『開けないLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「開けないLINE」
家族で買い物。カバンの底で夫からのLINE通話が結構鳴っていたようで、通知が沢山きていた
こちらから掛け直すと「今どこにいるの?」
迷子である
家族での買い物で、個人行動するときは電話の音が聞こえるようにしとけと叱られたのであった
返信の仕方がわからない。この文章でいいの? 合ってる?……この返事で嫌われたら、どうしよう。
いつのタイミングで返せばいい? 早すぎる? 遅すぎる?
最初は些細なことでつまづいて、その内自分で無いような粗を自ら作り出して、それに囚われ、怯えるようになった。
何故、自ら恐怖の種を作り出し、育て上げようとしているのか。
わからないまま、--開けないLINE。
相手からのメッセージが、返信が、どんどん溜まっていく。
「……」
今はドツボに嵌まりそうだから、直接話に行こうと友達の席に向かっていった
テーマ:『開けないLINE』
(電話…いや、それともメール?いや、どっちも重いよね。
なら他のSNSで…
あっ他のSNS、知らないや。)
最初の困惑はそんな風だった。
LINEが使えなくなっていた。
家族や世間の様子を見る限り
社会問題…というよりかは、私的な問題のようであり、
詰まる所、私のスマホだけが故障、エラーを起こしている様だった。
「あっ、いま学校終わったんだけど…
うん。今朝言ってた通り、ちょっと本屋さん寄ってくるから。」
家族との連絡は何も問題が無かった。
1日中話すことも珍しくない間柄の相手だ、何も気負わずに電話が出来て、
そんなことをしなくても、嫌になるくらい時間が共有される。
…問題は友達、もっと言えば、知り合いとの関係だった。
「ねえ、昨日締め切りだった、あのアンケート、出してないの貴方だけなんだけど…」
「えっ、あっ、ごめん。
でも、それ私聞いてない。」
「LINEで募集してたアレよ、アレ。」
「あぁ〜、ごめん。
ちょっと今LINE使えんくなってて…」
「ホントに昨日のアレ、面白かったよね。いや、マジあんなオチになるとは予想もできんかったわ〜」
「ねぇねぇ、何の話?」
「あれだよ、あれだよ。昨日回ってきたLIVE動画の。皆、喰い付いて、勝手に実況始めちゃって…大大盛況だったじゃん。」
「ちょっと、前、言ってたの忘れたの。LINE使えないって」
「あっ、ごめん。つい。」
「許して使わす。というか何言ってんの。別に謝ることなんかじゃないよ。
それより、そんな面白かったの?それ。」
「うん。あーかいぶ、あったはずだから見てみるといいよ。ほら確かこの履歴の…」
連絡を取る前にとれる手段、そしてとる相手との親密度を考える。
そんな一手間が私とLINEで繋がっていた彼女達との距離を空け、
未だ繋がったままの彼女達の話の早さが、
そのままで置き去りになった私に、
囚人のような疎外感と劣等感を感じさせた。
私はふと、
喋れなくなったみたい
なんて思った。
…他のコミュニケーションで十分に代用可能ということは、分かるから過剰な例えだとも思ったが、
けれど、筆談を勧められる人の気持ちってこんなものじゃないかと、
私には何となく、
そう、あくまでも何となく、
思ったのだ。
結局、2週間位でLINEは使えるようになった。
私はこの2週間の間にで何か大切な連絡があるかどうかを確認して、
案の定、別にそんなものはないことを理解して、
それから、そこそこ仲の良い彼女達に尋ねた。
「ねえ、なにかオススメのSNSって知らない?」
【開けないLINE】
君からのLINEを開かないまま、すでに三日が経過していた。
心配をしてくれている内容なのか、それとも呆れている内容なのかは定かではない。
どちらにせよ今の私に誰かを受け止められる寛容さはないのだ。
今日も布団に引きこもる。
あーあ、煙みたいに消えてしまえれば良いのに。
私は棒人間勇者LINE子。冒険の旅に出てまーす。
私の特技は開けないこと。
ありとあらゆる扉を開けずに済むの。
この平面の体のおかげでわずかな隙間さえあれば
通り抜けてしまえるの。ホッホッホ!
牢屋なんか楽勝過ぎて物足りないわ。
これがいつでも鍵を手に入れないと先へ進めないという
残念ストレスの冒険者にとって、どれだけの有利になることか
計り知れないことこの上ないのはご承知でしょう。
というわけで、今日も楽しく冒険しちゃってまーす。
あ、宝箱。まあこれも開けなくても手を入れて
だいたい中身が何か分かっちゃうんだから…
キャーー!手、手!手を持っていかれた!!
人喰い箱だった。
(開けないLINE)
元彼に別れを告げられた。理由は分からない。
自分は何をしたのか、そんなことを考えていたら、知らない間に泣いていた。
LINEに1件の通知が来た。元彼からだ。
私は元彼のLINEはその後から開けなくなってしまった。
この開けなくなったLINEには、一体何が書かれているのか、知りたくても見ることはできない。
だって見てしまったら、私はもっと泣いてしまうかもしれない。なら、見ない方がマシだ。
「開きたいんだけどな……」
「ごめんね。」
『土曜日、何時集合する?』
通知音と共にやってきたメッセージは、スマホのロック画面に映し出されたままだった。
秋(あき)は作業を中断し、スマホを手にとってメッセージを開こうとする。が、途中でそれを止めた。
「はぁ...」
本来であれば嬉しいはずのメッセージが、どうにか憂鬱で開けそうもない。
それもそう、昨日送り主の拓也(たくや)が見知らぬ花屋の店員と楽しそうに会話していたのを見てしまったからだ。
秋はその光景が忘れられなかった。
自分ではない人とはあんな風に笑うんだなとか、相当仲の良い関係なんだなとか。
(もしかして彼女だったりするのかな)
トーク画面を開こうとする。
昨日会ってた人って誰?もしかして彼女いるの?聞けば彼は答えてくれるだろう。
でもその聞いた事が原因で遊びに行かなくなったら?
その店員のことが気になってしまったら?
「......はぁ」
本日二度目の溜め息を流す。
スマホの操作を止め、机にコトリ、と置く。椅子に深く腰かけて空を仰いだ。
(私ってこんな面倒だったかな...)
秋は拓也からのメッセージを、とりあえず保留しておくことにした。
お題 「開けないLINE」
出演 秋 拓也
開けないLINE
どうでもいいとか、
面倒だからとか、
開けないLINEは
たいていそういう理由なんだけど。
でも例外はあって。
楽しみだからこそ、
すぐに開けたくないって、
そんな気持ちになることがあるんだ。
君からのLINEは。
開けないLINE
スマホを持ってなかった一学期、やっと念願のスマホを買ってもらった二学期親友から教えて貰ったクラスラインは私の入れる隙は無くてクラス中心人物達ばかりが褒める人形劇の様で辛くて苦しくて何も出来ない私に嫌気が刺し始める、
LINEをアンインストールしますか?
YES / No
YES ◀
まだ勇気出なくて開けない君の無意識非情なLINEを
開けないLINE
書きたいのに、書けない。
上手く文章を書かなければ。読み返すたびになんだか気持ちが悪くて、結局全部消した。あーあ、また書けなかった。
せっかく書いたのに。
また、消しちゃった。
あの人から来るLINEを、いつも見ることができない。
あの人からLINEが来るたび、息が上がって胸が苦しくなって、途端に身体が重くなっていく
あ、今もLINEが送られてきた
『ねぇ、今日話してた男だれ?』
『なんで他のやつと楽しそうに話してんの』
『君にとって俺はなんなの?』
友人へ他愛もない返事をした後、ふとトーク一覧をスクロールする。
一画面分以上降りていくと、「1」の付いたライン。
特段仲が良かった訳ではない。
ただの仕事仲間で、仕事の時はそれこそ軽口も叩けるくらい気軽なやり取りをしていたけれど、プライベートで遊ぶような気安い関係でもなかった。
未読無視していたのに気付いたのは、彼が死んだ後だった。
日付は彼が死ぬ前の日。
彼は最期の前日に何を送ってきたのだろう。
事務的な仕事の連絡か、まさか次の日いなくなるとは想像もしていないくだらない話か、はたまた何かを悟って遺書めいた言葉か。
タップすればわかることなのに、その「1」を消すことができない。
ここを押してしまえば、二度と数字が灯ることはないから。
ひらけないのか、あけないのか、
いまだにぼくは答えられずにいる。
【開けないLINE】
開けないLINE
わたしに対してネガティヴな内容
指摘受け付けません
開けないLINE
・1『開けないLINE』
向こうは既読になんねーなと思ってるだろうか。
何件きてるのか想像したくもない。
でも私はもう決めたのだ。
あなたの言いなりにはならないと
【続く】
眠れない夜は、朝が来るまでが悠久のように思えて、つい枕元にある携帯電話に手が伸びる。充電器を挿しているからか、ほんのり温かみを帯びたそれに人差し指を添えて、通話アプリを開く。誰か、こんな夜更けに起きていて、友人の拙い小噺に付き合ってくれる者はいないかな。人差し指を下から上にスライドさせて、そして一つ名前を見つける。ああ、コイツ。コイツならきっと、自分と同じで、眠れなくて『夜中』に飽いているに違いない。タップを一つして、画面を変える。今夜はどんな話をしようかな。
―――明けないLINE―――
彼とケンカしてしまった夜
スマホを見ることが出来ない
電話が鳴っても
LINEの通知の知らせが鳴っても
スマホそのものをを見ることが怖い
なんであんなこと言っちゃったんだろう
どうしてこんな事になっちゃったんだろう
後悔だけが涙と共に溢れてきて
他のことが手につかない
まだ怒ってるだろうな
またケンカになっちゃうかも
そればかりがグルグルと頭の中を回っている
何回目のLINE通知だろう・・・
彼からじゃないとしても
ガッカリしてしまうだろう自分が想像できて
更にスマホを見られない
・・・電源落としてしまおうか・・・
こんなことしてたら余計に拗れるってわかってるのに
どうしてもスマホを見ることができない自分が
本当に情けなくて嫌い・・・
「開けないLINE」
軽
や
か
に
ス
マ
ホ
持
た
ず
の
避
暑
散
歩
(開けないLine)
昨日仕事のデータを全部消してしまった。
私は大きな罪を犯した。反省している。とても反省している。けれど!
今目の前にある私のスマホの着信音が鳴り止まない。開こうにも開けないLine。その後、職場でみっしりお叱りを受けた。ただ、1年経った今でも私はあの時の上司のLineを開けられていない。
LINEの通知を見て返信に困ったときが度々ある。
友達に長文を送られて
通知のプレビューでは途切れてて続きを読みたいけど
返信する余裕がないとき。
元彼に「まだ俺のこと好き?」
って思い上がりもいい加減にしろよと思うけど、
未練という綺麗にはがせないシールが脳に貼ってある
意味がわからない返信を送られて
逆になんと答えたらいいかわからない時もある。
すぐに返信できず今は既読をつけたくないLINEは
どうしたらいいのかいつも迷う。
LINEに既読機能がついていて助かると思う反面、
そんな機能作らないでほしかったと嘆く自分がいる。
会って話せば解決できそうな内容なのに
LINEで丸く収めようさせようとしたあの日の自分が
今でも嫌いだ。
既読をつけたくないから開かずにいて後悔するのが
あの頃の人生の誤りだったのかと今思った。