開けないLINE
一番最後は去年の夏。
「お誕生日おめでとうと」
夫と舅と私の三人でお義母さんの為に準備したケーキを囲んで写メを撮った。
その、写メをお義母さんのLINEに送りました。
既読は、いつまで持ってもつきません。
もう、お義母さんはLINEを開けないから。
その丁度半年前のお正月、実家の花壇の水撒き様のホースを直したお礼が来ていたね。
「じーちゃんに何度も頼んでいたのに、してくれなくて、兄ちゃんに何年越しやろかに直してもらいました有り難う」そう言って喜んでLINEをくれたお義母さんでした。
その、じーちゃんもお義母さんが大急ぎで逝ってしまってから、1年も待たずに、丁度お義母さんが余命宣告を受けた日から1年目の今年の春にお義母さんのところに逝きました。
お義父さんお義母さんあなた達の息子さん(お兄ちゃん)は、1年間の間に続けて二親を亡くして辛そうです。私よりもナイーブとは心得ていましたが、かなり、まいっています。
今、開けなくなったLINE。
アイコンがなくなったお義父さんお義母さんのLINEの名前を指で撫でながら、見守ってあげてくださいね、お願いしますと願っています。
去年のあなた達の、いえ、私が来た頃のままのあなた達の姿を想いながら。
録画音声メッセージからは、孫たちと楽しそうに話す明るい声が聞こえて来ます。
私も夫もあなた達が居なくなったなんて思えなくて、困るとお義母さんに頼んでみたらと相談してみたらと言ってしまう、しっかり者の義母(母)と、無口だけれど優しい義父(父)でした。
いつも、いつまでも、あなた達の前だけでは心配かけるお兄ちゃんでいさせてあげてください。
開けないLINEを見つめながら想っています。
令和6年9月1日
心幸
9/1/2024, 12:59:03 PM