『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鐘の音
悠々と夜がやってきて、
私は踵の高い靴に履き替え
街灯の下で、踵を鳴らす
今朝、地面に落ちていたセミは、どこへいったのか
干からびた羽も、脚も、目玉も、残らず消えていた
街灯越しに見上げた空は薄雲が
昨日はあんなに煌々と満ちていた月も
今日は夜空に蝕まれて、歪
私の肺が押し潰されていく
鐘を鳴らされる
鐘の音で想像するのは、お寺の鐘の音
子供の頃は、夕方聞こえてくる鐘の音を家の中で聞いていた
大人になって、朝早く仕事に行き始めた時から、朝の鐘の音を聞くようになった
そのかわり、夕方の鐘の音をを聞く機会が無くなってしまった。
いつか、両方の鐘の音を聞ける日が来るだろうか?
『鐘の音』
鐘の音が聞こえる。
これは、なんだっけ…
昔、子供の頃に、聞いたことがある気がする…
なんだっけ…
誓ったとき?
祈るとき?
年の瀬?
いつ、聞いた。
どこで、聞いた。
なぜ、聞いた。
……これは 何の鐘の音だ
鐘の音
…って、以前もお題であったような?
違ったらすみません。
もし以前もお題としてあったなら
同じような事、書くと思います。
私の町内は
朝お寺の鐘の音がする。
朝の静かな時間
ゴォ~ン…ゴォ~ン
響いてくる音は
清々しく
ああ、朝が来た
と、眠いなんて言っていられなくなる。
起きよう!となる。
今日も今日という日、朝を無事にむかえられた
そんなふうに気づく。
これがスマホからのアラームだとそうはいかない。
朝だ!起きなきゃ!あーやだやだo(><;)(;><)o
慌ただしくなる。
出来れば一時間位鐘の音聞きながら朝活したい。
そんな事したら、鐘を鳴らして下さっている方が辛いね。
それにしてもこの鐘は何処で鳴らしているのか?
今を持っても解らない。
人に訊いても解らない。
しかも最近聞こえて来ない。
…だから、私の目覚めが悪いのかな?
今日も聞こえて来なかった。
それでも朝は来た。
お題
鐘の音
恋人の聖地と謳い
今日もどこかで仲つむまじい2人が
笑顔で鳴らす鐘の音
私は彼と
僕は彼女と
ずっと幸せで付き合い続けられることを願って
2人は手を重ねて鐘を鳴らす。
2人の願いが叶うように
鐘の音は遠くまで響くような
綺麗な音でエールを送った。
─────『鐘の音』
寺町の朝は早い。
朝5時に寺の鐘が鳴るからだ。
この鐘の音をうるさいと思う方も、もしかしたら居るのかもしれないが、私は逆で感謝している。
自分、ねぼすけなんで。
スマホのアラームつけ忘れても鐘の音が起こしてくれるんで。
犬の散歩、仕事の前に余裕もって行けるんで。
しかも叩き起すような耳に痛い音じゃなくて、
優しい、それでいて厳かな、
ゴーン、ゴーン。
またこの音を鐘撞きと呼ばれる人の手で鳴らしてるのが素晴らしいじゃないか。
その人も早起きしてるってことじゃん。
鐘を朝5時ぴったりに撞くために。
雨だろうと雪だろうと天候関係なく。
感謝しかないよね、
毎朝ありがとう。
【鐘の音】#35
鈴の音を聴くと、僕は未来を浮かべる。
君との生活を
君との子供の鳴き声を
君の手料理を
でもこの鐘は正月の除夜の鐘。
今年もまた、君に会えなかった。
お題:鐘の音
私の村は年に一度、教会の鐘が鳴る。
それは、村の守り神が舞い降りてくる日だ。
守り神って言っても、私と同い年の20歳の男性で、
普段は他の守り神の人と住んでるらしい。
その守り神は自分勝手でマイペースだから、
毎年、来る日付は違うし、突然鐘が鳴ることだってある。
それに、みんなから好かれる守り神は、私の恋人でもある。
年に一度しか会えない、彦星と織姫みたいな関係だ。
私は今日も、鐘の音が鳴る教会で守り神を待っている。
一つ響いて 足を止め
二つ響いて 肩落とし
三つ響いて 頬濡し
四つ響いて 天仰ぎ
五つ響いて 涙枯れ
六つ響いて 先見つめ
七つ響いて 歩き出す
―「鐘の音」―
そういうものだと思ってるから
浄化される心地がする。
一定の時刻になれば鳴るから
帰らなきゃという気持ちになる。
誰か来たとわかるから
玄関先まで行かなきゃならない。
恋が実なら
鳴らさないわけにはいかない。
音はもはや宗教みたい。
聴いて当たり前。
それに意味が伴って当たり前。
それを信じて当たり前。
人の意見じゃない
無機質からの洗脳。
–鐘の音–
鐘は 高台からみえる山々を気にしてる
時間に縛られている人々よりも
沈む夕日に祈りを捧げる
声と音
鐘の音
私の内なる平和へ
落ち着かせる為に
静かに鐘が鳴る
どんな感情を
もたらすのか
うまく表現
出来ないけど
幸せに永遠に
抱き締めていたい
そう思える
怖さを見通して
喜びに手を広げる
そんな素直に
笑えることが
自然に出来る
そんな普通を
願いながら
はやる気持ちを
押さえ込んでいる
心の深淵へと
落ち着かせるように
そっと響く鐘の音
鳴り終わるまでは
瞼は開けない
鐘の音
除夜の鐘。都会の街に聞こえてくる鐘の音。
年末年始、街から人々がいなくなったあの頃。そのせいか、鐘の音も響いていたように思います。
ひっそりした都会。今ではもう、暮れも騒々しい街になりました。
夕焼け空に鐘の音か鳴り響く。
烏が飛び立つ。
空が黒く染まる。
私が消える。
跡形もなく。
鐘の音が始まりの合図です、さあお逃げなさい。
私と貴方で鬼ごっこですよ。
鐘が鳴るまで遠くにお逃げなさい。
朝が来るまで逃げ切れたら貴方の勝ちです。
朝が来るまで逃げ切れなかったら私の勝ちです。
森を駆ける。転ばないように、息が苦しくても走り続ける。
ああ鐘が鳴ってしまった。
もっと遠くに、見つからない場所へ。
捕まれば殺される。
どんなに逃げても無駄ですよ。
貴方の匂いを辿ればすぐに見つけられる。
貴方が抗う姿は美しい。
さあ見つけましたよ。
捕まえた。
#鐘の音
サーフィン
ノスタルジックな振動が
終わりの波を届ける
波が消え凪となった時
僕は
過去から未来へ拡がる波紋を想像し
今ある孤独を愛する
※鐘の音
鐘の音
淀んで渦を巻く複雑な想いが
鐘の音の波紋で正されていく
一定の間隔で広がるそれは
心地よくワタシに染み渡る
鐘の音
鞄に忍ばせた銀色の輪っか。
それがきちんと納められているかを確認して、深く息を吸い込んだ。俺は今日、一世一代の大勝負に挑む。
一目惚れしてから交際に至るまで二年、付き合って三年。色んなことがこれまであったが、概ね円満に過ごせてきた筈だ。このまま穏やかな生活を続けるのも悪くないが、そろそろ次の段階へと進むべきだと考えたのだ。
勝算は大いにある、はず。
何度もシュミレーションを繰り返した。めちゃくちゃいい雰囲気を作って、タイミングを見計らって指輪を差し出す。決め台詞はもう決めてある。それをビシっとかっこよく、スマートに告げたら彼女は笑って受け取る。そうしたら愛しさを込めて抱きしめるのだ。我ながら完璧なプラン。惚れ惚れしてしまうような光景に、上がった口角を慌てて引き締めた。
危ない危ない、彼女にはクールなかっこいい彼氏だと思われていたいのだ。
「おまたせ〜」
待ち合わせの五分前。いつもよりおめかしした姿の彼女がちょこちょこと駆け寄る。淡い赤色のワンピースがひらめく。最高に可愛い。彼女お気に入りのしっぽのアクセサリーは今日は鞄につけられ、彼女の歩みに合わせてゆらゆら揺れていた。いつもと違うなかにいつも通りのそれをみつめてから、改めて彼女に向き合った。
事前に計画したデートプランは無事完遂。あとは折を見て指輪を渡すだけだ。不自然にならないように、会話の流れが向くのを虎視眈々と待つ。
不意に会話がとまり、彼女と目が合った。
今だ。俺は何度も脳内で練習した言葉を、彼女の目を見てしかと口に出すと共に指輪の入った箱を掲げた。
...全てを言い切っても彼女は目を見開き、幾度か瞬きをするばかりで互いに無言の空間がしばし続く。どもってしまったかもしれない、断られたらどうしよう、嫌な想像がぐるぐる巡ったが、それでも意地で目線は彼女から外さなかった。
引き伸ばされたように感じた沈黙の中で見つめ合うと、彼女はふっと花開くように破顔した。と、同時に肯定する言葉。
勝ったな。
瞬間、脳内に鳴り響くファンファーレ。
ウェディングドレス姿の彼女を抱き上げ、バージンロードを駆け抜ける光景が頭をよぎった。そして思い付く限りのこれ以上ないほどの幸福な二人のこれからの光景がひと通り脳内を駆け巡っていく。
万感の想いが胸に詰まって、いても立ってもいられなくなった。今ならなんだって出来る気がする。彼女を世界で一番幸せにして、どんな困難も二人なら何とかなりそうな甘い予感に思考がゆだりそうだった。
「しゅき...」
俺、幸せになります!!
ーーーーーーーー
推しカプよ、幸せであれ。
~鈴の音~
そういえば、この神社には恋の鈴があるらしい。
付き合っているものが本当に愛し合っていたらそこに現れるという。
でも私達にはまだ出てきていない。
他の人にはすぐ出てきたって言っていた
そのうち来るだろうと思っていたけど、最近彼の様子がおかしい。
帰りも遅い割に付き合った当時と違ってとても冷たい。
もしかしてとは思うけどさ
浮気?
ダカラ見えないの?
「また明日、鐘が鳴ったら逢いにくるね。」
それが最後になることになるなんて、思いもしなかった。
地球沸騰時代に突入したとどっかの国の大統領に言わせしめた2023年今夏。灼熱の中、蝉の阿鼻叫喚が耳をつんざく。
「あーーーーーうるさいっ」
彼らを叱咤して黙った試しがないが。
のどかな田舎の夏だなんてメディアが作り上げた勝手な偶像。暇、暇、暇。
田舎はなんにもない。人もいない。人がいないから何も起こらない。青春もときめきも全部が都会のものだ。物理的に確率が都会と比較して4分の1以下である(自分調べ)
しかし蝉の方がまだ立派かもしれない。積極的に、本能的に、かつ効率的に生命活動をしているのだから。
「ぬるいな」ネックリングを雑に外し冷凍庫にぶち込んだ。
次に大容量のステンレスマグに氷をぶちこみ、麦茶を大量投入。今どき珍しい昭和感のある台所で一息つきながら、イヤホンで懐メロを聴いた。
僕には行動を起こす気力が1ミリも起こらない。4年前のあの出来事以来―――