『開けないLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
悩みに悩んで、あなたにLINEを送ってみた。内容を考えてたら止まらなくなってしまって、なんども書いたり消したり書いたり消したり……そんなLINE。
勇気を出して紙飛行機のボタンを押した。
「既読」が気になる。
あなたにとどいてるかな?
ちゃんと読んでいてくれてるのかな?
読んでくれたら嬉しいけど、日頃LINEなんかほとんど送らないし、もし引かれてたら怖いな……。
「新着メッセージがあります」
俺の名前はアレク・セイ。
誇り高き空軍学校の、戦闘機パイロット候補生。
空軍学校創設以来の、伝説的な成績で戦闘機乗りになった男だ。
と言いたいところだけど、万年補習の落ちこぼれ。
赤点回避した日には、カンニングが疑われる始末。
俺はバカなのだ。
あ、伝説的ていうのは嘘じゃない。
伝説的に悪いという意味だ
自分で言うのもなんだが、身体能力はかなり高いので、それで学科をどうにかカバーした。
教官からも『身体能力が化け物じゃなきゃ、とっくの昔に追い出している』と言われたくらいだ。
学科は勝てないけれど、体を動かす系の科目は俺が一番だからな。
そんな俺だが、この度ついに戦闘機に乗るための試験に合格し、今日初めて戦闘機に乗る。
教官たちも苦い顔をしていたが、合格は合格。
だれにも文句は言わせない。
ということで、俺の専用戦闘機に乗り込こむ。
「うっひゃー。
計器がいっぱい。
えっと、どれを触ればいいんだっけ?」
「何かお困りですか」
「うわっ」
俺は驚きいて変な声が出た。
ここには俺しかいないはずなのに、なんで声が……
「誰だ!?」
「僕はこの戦闘機の補助AI。
識別名、YAMER- 10型βタイプです
よろしくお願いします」
ホジョエーアイ……?
あ、補助AIか!
「思い出した。
俺たちの代から、戦闘機にはAIが乗ってるって言ってたな。
それがこれか」
「その通りです。
ではあなたのお名前をどうぞ」
「俺の名前はアレク・セイ。
よろしくな」
「こちらこそ」
俺とAIはお互いに自己紹介をする。
少し話しただけだが、とてもAIとは思えないほど受け答えがスムーズだ。
『実は人間が入ってます』と言われても信じてしまいそうなくらい。
子供の頃、そんなアニメがあったけど、俺の生きてるうちに見ることが出来るなんて……
科学の進歩ってスゲーな。
そうだ感傷に浸っている場合じゃない。
俺はこのAIに対して言わないといけないことがある。
「あのさ、言いたいことがあるんだけどいい?」
「なんでしょうか?」
「名前の事なんだけど、えっとYAMY……なんだっけ?」
「YAMER- 10型βタイプですか?」
「そうそれ!
それ、言い辛いからヤマトって呼んでいい?」
「……はい?」
「いや、悪いね。
俺、活舌悪くてさ。
あんまり長いとかんじゃうのよ」
考えているのだろうか、ヤマト(暫定)がしばらく沈黙する。
呼び方を変えるだけなのに、何をそんなに悩むのだろうか?
それとも、俺のカミングアウトに呆れているのか……
『呆れる』っていよいよ人間じゃねえか
「……わかりました。
僕の名前は、今より『ヤマト』です」
「助かるよ」
「噛んでパニックになられても困りますからね」
「気をつけます」
ヤマトが言外に『妥協してやったんだから噛むなよ』って言ってる気がする。
もし噛んだら説教されんのかな?
おお、怖え。
「アレク、僕からも一言良いでしょうか?」
「なんだ?」
「僕はアレクに謝らないといけないことがあります」
「え、何?
怖いんだけど」
まさか欠陥品とか言うんじゃないだろうな。
とうか変なとこあった?
全く分からないんだけど。
俺は大和の次の句を待つ。
「僕は、補助AIとしては不完全なのです」
「どういうこと?」
「もともと我々補助AIは、操縦者の手助けをするように設計されています。
刻一刻と変化する環境や敵の動きに対応するために、常に計算し続け、柔軟に適応し、パイロットの見えない部分をフォローする。
それが補助AIの役目。
ですが僕の場合、それが柔軟に対応できないと言うか。
少しの誤差も許せないと言うか……」
「つまり……
頭が固いってこと?」
「ありていに言えばそうですね」
「なるほどね」
ヤマトは、申し訳なさそうに謝って来る。
この歯切れの悪さ、本当に人間じゃないの?
それはともかく、AIにも個性があるって聞いたことあるけど、このヤマトは特別マジメな性格のようだ。
だけどマジメくんっていうのは俺にとってありがたい。
「じゃあ、ちょうどいいな」
「はあ!?」
「お。AIでも驚くことあんの?」
「人間を模しているので驚く『フリ』は出来ます」
「『フリ』ねえ」
こいつと話していると、本当に人間と話している錯覚に陥る。
科学の進歩ってすごい(二回目)
……人類に反旗を翻さないよね?
「話を戻します。
『ちょうどいい』とはどういった意味でしょうか?」
おお、ヤマトが追及してくる。
どことなく、怒っているような気がする。
馬鹿にされたと思ったのだろうか?
俺、かなりマジメに言ったんだけどなあ。
本当に反旗を翻されても困るので、ちゃんと説明しておこう
「俺さ、不完全っていうか、なんでも物事がテキトーなんだよ。
やることなす事中途半端で、勉強も集中できないからテスト悪くってな」
「よくここまで来れましたね」
「俺もそう思う。
でもさ、ちゃらんぽらんの俺と、あたまでっかちのヤマト。
足して割ったら『ちょうどいい』だろ?」
「適当過ぎませんか?」
「そうかもな。
でも俺の適当さを、ヤマトの固さで正してくれるんなら、俺としては助かる。
俺、人に言われないとなんも出来ないんだよ」
ヤマトが息をのむのが分かる。
それもそうだろう。
だって、自分の欠点だと思っていたことを長所だと言われたら、そりゃ困惑するわな。
「俺、相棒がお前でよかったよ」
「……そうですか」
「あれ、照れてる?」
「照れてません」
「ま、そういう事だよ。
半人前の俺と、完全じゃないお前、二人で一人前さ」
決まったな。
そう思ったのだけど、ヤマトが沈黙する。
セリフ、臭すぎたかな。
「アレクは……
本当に僕でいいのですか?
僕、不完全なAIですよ」
「俺バカだから、完全なAIと不完全なAIの違いが分からん。
だから問題ない。
文句あっか?」
「……アレクが良いなら、それでいいです」
ヤマトの答えにニヤリと笑う。
これでヤマトは俺の事を認めてくれただろう。
お互い命を預けるんだ。
ちゃんと納得しないとね
「よし、挨拶終わり。
そういう訳で補助AIとして仕事してくれ。
早速教えて欲しい事がある」
「なんでしょう?」
「この計器、なんの計器なの?」
「……」
「黙らないで」
「それ速度計ですよ。
基礎の基礎ですよ。
大丈夫なんですか?」
「大丈夫だって。
これから覚えるから」
「早まったかもしれないなあ」
これが俺とヤマトとの出会いだった。
正反対の俺たちだけど、不思議と上手くいく確信が俺にはあった。
だからどんな試練が待ち受けようとも、俺たちは超えることが出来るだろう
こうして、不完全な俺たちの物語が始まったのだった。
開けないLIVE、そんな俺のLIFE、下らないプライドに
ByeByebuy.
好きな人からのLINEはすぐ開けない。スマホがっついてる人と思われなくないのと、即レス苦手だから。まぁそのくせ向こうからの返信遅いとそわそわして不安になってすぐ返せよ!って思っちゃうんだけど笑
LINEよりも直接話したい派だから、たまにほんとに何も話すことない時あるんだよなぁ笑
《最期の言葉を聞けない》
(刀剣乱舞/岩融)
これは、とある閉鎖本丸の話である。
その本丸は全振りに個人用の端末を1台支給していた。
緊急事態や秘密裏に話したいことがあった場合に使うようにとの事だった。
ある日、岩融は単騎出陣を行なっていた。
そんな時に端末に通知が入った。
【本丸が襲撃されてる】
送り主は初期刀・蜂須賀虎徹だ。
岩融は慌てて帰還しようと転移装置を起動させる。
が、ピクリともしない。どうやら時間遡行軍の襲撃により転移が出来なくなったようだ。
そうしている間にも本丸には敵が押し寄せ、仲間と主の身が危険に晒されている。
そして暫くしてから、また通知が入った。
【後は頼んだよ】
それからの事は岩融自身、よく覚えていないらしい。
気付けば本丸に帰還し、誰一人として生きている気配がしなかった事。
持っている端末をあの日以来開けずにいる事。
そして、自分をどうか刀解して欲しいという申し立てがあったのが今日だ。
「あの日に蜂須賀より送られた言葉の後にも幾つか送られていたのは分かっていた。しかし開けずにいるのだ」
「開き、見てしまえば恐らく俺は正常な精神では居られぬ気がしてな」
あれから"開けない"(あけない)事を選んだのだ、と。
その話を聞いた政府の担当官は、彼の端末を開く許可を得て、メッセージを開いた。
そこには
【岩融だけでも生きて】
【自分を責めないでくれ】
【いつかまた会えたら、共に戦場を駆け抜けよう】
そして審神者からのメッセージが。
【岩融、またね】
担当官はそれらのメッセージを読み、岩融にこう告げた。
「是非とも仲間たちからの言葉を受け取って下さい」
既読をつけようか、つけまいか、つけたら返信しようか、それともスルーしてしまおうか。
こんな小さなことで悩んでいるなんて、と自分で惨めな気持ちになる。
もうさっさと終わらせて仕舞えば良い。
いずれ向き合わなければならないのだし、遅かれ早かれだ、と思った。
開けないLINE
見覚えのない真っ黒なアイコン
あなたの願いを叶えましょうと言う文字
そのLINEを開いたら最後、願い事の代償に
大きな対価を支払わなければならない
それでもあなたは、開きますか?
開けないLINE
一番最後は去年の夏。
「お誕生日おめでとうと」
夫と舅と私の三人でお義母さんの為に準備したケーキを囲んで写メを撮った。
その、写メをお義母さんのLINEに送りました。
既読は、いつまで持ってもつきません。
もう、お義母さんはLINEを開けないから。
その丁度半年前のお正月、実家の花壇の水撒き様のホースを直したお礼が来ていたね。
「じーちゃんに何度も頼んでいたのに、してくれなくて、兄ちゃんに何年越しやろかに直してもらいました有り難う」そう言って喜んでLINEをくれたお義母さんでした。
その、じーちゃんもお義母さんが大急ぎで逝ってしまってから、1年も待たずに、丁度お義母さんが余命宣告を受けた日から1年目の今年の春にお義母さんのところに逝きました。
お義父さんお義母さんあなた達の息子さん(お兄ちゃん)は、1年間の間に続けて二親を亡くして辛そうです。私よりもナイーブとは心得ていましたが、かなり、まいっています。
今、開けなくなったLINE。
アイコンがなくなったお義父さんお義母さんのLINEの名前を指で撫でながら、見守ってあげてくださいね、お願いしますと願っています。
去年のあなた達の、いえ、私が来た頃のままのあなた達の姿を想いながら。
録画音声メッセージからは、孫たちと楽しそうに話す明るい声が聞こえて来ます。
私も夫もあなた達が居なくなったなんて思えなくて、困るとお義母さんに頼んでみたらと相談してみたらと言ってしまう、しっかり者の義母(母)と、無口だけれど優しい義父(父)でした。
いつも、いつまでも、あなた達の前だけでは心配かけるお兄ちゃんでいさせてあげてください。
開けないLINEを見つめながら想っています。
令和6年9月1日
心幸
嫌だ見たくない。確定演出。
どうしうよ、手震えてる。心臓バクバク。
文化祭に勢いで言うんじゃなかった。
さむ。勢いで風邪ひきそう。
もういっそのこと引いてしまえバカ
ラインを開くには、勇気がいる
だって、好きな人から返信が来た時って緊張するじゃん
開くのが怖い
でも、開かないと何も始まらないんだ
開こう、開かなくちゃ
そう自分に言い聞かせて、震える指でボタンを押した
失敗した翌日
留守番の当日
そんな日はなかなか開けない職場の…
(開けない…じゃない、開けられないLINE…)
開けないLINE
既読をつけてしまったら
返事に困るから
『大事な話があるの』
君から送られてきたそれに
僕は既読をつけて
続きの文章は
まだ見られないまま
怯え続けた未来が
君の大事な話の続きなら と
スルーしたはずなのに
どちらを選んでも
未来は君がいないまま
わかっているのに
【開けないLINE】
あ あれスマホは?
い 捨てた。
あ え、LINEとか
い もういいや
あ 不便じゃないの?
い 分からないから
あ ?
い 結局会わないと、ね
『開けないLINE』
開けないLINE
今既読をつけてしまうと返信しないといけない。。
返信したところで他のメンバーに既読スルーされたらどうしよう、、。みんなに「無視されてる」って思われるじゃん。返信早って思われるだろうし、
わたくしの矮小なプライドが人差し指を凍らせる。
#開けないLINE
開けないLINE
開けないLINE、というのはつまり開きたくないということだろう。
話したくない相手からの、来てほしくない連絡、が開きたくないライン。
でもいつまでも開かずにはいられない。
この世に人間という物体として存在してるからには、同種のつくる社会に組み込まれてしまう。
集団の中で役割を果たさないと排除される。
開けないLINE
すぐ返信したら、重いかな?
必死って思われるかな?
恋人になっても、その習慣だけは抜けないね。
【赤いスミレ】
あたし、いつもLINEはすぐ見るの。
だって相手を待たせて
不快な気持ちにするのは嫌だもん。
だからいつも即レス。
もはや脅迫観念的な?
そんなある日、
道路で信号が変わるのを待ってたの。
ピコンっ。
って。
お母さんからのLINEが届いたの。
私はLINEをすぐ見た。
「見てください。お花が綺麗でした。」
写真が添えられてた。
正直どうでもいいと言っちゃえば、
どうでもいいLINE。
でも、そのお花が、
私の大好きなスミレだったの。
しかも、その中でも特に好きな、赤いスミレ。
あたしの名前と同じスミレ。
ふふっ、
と笑う。
LINEを返そうとした。
「きれいだね」って。
でも周りの人が進みだしたの。
だからスマホをしまいながら歩いた__
体に衝撃が走る。
悲鳴が響く。
周りには、血。血。血。
近くに私の血で染まったのか、もともとそうだったのわからない車。あたしも赤で染まる。
痛い、痛い痛いいたいいたいいたい痛い。
ピコンっ。
また通知が鳴る。
無意識に、割れたスマホを、取り出す。
でも、LINEを開けるほど、あたしは、
ちからがのこってなかった。
開けないLINE。
おかあさん。
そうボヤいて、あたしのいしきはなくなる。
【お題:開けないLINE 20240901】
「これ、『あけない』と『ひらけない』どっちだと思う?」
「うーん?」
スマホの画面を君に向ける。
食後のまったり時間、夕飯を食べてお腹いっぱいの今、君は少し眠そうだ。
ソファに深く腰掛け、抱き心地で購入を決めたクッションを抱きしめて、テレビを見ているようで見ていない。
今日の夕飯は青椒肉絲だった。
この時期、ピーマンは安価で手に入る。
ピーマンを切りつつ、お米の話題になり『大変だよね』と呟いた僕に君は無言で頷く。
青椒肉絲なら玉子スープもないといけないと、謎のこだわりを見せた君は玉ねぎと人参も冷蔵庫から取り出して処理し始め、あっという間にスープを作ってしまった。
僕はと言うと、やっとピーマンの細切りを半分終わらせたところで、そんな僕を見て君はクスクスと笑う。
仕方がないだろう、君は料理が得意だけど、僕は初心者なんだから。
それにこのピーマンの量、多すぎじゃないかな?
僕がそう言うと君は、冷凍する分とピクルスにする分も切ってもらってると、涼しい顔で言う。
いや、すげえ時間かかってるし大変なんだけどって愚痴ると、何事も経験、そして練習って言う。
まぁ、サボりたがりの僕には君のようにちょっと厳しい人の方が良いんだろうな、とか思った。
ピーマンを切った後は、君に教えられながら人生初の青椒肉絲作り。
油が跳ねて少し火傷したけど、いい感じに出来た。
まぁ、味付けは君がやったから当然なんだけどね。
君の実家から送って貰っているお米が丁度いいタイミングで炊けて、茶碗によそってテーブルに並べる。
君の作った玉子スープに青椒肉絲、作り置きの金平牛蒡ともやしのナムル⋯⋯、あれ、今日のメニューって細長い物ばかりじゃないか?
なんて事を話しながら、楽しく美味しい時間を過ごした。
「はだけない」
「うん?はだけない?」
半分眠ってる君がボソリと呟いた。
「そう、はだけない」
君が言っていることの意味がわからず、僕はスマホで検索する。
『はだけない』
すると、『開けない』と書いて『はだけない』とも読むらしい。
日本語って難しいな、とつくづく思う、でも。
「いや、『はだけないLINE』はさすがにおかしいだろ」
「うぅん⋯⋯」
あらら、君は片足どころか両足、いや首元くらいまでどっぷりと夢の世界にいるみたいですね。
「寝るの?寝るならベッドに運ぼうか?」
「ううん⋯⋯」
「うわっ、ちょっ⋯⋯」
寝ぼけた君が僕に抱きついてきて、そのままソファに押し倒された。
僕の胸元で規則正しい寝息を立てる君の髪を撫でる。
サラサラと指の隙間から落ちる感触が楽しくて、しばらく君の髪を弄ぶ。
こんな時間がこれから先も続きますように、そう願わずにはいられない。
「もう、どっちでもいいか」
『あけない』でも『ひらけない』でも。
そう言った矢先、スマホからメッセージの着信音が聞こえた。
「あ、ヤバ⋯⋯」
手を伸ばしてみたけど、スマホには到底届かず、かと言って動けば君を起こしてしまいそうで。
「⋯⋯⋯⋯うん、気が付かなかった事にしよう」
その後も何度か送られてくるメッセージの着信音を僕は聞かなかったことにする。
この時間にこの頻度で送られてくるメッセージはあの人からの厄介事だ。
これが『開けないLINE』か、と一人納得する。
『ひらけない』と『あけない』、どちらも正解となるのが日本語の面白いところだな。
僕は僕の腕の中ですぅすぅと寝ている君と一緒に、夢の世界へ旅立つことにした。
━━━━━━━━━
(´-ι_-`) で、実際はどっち?