『飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【 飛べない翼 】
片羽で生まれた僕は、親に捨てられた。
生きるだけで精一杯の役立たずの居場所なんて、
ここにあるはずもなかった。
戻れないと分かりきっているのに外界へ修行に出され、
簡単には死なない体で、身を隠すべく森を彷徨う。
ふと、足元で動くものが見えた。
片羽が小さい…?
巣に戻れず、成長しても先は見えてる。
哀れに思う気持ちはあるけど、僕にできることはない。
でも、このまま消えるのならば、せめて…。
「僕と一緒に来るかい?」
空を制するはずの力を与えられたのに、活かせない僕ら。
似た者同士、きっと寄り添えるよね。
飛べない翼にも、価値はある。
人間の背中から大きな鳥の翼が生えているとしよう。
それは本人からすれば下ろせない背嚢のようなものかもしれないが、それを傍から見る我々の目を楽しませる。
それがどのような形状であろうと、驚いたり妬んだり恐れたり信仰したり、そういう何かしらの感情を持たせてくれる。
それが負の感情であろうと、何かを思わせてくれるだけで、それにも価値があるはず。
飛べない翼を持つ僕は。みんなからチヤホヤされる。
みんなみんな すごい! かっけー いーなー って。
どうやら飛べないほうがかっこいいらしい。
そもそも翼を持っているのは僕だけだしね。
ある日、僕は恋をした。
好きな子ができたんだ。
画面越しの女の子。その子はスマホの中の世界を救った。スマホの中から出ておいで。一緒にお話をしよう?ねえねえ。
みんなは普通の子を好きになる。普通の女の子。普通の男の子。
でもぼくは、スマホの中のあのこが忘れられない。今もね。ずっとずっと会いたいんだ!僕は頭の中でその子と会話する。
その子はいった。
翼、きれいだね。
僕はいった。
そんなことないよ。
君にあげるよこの翼。
君ならきっと飛べるはず。
君に飛んでもらいたい。
僕は君に翼をつける。
僕には翼はいらない。
ほら。飛んで、こっちへおいで。
飛べない翼は
飛べるんだ。
翼があるからきっと飛べるはずなんだよ。ただ、飛ぶのか怖いだけなんだ。勇気が出ないんだ。
他の人は上に飛べる翼を持ってて飛んでいく。
でも俺は飛べる翼なんか持ってなくて置いていかれる
可哀想俺
天狗。私は天狗。
風を起こす団扇もあるし、
空を飛ぶ翼もある。
けどこの翼、今は使えない。
飛んだらあなたを置いていってしまうから
◤亡国の王子◢
敗戦国の扱いというのは往々にして酷いものである。国民の殆どは奴隷落ちし、王族の扱いは苛烈を極めることが殆どである。略奪や強姦は普通に行われ、労働力にならない女子どもやお年寄りは殺される。
とある国と国で戦争が起こった。片側は獣人の国、片側は魔法大国。この戦争の発端は魔法大国が獣人の国に法外な貿易を持ちかけたところから始まる。魔法大国が悪いというのが全ての国の共通認識ではあったが魔法大国より強い国はなく、どの国も獣人の国に哀れみの目線を送るだけでこの戦争は続いた。
初めの方こそ獣人の国も善戦したものの、圧倒的な武力の前に敗れ去った。そして、大量の奴隷が生まれたという訳だ。
「その男の羽をもげ」
「羽をもげば血が回らなくなり死んでしまいます」
「なら飛べないようにしろ」
その国の王子は鳥の獣人で、自由に空を飛ぶ翼があった。しかし逃げられては困ると、王子によってその羽がもがれてしまった。王子は悲しみに暮れる。もう二度と青い空を飛ぶことはできないのだと。
「一生俺の奴隷だ」
悪趣味な国王の奴隷として生きていかなくてはならないその事に絶望し、しかし逃げれば自国の国民の扱いが酷くなることを案じ、逃げられずにいた。そうして死ぬまで奴隷として生きた王子は、この国に強い呪いをかけてその一生を終えた。
「お前たちは、天に嫌われる」
そうして魔法大国は滅び、周辺国はまた獣人たちに国を与えた。それが、私たちの今住むこの地である。
「へー、」
子どもは興味なさそうに相槌を打った。現在、子どもたちへのこの国の成り立ちについての話をしていたのだ。獣人の国はどうして作られたのか。彼らだっていつか、人間が、魔法使いが如何に残酷な存在か分かるときが来る。
「だから、人間に近づいてはいけないよ」
「はーい」
当たり前だとでも言うように、子どもたちは返事をした。
テーマ:飛べない翼
飛べない翼があるのだと
でもその翼を持つ者は
飛べない翼のせいで苦しんでるんだと
何故ならその者は
"天使病"だから
飛べない翼
「才能は閉ざされて
永遠に飛べない翼を持った天使…」
そんなことを呟く、
俺は売れないミュージシャン。
そんなだから、
休日の公園のフリーマーケット
なんかをうろうろしてる。
古財布ばかり扱う店に来た。
マスタード色の小銭入れが目についた。
中を確かめる。
「…」一万円札が
折りたたまれて入ったままだ。
こんなことってあるんだ。興奮を押し隠し、
店主にこれ、と声を掛ける。
「ああ、10円」無言でやり取り。
店を遠く離れてから嬉しさを爆発させる。
「…よおお〜しっ!」
改めて中を見る。メモに、残金38円、ぶどう
とか書いてある。俺は一万円を無事散財し、
そんなメモの存在は忘れ去っていった。
またある日のフリーマーケット。
古財布の店。今度は、藍色の小銭入れが目につく。中を確かめる。
メモには、残金38円…。
店主がにやりと笑う。
飛べない翼。なんか聞いたことあるフレーズだと思って考えてみたら飛べない豚か。
他にも似たようなフレーズはありそうだけど思い出したのはこれだけだな。
しかしこういうフレーズとかキャッチコピーを考える人はセンスあるね。
最近のだと葬送のフリーレンとか呪術の領域とかああいうセンスが俺も欲しい。
だけど名前のセンスより先に普通に小説を書く実力が欲しいな。いまいち内容が思い付かずに書けなくなっちゃうんだよな。
とりあえず書かないといけないのは分かってるんだけどなにも書けない。これでずっと悩んでいる。ただ時間だけが過ぎていく。
一万時間の法則というのがあるけど駄文でも書き続ければプロ級になれるのかね。
絵とかなら分かるんだけど小説でもこの法則は適用されるのかな。
こういう細かいことを気にするからだめなんだろうな。なんでもいいから書かないと成長できない。書かないとな。
飛べない翼。なんか聞いたことあるフレーズだと思って考えてみたら飛べない豚か。
他にも似たようなフレーズはありそうだけど思い出したのはこれだけだな。
しかしこういうフレーズとかキャッチコピーを考える人はセンスあるね。
最近のだと葬送のフリーレンとか呪術の領域とかああいうセンスが俺も欲しい。
だけど名前のセンスより先に普通に小説を書く実力が欲しいな。いまいち内容が思い付かずに書けなくなっちゃうんだよな。
とりあえず書かないといけないのは分かってるんだけどなにも書けない。これでずっと悩んでいる。ただ時間だけが過ぎていく。
一万時間の法則というのがあるけど駄文でも書き続ければプロ級になれるのかね。
絵とかなら分かるんだけど小説でもこの法則は適用されるのかな。
こういう細かいことを気にするからだめなんだろうな。なんでもいいから書かないと成長できない。書かないとな。
あなたを亡くした日に
わたしの心の翼は
ポキリと折れ
未だに修理もできずにいます
羽根の一本一本に
あなたとの想い出が
しっかりと絡みつき
それを解くには
時間がかかりそう
何処へも行かずに
こうして
あなたへの想いに
存分に浸れるのは
飛べない翼の
おかげです
# 飛べない翼 (328)
飛べない鳥が見つけたのは大樹
飛べない翼が使えるようになるまで
大樹で休むことにした。
その大樹はどんな嵐からでも
守ってくれているような気がして
飛べない鳥は安心して休むことが出来た。
今ある不安も全部
大樹が包んでくれているような気がして
使えない翼が飛べるようになるまで
きっと使えるようになっても
きっと鳥はそこから離れないだろう
─────『飛べない翼』
#飛べない翼
ある日家の前に鳥が落ちていた。
バタバタと翼を動かしてはいるものの、結局飛べないままだった。
その姿がなんとも滑稽で、どことなく社会のレールから脱落した自分のようで、少しだけ可哀想になった。
暫くはネットで調べながらその鳥を看病してやったものの、そのままその鳥は死んでしまった。
その鳥は最期に飛べなくなった翼をバサリとひとつ動かしてそのまま動かなくなった。
もしかしたら、そいつなりの感謝だったのかもしれない。
ーー俺はまた友達を亡くしてしまったのか。
俺の心中にもう1つ、黒い染みが増えた。
新進気鋭の天才アーティスト
かつてそう呼ばれていた青年は、薄暗い部屋で蹲っている。
彼の手に握られているのは1枚の写真だ。青年が撮ったそれに写っている人物は柔らかく笑っている。
青年にとって、写真の人物が全ての原動力であった。
創作活動も、メディアへの出演も、食事や睡眠に至るまで、全ての活動の中心にはその写真の人物がいた。
しかしもう、その人はいない。
青年の世界は急速に色を失くした。
嘗て筆を握っていた右手は、自らを傷つけるようになり、
パレットを握っていた左手は愛する人との思い出に縋るようになった。
向日葵のように笑う天才アーティストはもういない。
そこいるのは、翼の折れた1人の青年だった。
(9 飛べない翼)
フォールダウン、バット・ゲット・バクァップ
ズルして生きてたってしょうがない
例えトランクの中に大金が入ってたって
誰も振り向きもしない、そんな人生に
何の意味もないことくらい知ってるだろ?
空っぽの心を埋めてくれるのはお前なんだ
お前がいなければ、とっくに俺は引き金を引いてる
気にしないでくれ、俺は大丈夫だから
俺はもうすぐくたばるだろう
だけどじきに起き上がる
俺は地に這いつくばるだろう
でもゆっくりと立ち上がる
怖いもの見たさで世界の中身を見たんだ
たちまち後悔したよ、そこは便所より汚い所だ
でもお前はそんな場所でも綺麗に輝いている
いつまでもその光で照らしてくれるなら
俺は愚かにも笑って生きていけるだろう
お前は俺にとっての自由の女神なのだから
気にしないでくれ、俺は大丈夫だから
俺はもうすぐくたばるだろう
だけどじきに起き上がる
俺は地に這いつくばるだろう
でもゆっくりと立ち上がる
そうだ
これが俺の生き方なんだ
気にしないでくれ、俺は大丈夫だから
俺はもうすぐくたばるだろう
だけどじきに起き上がる
俺は地に這いつくばるだろう
でもゆっくりと立ち上がる
世界は転げ落ちていくだろう
だけど心配しないでいい
また元通りになるのだから
大丈夫さ
きっと大丈夫さ
【飛べない翼】
水族館のペンギンコーナーにて
「ペンギンって飛べないらしいよ」
私は友達に持ち前の高度な知識を披露していた。
「本当だよ!嘘だったら2000万あげるから。こんなのが飛べるはずないだろ」
なぜか話を信じない友達に説明しようと不用意にペンギンに近づくと、
バチーン
ペンギンに叩かれた。
「かっっはぁ、、、」
私は体を壁に強く打ち付けた。
腕の骨は完全に折れ、衝撃は内臓にまで達していた。
痛みで声も出ない。
ペンギン「人間風情が舐めるな」
「大丈夫ですか?」
様子を見にスタッフが来た。
しめたぞ
私は最後の力を振り絞って立ち上がりスタッフにペンギンの悪事を告発しようとした。
しかし
バチーン
両足も砕かれた私は失神しながら崩れ落ちた。
その後ペンギンは自家用ジェット機に乗り家に帰っていった。
一連のやり取りはペンギンに近づいた不審者が勝手に転んで大怪我をしたということで処理された。
2000万円はもちろん友達に取られた。
【飛べない翼】
どこまでも雄大な青空を眺めていれば、背後に人の気配を感じた。慣れ親しんだものだから放置していれば、君の手が僕の背中に生えた翼に触れる。
「……ごめん」
耳朶を打った声は悔悟と罪悪感とでか細く震えていて、今にも消えてしまいそうだ。君へと向き直り、涙で潤んだその瞳を真っ直ぐに覗き込んだ。
「謝る必要はないよ。僕が僕の意思で選んだことだ」
神々の手で根本を断ち切られた翼は、もう二度とは動かない。時折ジクジクと無意味な痛みが走るだけだ。天界に生まれ神に仕えるべき身でありながら、神の怒りを買った人間を庇い命を救おうとした。僕の翼と天界の追放を代償に、君の命を守ることができたのだから、むしろ安い買い物だろう。
「天界の力の全部をなくした役立たずの僕でも、君のそばにいて良い?」
「っ、当たり前でしょ!」
力強い肯定に安堵しつつ、君の身体を抱きしめた。
これからは君と同じ場所で、君と同じように両足で歩いていく。飛べない翼は、君と共に生きる幸福の証明だった。
飛べない翼
飛べない。いくらもがいても体が浮かない。
飛べない。人間には翼がない。
飛べない。夢があったとしても羽ばたけない。
夢の翼は心の中に、物理の翼は心の外に。
飛べない。飛べない。飛べやしない。
〚飛べない翼〛
私は飛べない。
翼があるのに。
こんな翼、もういらないんじゃない?
「この種族の翼はきれいだからもぎ取って売ろう」
そうやって、痛い思いをする日々。
こんな翼、もういらないんじゃない?
痛くて飛べない翼は、もう……