔らかな王子様的なあの上司が、あんなに他人に感情を剥き出しにしているところを見たことがなかったが、昔はよくバチバチしていたらしい。今は部署が離れて日常茶飯事とまではいかないものの、じきに慣れるさと渋い顔をして先輩はそう言った。
物腰柔らかで顔が良く、死ぬほどモテるが故に女性とは距離を取りがちなあの上司が。あんなゼロ距離で女性とメンチをきりあっている構図のシュールさについつい眺めてしまう。
「なによ、あの女……」
隣の同期がご自慢のはずの綺麗に整えられたピンクの爪をパチパチ弾きながら呟いた言葉にそういえば、このミーハーな同期は配属されたその日からずっと上司を狙っていたっけと思い出した。そりゃあ狙っていた男に、やけに距離の近い女が突然現れたらそんなドロドロ三角関係ドラマに出てきそうなセリフも吐きたくなくなるか、と少しだけ同情する。
最初こそ私も少しはあの顔面にドギマギしたこともあったけれど多分私のことも他の人も総じてジャガイモにしか見えてないんだろうなと思った辺りで私はリタイアしてしまったから、未だに本気で狙っている同期の執念には感心していたのだ。
今日は朝まで愚痴に付き合わなきゃいけないかもしれないなあ。ちょっと買い物したかったんだけどなあ。愛用しているブランドの秋限定の香水を試してみたかったんだけど、まあ明日でも良いか。
そういえば、さっきの匂いを最近良く嗅ぐなと思ったけれど、どこだったっけ。
案の定、今日は朝まで飲むわよ!と唸っている同期にはいはいと相槌を打ちながら、未だにメンチを切り合っている二人を眺める。
……あれ。あの香りって……。なんだか気づいてはいけないことに気づきそうになった気がして頭を振る。
今日は私も結構飲みたい気分かもしれない。
香水
家を出る直前につけて
帰宅したらすぐに服を脱ぐ
鼻のいい、あの子のために
香水…
母親が使っていた香りが
好きだった
大人になって買おうとしたら
もう無くなっていた
それから多少のお気に入りは
できたけど…
コレ❕というものに出会えてない
いつか出会えるかな
✴️135✴️香水
うっ……
マンションのエレベーターにのると必ずする匂いがある
いくら何でもつけすぎだ
なんでこんなに頭が痛くなるほど
香水をつけるのか
これてば、残り香というより
まるでまだ
後ろにいるよう……な……?
§香水
香水
普段 香水なんてつけないのに
今日はどうしたの?
君らしくないけど
僕はどんな君も好きだよ
君は寂しそうな顔で呟いたんだ
「母の香水なの」と
もう 会えないから
母にもう会えないから
だけど傍にいたくて
少しでも近くにいたくて
僕はいたたまれなくなった
君に僕は何をしてあげられるんだ
悩んでも 悩んでも
見つからなかった
男らしくないけど
そんな香水の香り
消すような事だけはしたくなかった
香水の香りに相応しくないかもだけど
君に届けばいい
僕が君を思っている気持ち
香水
(本稿を下書きとして保管)
2024.8.30 藍
「ごめんね。」
彼はそう言って、泣いていた。私こそごめんね。
「私は永遠に恋をしていたの。」
父が事故死した後に、変わり果てた母。毎日のように男の家へ出掛けていた。私はそんな母が嫌いで、高校卒業後はすぐに家を出た。母は私の事は気にもせずに、甘ったるい香水を身に纏い、男の元へと出掛けた。
あれから七年経った。未だに母とは会っていない。きっと今も恋多き人生を送っているのだろう。私も今は彼氏も出来て、充実した日々を過ごしている。
「まぁそんな事をないんだけど。」
好きな人は居る。しかし、私の片思いだ。それに叶わない恋なのだ。私が好きな彼には、好きな人がいるから。
「なんで俺が好きなの?」
彼は不思議そうに聞いてくる。私は決まってこう言う。
「貴方が大切だから。」
って。その度に彼は、泣きながら言う。
「ごめんね。俺にも大切な人がいるんだ。」
知ってるよ。貴方がどれ程その子の事が好きなのか。知っているのに、君を好きなのはやめられないんだ。ずるい私でごめんね。いつも貴方を泣かせてごめんね。
彼の香水の香りが好きだった。あれだけ嫌っていた母と似た香り。でも、なんだか落ち着いた。きっと私は、母に愛されたかったんだ。でもそれは叶わないから。他の誰かに愛される事を望んだ。愛されるなら誰でも良かった。でも、彼が優しくしてくれたから。彼に愛されたいって思ったんだ。
「こんな恋、したくなかったよ。」
不意に出た言葉は消えることはなく、涙を連れてきた。本当に惨めだよ。死者に負けるなんて。
「生きている間だけは、私を見てほしいよ。」
彼からは、甘い香りがした。それと同時に、線香の香りが纏わりついていた。
あの夜がこの目に
染み付いて離れない
心一つ明け渡せないままで
さよならの数だけ
欠けていく景色が
小さな背中を身勝手に押す
もういかなくちゃ
痛みに負けたくないから
好きなもの一つ二つ
少しずつつまんだ
顔のない僕ら産声を上げた
出来立ての目玉で
君の顔を見た
酷く酷く美しい眼差しだから
ふと生きなければと思った
寂しさも嫌われ
愛しさも煙たがられ
欠伸一つろくに出来ないけれど
君だけの心を
打ち明けて欲しいの
それが君の肉に変わるから
ねえ涙だけ
隠そうとするのはやめて
心から泣いて心から笑って
君にさよならをしないで
好きなもの一つ二つ
少しずつ願って
形づく僕ら産声を上げた
出来立ての目玉が
僕の顔を見た
ロクでもない体が
陽に焼けてついに明かされる僕ら
産声を上げた
出来立ての愛で
君と見つめ合った
酷く酷く美しい眼差しだから
今生きたいと思った
君の香りが思い出せなくて
君の声が聞こえなくて
どうにも息がしずらいの
私にとって香水、といえば、プワゾン
東京の学校に入り、鮮やかな緑のドレスを、細い身体に纏い、軽やかに身体を動かしていた、二つ上の先輩を思い出す
表情豊かに声をかけてくれたその先輩は、いつでも、話すたび、笑うたび、すれ違うたびに、プワゾン、無償の愛と少し切ない香り
どうして匂いを表す言葉が無いのかな
青い、甘い、柔らかな、ビター、セクシー
色だったり味だったり感触だったり
(香水)
【香水】
ベッドからあなたの香りがする。
昨日あなたが抱き締めてくれたように、落ち着く香りが私を包んだ。
あなたとは恋人でも、遊ぶだけの関係でもなければ、傷つけ合う関係でもない。
変な話だが、家族というのが一番近いかもしれない。
奇妙。
でもそれがひどく心地良い。
あなたは私をよく知っているけれど、私はあなたをよく知らない。
つけている香水の名前すら、私は知らないままでいる。
知ってしまえば、やがて終わりがやって来そうで。