『飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ペンギンは早く泳げるし、ダチョウは早く走れる。
飛べなくたって、それは個性で、短所じゃない。
【飛べない翼】
「人間に羽がついたら飛べるのに!」
といつも言っていた馬鹿なアイツ
人間の構造上凄いでかい羽根がないと飛べないのに
飛べないのに あいつは未完成の羽広げて
落ちてった
天高く、翼を広げ何のしがらみもなく飛び回る。
その自由の象徴に焦がれて、空っぽの両手を空へかざした。
真昼の空を駆け回る鳥のように、私は成れない、この世界の陰として生きているから。
この学園を去る時、深緑の忍び服から夜に溶け込む衣へと姿を変え、月夜を嫌い、闇夜を飛び交う蝙蝠のように駆け抜ける、そして誰にも悟られぬよう陰に溶け込み、息殺して生きてゆくのだ。
_そう、定められた未来は変わらない。
いつか、長い年月を超えて私に自由が訪れる時、
嗚呼、神様どうか叶えて欲しい。
私は自由に空を翔る鳥になりたい。
《飛べない翼》
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『飛べない翼』11/11
飛べない翼
だけど、何処にも行けない訳じゃない
飛べないなら、歩けばいい
歩けないなら、肩を貸して貰えばいい
飛べないけれど、
私は自由で、何処までだって行ける
見えても見えなくても
生まれたての赤子には翼がはえている。
しかし、それは鳥のように高く飛べず、何の為にあるのか不明だった。
よって、多くの家庭では子が少し成長すると翼は切ってしまう。
昔はそんなものは見えなかったらしい。
ある日突然、皆が見えるようになったのだ。
「何故だろう?」
――――
此処は天界。
人間の世界を管理するのが仕事だ。
最近、人々に『翼』を視せるようにした。
何故かって?
新しい可能性を見せる為さ。
まあ、
失敗しちゃったんだけどね。
飛べない翼
『飛べない翼』2023.11.11
翼とは本来、空を飛ぶためのものである。飛べない翼はないものと同じだ。
しかし、はたしてそうだろうか。
今、この背にある大きな翼は、確かに空は飛べないが、夢を与えることはできる。
歓声も拍手も、その対価である。
この翼を背負うと決めたとき、なんと重いのかと思った。
それと同時に、翼に託された想いも受け取った。それも含めて『重い』のだ。
私の背負っている翼は、重い。
最後の日まで、この翼にかけられた想いを背負わなければならない。
だけど、果たして一人で背負いきれるだろうか。不安で押しつぶされそうになる。
でも、同じ重みを背負ってくれる子がいる。
私の幼馴染であり同期。彼女も私と同じなのだ。
重すぎる翼も、二人で背負えば重くはない。
想いのつまった翼は、もう飛べない翼でないのだ。
心傷ついて
心苦しんで
辛いって言えたら
弱音吐いたら
楽になれるかな
大空を翔べる
羽がほしい
翔んで
あなたに
会いに行けたら
辛くても
幸せなのに
病んだ翼が
元気になるまで
翔べる日が
来るまで
待ってくれますか
逢いたい
昔よく聴いていたアーティストに、その題名の曲があった。
抱きしめてしまえるならば
どこへでも行こう
二度と探せないMy Heart
飛べない翼
透明感のある歌声と優しい音楽が印象的だった。
久しぶりに聴きたくなった。昔に買ったCDを探してみよう。
「飛べない翼」
4,飛べない翼
昔わたしは、飛べない翼を持っていた。
せめてなかったらよかったと何度思ったことだろう。
翼とは、自身をどこまでも高く飛ばせ、どこまでも行ける自由の象徴であると言えるだろう。
けれど、わたしのこの翼は違った。
ただのお飾りであり、そのうえ、その翼は妙に大きく、わたしの細身な背中についていて、なんの利益もわたしに与えることのない、邪魔な存在だった。
わたしは昔、その翼をとろうとしたことがあった。
けれど、とることは物理的に困難だった。
その翼はいわばわたしの個性。もっともわたしの嫌いな部分だったのだ。
だがある日、わたしはその翼を飛べることのできる翼にすることに成功した。なに、別にそういう手術をしたわけではない。
ただ、飼い慣らすことに成功した、とでもいうのだろうか。
わたしは、わたしの嫌いだった個性は、わたしの最も最高の長所となり、味方となることを知ったのだ。
2023.11.11
飛べない翼を広げも
ただ広げただけ
どれだけ助走をつけたって
ただただ翼を広げて走っているだけ
いつもみんなは口を揃えて
いつか飛べるよ、もう少ししたら飛べるよ
なんて言うけど
僕の周りの子はみんな大きく凛々しく
白い翼を広げてるじゃないか
僕の翼は黒く汚れてただ大きく醜い
今日もまた1人白い翼をあんなに大きく広げて
飛んでいってしまった
『飛べない翼🪽』
ユニコーン。
それは、伝説の生き物。
輝く白い角。金色になびく美しい毛なみ。大きく飛べそうな翼。
ユニコーンの角には蛇などの毒で汚された水を清める力があるという。
そのユニコーンが今、私の目の前に。
「私をその角で浄化して。」
ユニコーンは応えない。
私はいわゆるアンラッキーガール。
友達と遊ぶ日はいつも具合が悪くなるし、一日のうちに転ばない日はない。アルバイト先の遊園地では、何語かわからないような言葉で話しかけられ、笑顔をキープできず毎回注意される。外食したら、必ず頼んだ商品と違うものが出てくるし、割り箸なんて人生で一度も綺麗に割れたことがない。とげが手に刺さるのが通常運転。
私は懇願する。
飛べない翼をもつメリーゴーランドのユニコーンに。
飛べない翼。
飛べない翼は
私にもついてるかな?
大阪まで
行きたかった。
飛べない翼なら
せめて魂を。
今日こそ
飛べない翼なのが
本当に辛い。
我が家には羽の生えた丸餅がいる。
無論、「丸餅」というのは比喩だ。丸餅のような丸い体の、どの動物図鑑にも載っていない動物がいるのである。色は目に優しい淡い黄色、まんまるの黒目に滑らかでふわふわとした肌触り。性格はまるで猫で、作業している手元にどーんと寝そべったり、朝方に布団の上にダイブしてきてポンポンと短い手で布団を叩いて起こしに来たりする。
この「まるもち」の背中には羽がある。鳥の翼ではなく虫の翅に近いが、デフォルメされているかの如く単調で丸みのある白い羽で、その図体のでかさのわりにとても小さいので飛べるわけもない。
じゃあ何のためにあるんだろうかと思いはするものの、そんなに気にはしていない。
特に理由もなく頭を撫でてやれば、その羽はパタパタと動く。
花瓶を割ったり庭の花をつぼみのままもいでしまったりした時は、隠れでもするかのように体にぴったりと張り付かせる。
こちらが落ち込んでいる時は短い両腕と一緒に懸命に広げて、励まそうとしてくれる。
「お前の羽は、きっと飛ぶためのものじゃないんだよな」
そう言ってやれば、「まるもち」は嬉しそうに羽をパタパタと羽ばたかせるのだ。
真赤の星が輝いている。青い地球を照らし続ける真赤な太陽。常からその恩恵を傍受して生きている私たちは、その星に今日も感謝しなくてはならない。
宗教というものに関しては実に疎いのだが、これ位の感謝は当たり前だと思っている。母親がそんな人だったからだろうな。今はもう分かりやしないが。
黄昏時とも云うこの時間帯は、私にとって特別なのだ。私が私でいられる時。
私は幼い頃からの夢がある。今はもう半ば諦めているのだが。それは母親みたいな人になるという夢。
でも私ではあの人みたいにはなれない。私にあの慈悲深さはない。叱るときは叱り、褒めるときは褒める、といったものがまるでないのだ。
私では駄目なのだ。八年間の想いで構築された翼は何の意味も持たなかった。羽ばたけない翼など意味はない。私は飼育委員会だったから、毎日と云っていい程、鶏を見ていた。そんな感じ。莫迦にしている訳ではないのだが、今を伝えるにはそれが一番的確だと思ったからだ。私は情けない。哀れな幼子なのだ。誰にも救えぬ、人間を象った何かなのだ。
この時間になるとマイナス思考になってしまうのは私の悪い癖だ。早く治さないといけないね。そんなことを考えているうちに、日も沈んできた。否、別の場所を照らしにいってしまった。太陽が羨ましいと思った。常に誰かを照らすことができる。私もそんな風になりたかったよ。…縋ってばかりじゃ駄目だ!母親みたいになるなら、もっと……!
そうして今の翼をまた、広げるんだ。そしたら、いつかは、きっと、大、丈夫だ、から…。
お願い お母さん
もう少しだけでも私を見ていてよ
貴方が私の翼だから
黄昏時、又の名を逢魔が時という。
お母さんにだって会えるよね。
#飛べない翼
子供の頃のサチコには翼が着いていた。
ママの手をするりとくぐり抜け、
捕まらないように上手に逃げて行く天才だ。
そして高速スピードが大好きで、自転車に乗れる様になった時は毎日自転車が相棒だ。
スキーをする様になってからは、その高速さにドキドキしてしまった。まるで翼をはためかせ飛んでいるようだ。
それなのに
サチコのママはサチコのする事を褒めない、
あと先考えない愚かな行いだと言う。
尊敬するママが言うのだし、
私って考え無しに動くし、
ずっと子供っぽいのは嫌だし…
やがてサチコは飛ばなくなった。
大人になってから挑戦してみたいと思う翼が
体に湧いてきても、行動より先に思考がブレーキをかけてしまい飛ぶ事を選べない。
飛べない翼を包み込み
サチコは昔を懐かしむ。
ーーー飛べない翼ーーー
「いつかは飛べる」
そう叶うはずのない夢を見て
今日僕は、飛ぶんだ。
どこかで、鈍い音が響いた。
期待に胸を膨らませ、希望の翼を羽ばたかせる人がいるのなら、変化を嫌悪し、進むことを恐れる私が持っているのはきっと飛べない翼なのだろう。
「ねえ、ほんとに受けないの?」
「…うん」
「せっかくのチャンスなのに?」
「…うん」
「そっか、残念だけど仕方ないね。
わたしは受けるつもりだから、しばらくは一緒には帰れなくなっちゃうけど…」
「…うん。応援してる。頑張ってね」
落ちこぼれの私にも優しくしてくれる彼女には本当に申し訳なく思っている。
けれど。
進むことを恐れる私と、進むことを恐れない彼女。
二人の道が分かたれているのは明らかだ。
だからせめて、精一杯応援しようと思う。
私は自分には無理だと諦めてしまったけれど。
飛べない翼
僕は未だに、麻酔が効かない。あの場所もあの記憶も、もう少しで手が届きそうなのに。ふわりと浮いて掴むことができない。今、目の前にあるのは、自分をのみ込む田園と、あのカラスが落とした、黒い黒い羽根。歌が聞こえる。僕の翼を散らした歌が。
『飛べない翼』
「あ、綺麗…」
人は皆、翼を持っている。色も形も大きさも人それぞれだけど、みんなには見えていないのが事実。
翼を持ってる人のほとんどは、濁った色で折れていて痛そうなの。まぁ、痛覚も感覚すらもないみたいで痛がる様子は微塵もないけれど。
でも、翼は大切なものだと思う。翼が折れてしまった人は、二度と飛び立つことができない。
つまり、諦め続けて中途半端な希望を抱えて生きるしかないの。……僕が見てきたのは、だいたい頑張っている人ばかり。
人一倍頑張っている人。
「僕の翼は………」
頑張ることも挑戦することもいいことだけど、大きなことほど、失敗してしまった時や挫折してしまった時に、翼が大きく折れてしまう。
頑張るものが大きければ大きいほど、それに比例して翼は飛べなくなる。飛べない翼になってしまう。
だから無理しないでね。あなたのそんな姿見たくないから。
「過去」という鎖に繋がれている私の足
「臆病」という地面にへばりつく私の手
「偽善者」になった私の口
「噂」が怖い私の耳
「真実」を見ようとしない私の目
どこへも行けない私にしたのは
私自身なんだよ
自分がどこかへ飛びたいと思うなら
自分を変えること
「飛べない翼」