『飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
例えば
悠久なる空を飛べる翼を持つのであれど、
羽ばたく自由を知らねば
その翼は「飛べない翼」となる
例えば
何処にだって駆けられる脚を持てど、
すぐに折れてしまったなら
その脚は「不自由な脚」となる
この2つの論点は一体どう異なるのか。
まあ簡単な話だ。
「知る事がなかった」
か
「知ってしまった」
であろう。
自由を知らずに済めば、自身の知る世界だけで
何にも脅かされず安寧を貪る事が出来る。
自由を知ってしまったなら、今までの
狭苦しい世界を窮屈と飛び出す事が出来る。
しかして、「不自由な脚」となった後者では
「自由を知れど踏み出せない」
その鬱屈さに心を病んでしまうかも知れない
そして、「飛べない翼」を持つ前者であれば
「自由を知らずとも生きていく」
翼に頼らず生きていく術を生み出せるかも知れない。
……とまあ、真面目くさい話だけれど
要は生き方とは自在に捉えられるのさ。
「誰かの不自由は誰かの自由」
世界を知って苦しむか
世界を知らずとも苦しむか
世界を知って自由に羽ばたくか
世界を知らず不自由に歩き出すか
その選択は、全て君次第!
とは言っても、『僕』の語る言の葉は
堅苦しく見せかけたまどろっこしいフィクション!
そう深く悩まなくても良い話。
ただ、薄っぺらい『僕』なんかの言葉でも。
今を生きるキミたちの心に刺す事が出来るなら
面白いかも知れないけどね!
飛べない翼
養鶏場のような場所で
飼っている鶏を見せてもらったことがある。
ずっと狭いところに閉じ込められて
自分だったら気が滅入ってしまうなと思ったけれど
きっとあの子達は外の世界すら知らないのだろう。
そう考えると、小屋の中の鶏のように
私にも知らない世界があるのだとしたら
人生のかなりの部分損していることになるのかも
しれない。
色々なところに目を向ければ
自分の世界を少しでも広げることができる気がする
「飛べない翼」
飛べない翼の時でも、君は側にいてくれた。
ずっと変わらず。
嬉しかった。
ありがとう。
君のためにも羽ばたけるように、また頑張りたい。
一人一人に翼は付いていて
努力し続けた人は夢に飛ぶ。
まだ、私は努力が足りない。
#飛べない翼
短い小説 『飛べない翼』
飛べない重い翼を抱え、泣きべそかいている鳥がいた。
その鳥の近くで、小人が空中を遊泳していた。鳥は小人を羨ましそうに見つめる。小人は鳥の視線に気づき、話しかけてきた。
「どうしたんだい?僕を見つめて。僕上手に飛べてるかな」
鳥は何も言わず、小人を睨む。
「…下手くそだった?」どうして睨むのか分からず小人は戸惑った。
「お前は羽が無いのに飛べるんだな」
「へ?」
「俺飛べないの」鳥は翼を広げ、鼻で笑いながら吐き捨てるように言った。「羽あるのに飛べないの。馬鹿だろ?」
「えー?そんなこと言わないで」小人は鳥の心情が分かり、即座に否定した。「むしろ、僕の方が馬鹿さ」
「何でそう思うんだよ」
「僕、飛べるのに飛ばなかったから」
「は?」
「僕、今まで人に甘えまくって自分で飛んで動いたりしなかったの。そのツケが回って、全然飛べなくなっちゃって。だから、恥ずかしかったけど死ぬ気で飛ぶ練習して、何とか飛べるようになった」
「…」
「君は…本当に君のその翼は飛べないの?」
「…」鳥は黙り込んでしまった。今の話で何か心当たりがあるような気がしたのだ。もしかしたら、本当は飛べるのではないのか。飛べないと勝手に決めつけてたのかも。
小人はそんな鳥を後押しするかのように言った。
「一度練習してみたら?」
鳥は小人の言葉を胸に、死ぬ気で飛ぶ練習をすることになった。
夜にベランダから訪問してくる変人がいる。
たまにふらっときて飽きたら帰っていくという気まぐれ具合だ。
ベランダから?ふらっと?面識のない人が?夜に?となるだろうが、別に害はないのでそのままにしている。僕はめんどくさがりなんだ。
それで、僕の家はマンション。ついでに六階だ。だから変人は飛んできてるのだと思ってた。
人間離れした容姿だし、何より羽生えてるし。
しかし、違った。ある日月光浴していた時にわかった
変人は登ってきてた。
何をって、壁を。
他の住人のベランダを足場にしながらよじよじ登るならまだ「!?」ぐらいで済んだが、変人は壁を『たったった』だ。「!!!?????」ぐらいになっても無理はないだろう。
「君…羽…使わないの…」
「この羽飛べないんだよね!」
「そっか…」
どうやら、変人は思っていたよりずっと変人だったらしい
🍀飛べない翼
左翼を失い右翼だけになってしまった。
落ちた左翼。
1枚の翼を手に取るとサラサラと崩れ無くなる。
機能をなくした左翼に片翼だけでは飛べない右翼。
意味が無い。
意味が無い天使。
意識しない間に右翼は白と黒の2色に染まり変わり
汚くなってしまった。
「その2色、綺麗だね。」
マントを着た誰かがそう言う。
「自分、汚いって思ってないよ。」
偏屈な態度で言い返す。
「はは、思ってなくてもね、顔に出てるよ。」
自分でも自覚していない「感情」に
誰かは気づいて気づかせてくる。
「……そうだね。汚いし、飛べなくなっちゃった。」
「……」
「……いっその事、右翼も切っちゃおうなか。」
「“も”?って何?左翼は自分で切っちゃったの?」
「どうなるかなって思って。でもどうもならなかった。死ねなかった。」
「死にたかったの?」
「うん。」
「なんで?」
「なんか疲れちゃった。何も考えたくなかった。」
「……」
「右翼切ったらどうなるかな。自分いなくなるかな。」
「ならないよ。」
誰かは強く言う。
「なんで言い切れるの?」
「……」
「なんで?」
もう一度問いかけると誰かは羽織っていたマントを脱いだ。
そこには、
翼が生えていなかった。
飛べない翼
飛べない天使
飛べない翼は使い物にならないなんてそんな冷たい言葉を吐いた馬鹿を私はぶん殴る。
翼を優しく撫でて看病する。
大丈夫、また飛べるよ。
飛べない翼を捥ぐ
捥ぐとまた生える
無駄に綺麗な、純白色の翼が
透き通った水色の空
夢見る翼を
今日も捥ぐ。
「飛びたかったなぁ、私も」
# 飛べない翼
「ねえねえ、もし、飛べない翼が生えてきたとしたら、手術してとる?そのままにしておく?」
親友の最後の言葉だった。
飛べない翼が空をかく
傷跡は星となった
歌えない嘴が風をすく
ため息はわた毛ととんだ
開かない眼が空をさす
まなざしは月をよんだ
うまれない命が風となり
産声は海へかえった
飛べない翼
苦しい日々に
最悪の景色
暗い闇に
閉じ込められる
ような気がする。
こんな毎日は嫌
私はもっと
翼を持って
自由に羽ばたきたい
行きたい
生きたい
飛んだ
あれ。
落ちてる…?
そんな
こんなはずじゃ…
飛べないに決まってる。
それは肉体にはくっついていないから。
単独で存在していたとしても、それ自体が動くわけてはないから。
飛べない翼を持つ鳥はどのくらいいるのだろうか。
今頭に浮かぶのは、ペンギンとかダチョウとかだ。
では、なぜその鳥たちは飛べない翼を持つことを選択したのだろう、翼を持っていた方が自然界では有利なはずなのに。
ペンギンの翼に当たると骨が折れるらしい。水の中で素早く泳ぐためにそう進化したのだろう。他の飛べない鳥もそういう翼よりいい何かと交換でその能力を得て、その環境に適応してきたんだなぁ。
「飛べない翼」
「飛べない翼」
数千人が暮らす工場だらけの小さな小島
これが私の世界の全て
両親と出掛けるはずだった船の事故で二人を亡くし
私はそれから海が怖くていまだにこの島を出られないでいる
それから数年が経ちいつものように家で一人機械をいじっていた時
彼女が空から落ちて来た。
翼の生えた女の子左の翼から血を流して、私の家の裏ゾウゲばやし木で彼女は横たわっていた
翼の生えた鳥人、昔お母さんが本で読んでくれ、本物に出会うのは初めてのことだった
私は慌てて付き添いのロボットと彼女を運んだ
「おはよう目が覚めたんだ」「ここはどこ」「オウラフ島だよ南東の島、自己紹介がまだだったね私の名前はアンナ」「助けてくれてありがとうアンナ、私はフィオ、そうか私この近くを飛んでるときに撃たれてそれから…そうだ私が持ってた手紙はどこ」「手紙?ああ君の隣に置いてあるよ」「良かった、無事で」「大事なものなんだね」「私郵便の仕事をしているの早くこの手紙を届けに行かないと行けないんだけど」「君の翼はケガをしているの、何かに撃たれたようだったけど」「最近鳥人を捕まるやからが出てきて、逃げてる時に撃たれたんだと思う」「その怪我だと飛んで行くのは難しいと思う」「どうしよう、私の持ってる手紙を心待ちにしてる人たちがいるのに」「ねぇフィオ、良かったら、アンタの翼私が治してあげようか?」「え?ホントに!」「私こう見えてメカニックをやってるからその左の翼なんとか飛べるようにできるかも」「お願いアンナ私に手伝えることならなんでもするから私をまた飛べるようにして」「ああ、泣かないでフィオ大丈夫だから」「うんありがとうアンナ」「じゃあフィオ翼が治るまでお願いがあるの」「なに?」「島の外の話しを聞かせて欲しいの」
それから数ヶ月、私は左の翼を治しながらフィオと二人で過ごした、機械しか友達のいないような私にフィオは明るく話しかけてくれた
色んな話しを聞いた砂の荒野に湖の都市大きな世界樹、島から出られない私には彼女の話しは夢のようだった
「よし治った理論上はこれで飛べるこれで明日にはこの島を飛んでいけるよ」「ホントにありがとうアンナ」「ほら、泣かないで手紙を届けるんでしょう?」「うんありがとうアンナ私今日の晩ごはんうんと美味しいのつくるよ」
「ありがとうフィオ私あのリゾットが食べたい」「うんまかせて」
嫌だ、ホントは行って欲しくはない
ここにずっといて欲しい
彼女は飛んで行ってしまう
また、私はここに一人
でも約束したまた会おうと、彼女と約束した。
ずっとこの島から出るのが怖かった私を彼女が変えてくれた
約束するよ
またどこか遠くで会おう
私があなた翼を治したようにあなたは私に翼をくれた
失くしていた翼を
夢みる翼を。
ずっと空を見てる
動けなくて 踏み出せなくて
いつも空を見上げてる
大きな水色が 私をすくいあげてくれるように
手を伸ばせるようになるまで
今はまだ ゆっくりでいい
#飛べない翼
青空へ
自由気ままに
羽ばたきたい
でもこの翼では
飛べはしないの…
飛べない翼
みんなそうだ。
飛べないから、仲間がいる
仲間がいるから毎日が楽しい。
そんな仲間も飛べない。
それでも毎日が楽しいならそれでいい。
それが1番いい。
飛べない翼を持った僕は
飛べる翼を持つ君に憧れを抱いた
広い空から眺める景色はどんなだろう
同じ鳥なのにどうしてこうも違うのか
持っている才能の差があればあるほど
自分の無力さに打ちのめされていく
そんな僕に君は言った
「僕は空を飛ぶことしかできないが、君は早く走ることも水に潜ることも容易いだろう。君の持つ脚力が僕はとても羨ましい。」
君のその言葉が
劣等感は自分の持つ最高の才能だということを
教えてくれたのだ
「飛べない翼」
今日のテーマに、少し違和感を覚える。
飛べない翼。しかし「飛べない」のは、翼を持つ何かであって、「翼」が飛べないのではないはずだ。日本語としてどうなのかと思う。
例えば、飛べない「飛行機の」翼だったらわかる。それは故障しているので、修理してほしい。とても危険だ。飛べない「鳥の」翼も、かわいそうなので、手当てをしてあげてほしい。ただ、鳥の場合は、もう一つの可能性もある。そう、「退化」だ。
退化とは、進化の過程で、生物体の器官や組織などが、縮小したり衰退したりすることだ。ペンギンやダチョウが飛べないのも、これにあたる。飛ぶより泳いだり走ったりする方が効率的だったので、翼を使わなかったら、そのうち飛べなくなりましたというわけだ。
人間だって、猿から進化する過程で、いろんなものが退化してきた。ただこれは、単にしっぽがなくなりました的な話だけでは済まないかもしれない。
世の中が便利になればなるほど、人間は動かなくなり、考えなくなってきている。ググればたいていのことはわかるので、辞書を引いたり、図書館に行って調べたりすることもない。スマホがあれば、知らない土地でも迷うことはないし、連絡帳に入力しているので、電話番号を覚える必要もない。漢字をどんどん忘れていってるのも、老化のせいだけではないような気がするのだ。
退化するかしないかは、生き延びる為に、必要かどうかだ。不必要な組織や器官にエネルギーを使うより、使わないものは切り捨てて、必要なものにエネルギーをまわした方が、生き延びる可能性が上がる。企業が、経営資源の集中とか、生産性の向上とかいう大義名分でリストラするように、生物も不必要な組織や器官を、何億年もかけて退化させてきたのだ。そしてそれは、これからも続く。
何もしなくても、何も考えなくても、機械が、システムが、AIが、人間をはるかに上回る精度でやってくれる世界。そんな世界で、人類は退化の一途を辿るしかないのではないだろうか。
未来の世界では、人間は人間ではないかもしれない。知らんけど。