『土曜日、何時集合する?』
通知音と共にやってきたメッセージは、スマホのロック画面に映し出されたままだった。
秋(あき)は作業を中断し、スマホを手にとってメッセージを開こうとする。が、途中でそれを止めた。
「はぁ...」
本来であれば嬉しいはずのメッセージが、どうにか憂鬱で開けそうもない。
それもそう、昨日送り主の拓也(たくや)が見知らぬ花屋の店員と楽しそうに会話していたのを見てしまったからだ。
秋はその光景が忘れられなかった。
自分ではない人とはあんな風に笑うんだなとか、相当仲の良い関係なんだなとか。
(もしかして彼女だったりするのかな)
トーク画面を開こうとする。
昨日会ってた人って誰?もしかして彼女いるの?聞けば彼は答えてくれるだろう。
でもその聞いた事が原因で遊びに行かなくなったら?
その店員のことが気になってしまったら?
「......はぁ」
本日二度目の溜め息を流す。
スマホの操作を止め、机にコトリ、と置く。椅子に深く腰かけて空を仰いだ。
(私ってこんな面倒だったかな...)
秋は拓也からのメッセージを、とりあえず保留しておくことにした。
お題 「開けないLINE」
出演 秋 拓也
9/2/2024, 8:14:37 AM