眠れない夜は、朝が来るまでが悠久のように思えて、つい枕元にある携帯電話に手が伸びる。充電器を挿しているからか、ほんのり温かみを帯びたそれに人差し指を添えて、通話アプリを開く。誰か、こんな夜更けに起きていて、友人の拙い小噺に付き合ってくれる者はいないかな。人差し指を下から上にスライドさせて、そして一つ名前を見つける。ああ、コイツ。コイツならきっと、自分と同じで、眠れなくて『夜中』に飽いているに違いない。タップを一つして、画面を変える。今夜はどんな話をしようかな。
―――明けないLINE―――
9/2/2024, 6:33:52 AM