『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鐘の音
ずっと片思いをしている彼に、私は言う。
喜んで。
私はつきあってあげた、罰ゲームだと知っていたから。
哀れんでついやってしまった。
適当に理由付けて分かれよう。
そう思い続けて何年たっただろうか、私は今。
鐘の音と白のベールに身を包まれて、あのときの彼と永遠の誓いを誓う。
もし札幌の時計台の鐘の音がここまで聞こえたら今度の休みに行ってみよう。いま沖縄だけど。とかホテルで考えてたらテレビの特集でちょうどやってやんの。笑うわ。
やだな、北海道
なんかいっつも曇っててカラッカラの青空なんて知ら無さそう
船で鹿児島まで行って、そこからバスで…3日位かかんのかな
まっいっか、私の夏休みはまだまだ続くんだし
がんばって受験を乗りきって、氷河期とか言われた時代に結構な大手に就職して、セルフブラック決め込んで成功して、まーまー良い旦那もらって、子供も全員巣立たせて
だから久しぶりの夏休み
終わらない夏休み
さて、ぼちぼち旦那を起こして北へ向かうバスでも一緒に探そうか。
鐘の音
教会の鐘が鳴り響く――
白い鳩たちが一斉に飛び立った。空遠く、彼方へと。
木の下で座っている黒髪の青年が一人。教会の扉をじーっと見つめていた。
しばらくすると扉が開き、銀髪の少年が出てきた。疲れた表情をしている。
「やっと出てきた、おかえりエリオ」
へにゃと笑って、銀髪の少年――エリオに近づく黒髪の青年。
すると、一気に怒った表情になったエリオ。そして、黒髪の青年を拳で殴り飛ばす。
見事、宙に舞う黒髪の青年。そのまま地面へ。
「おかえり、じゃないですよ。あんな依頼だなんて、聞いてないです。死にかけましたっ、ギルさんのせいで」
「うん、俺も聞いてないよー」
ハハハッと笑う黒髪の青年――ギル。
彼らは今まで、狼の討伐依頼を受けて、森奥深く進んでいたところ、狼ではなく、巨大なトロールが生息していた。
そして、そのままボコボコにされてしまい、なんとか近くの教会まで戻ってきたのだ。
「生息地が変わったのかなぁー」
「絶対、ギルさんが道を間違えたんだ」
「えぇー、そんなわけないって」
頬をぽりぽりと掻いて苦笑いをするギル。
「途中から道が険しくなっていったじゃないですか」
「そんな道もあるよねぇー」
「あるよねぇー、じゃないですよ」
少し背伸びして、ギルの右の頬をつねったエリオ。
怒りに満ちているので、更に強くつねる。
「いひゃい、いひゃい。いひゃいよ、エリオ」
「だから、ポンコツって舐められるんですよ、他のパーティーに‼︎」
つねっていた頬を離し、ギルをキッと睨む。
「えぇー、俺は気にしてないよ、別に」
「気にしてください、だって、あなたは元勇者パーティーにい――」
教会の鐘がまた鳴り響く。風が強く吹き、二人の間を通った。
「俺はエリオがいてくれれば、わかってくれていれば、それだけでいいから」
寂しい表情を浮かべたギルは、エリオの頭を優しく撫でる。
その言葉を聞いて、口をもごもごと動かすが、静かになったエリオ。
しばらく無言の二人。鳥たちが今度は話しだす。ぴちぴち言いながら。
「さぁーてと、行こっか、エリオ」
ギルは両手を組んで上へ伸びる。そして、歩き始めた。
「ちょっ、どこに行くんですか、待ってください」
慌てて後を追うエリオ。教会の鐘が二人の無事を祈るように鳴った――
5日目 お題鐘の音
純白の衣装を纏った僕らを鐘の音が祝福をする。これからは家族になる。僕は、そこまで高収入でもないし器用でもない。それでも君を絶対に幸せにする。例えどんな事に陥っても僕は君を愛し続けるよ。
鐘の音
鐘が華やかに鳴る。
たくさんの花で飾られた教会には、新郎新婦を祝う人たちでいっぱい。地元から離れているのにこんなに人が集まるなんて…。貴女の人を引き付ける魅力は、全く変わっていないのね。安心するような…、妬ましいような。
それでも私は、笑顔でおめでとうって言わなくちゃね。
貴女の、一番の親友として。
この日のためのワンピースの裾を、ぎゅっと握る。
この後の披露宴で、好きな人の友人代表スピーチ、任されちゃったから…。
ミニ小説(5) 「鐘の音」
ゴーン
ゴーン
私は高校三年生のまりなです。鐘の音は、あまり聞いたことがありません。そんなもの興味無いし、聞く必要もないかなと思っていたからです。
そんなある日、家族旅行に行くことになって、途中でお寺にもよるとのことでした。
「お父さん、お寺に行くぶん他のところで遊ぶ時間に回そう」と言いましたが、お父さんは、「だめだ」と言って、回してくれませんでした。
結局、お寺に行きました。
鐘の音を聞いて、なんか新しく学ぶこともありました。
メッセージ
5回目迎えましたー!
ありがとうございます
カーン、カーン。
分針が0を指すと、時計塔から鐘の音がする。嗚呼、もう帰る時間なんだ。長いようで時間はあっという間に過ぎるよな。楽しい1日が終わるって、嫌だな。もっと続いて欲しかった。でも、仕方ないよ。きっと。じゃあね、また会える日まで。
「鐘の音」
高校生のわたしはまっさきに学校の鐘の音を思い浮かべました。
成長するにつれてどんどん忙しくなって、時間の流れもはやくなっていくように感じるんですが、授業中の時間の流れ方だけは変わらない気がします。
一番、長く感じる55分です。
鐘の音が待ち遠しいのが今はなぜだか誇らしい。
鐘の音を聞くと思い出すのは
足を教室まで向かわせることが出来なかったあの日のこと。
朝、チャイムが鳴る直前。
行かなければならないと自分を鼓舞する思いと、教室に入ってからの苦労を想像して無気力になる思い。
気持ちが勝てなくて、保健室へと自然と足が向かう。
「学校までは来れたけど教室まで行けそうになくて。」
甘えた理由も非難せずひとまず受けいけてくれる優しい保健室の先生。
そして「まだ戻れるぞ」と心で囁く悪魔。いや、天使?
葛藤を繰り返すうちに始業の鐘が鳴って
罪悪感と安堵が同時に心を襲う。
でも、「もう葛藤しなくていいんだ。今日は仕方ないんだ。」と言い聞かせることが出来た。
そんな緊張と不安と不気味な安堵が入り混じる、ぐちゃぐちゃなあの日が今も頭の奥に残っている。
街の1番高い塔に鐘があって
時間になると『鐘の音』が
街中にひっそりと響き渡るような
海外の街に住んでみたい
実際に住んでみると
慣れるまでビックリするかもしれないが
慣れる事が出来れば
親しみを覚えるに違いない
順応性には多少自信がある
幼少期
洋風な街でくらす主人公の漫画を読んだ事がある
子供ながらにとてもその世界が眩しく見え
どうしようもなく憧れた
住む住まないどちらになってもいい
一度きりの人生だからこそ
そんな風景に足を踏み入れてみたい
【鐘の音】
もうすぐ0:00の鐘がなる。魔法が解けてしまう前に、急いで家に帰らないと。引き止める彼を振りほどき、お城の外へ向かう。ガラスの靴が脱げてしまったが、戻る時間はなかった。
女の子なら憧れるであろうストーリー。魔法できれいなドレスを着て、王子様と出会い、ガラスの靴をもって王子様が迎えに来てくれる。
現実にはそんな話があるわけもなく、王子様が迎えに来てくれるどころか、王子様に出会うチャンスに巡りあえない。鏡に映る姿は、ぼさぼさの髪にジャージ姿。すっぴんにメガネ。こんな姿では王子様に出会えても、選ばれるはずがない。
今日はちゃんと時間をかけてメイクしよう。新しく買ったYSLのリップ塗って、お気に入りの服を着て。眠ったままのヒール履いて、仕上げはお気に入りのDiorの香水を足首へ。それだけで少し自信がつく。まるで魔法がかかったかのように。
王子様に選ばれるかはわからないが、さっきの自信なさ気な姿よりは、今の姿のほうが自分でも好きかもしれない。
外へでかけよう。魔法が解けてしまう前に。
カラーン、カラーン、カラーン…
鐘の街『ホロウベル』に鐘の音が響いた。
黄昏時にだけ鳴るそれを合図に、人々は店を閉め、明日の約束をし、そうして帰路に着いていく。
この街で夜も灯りが灯るのは酒場と宿屋くらいなのだ。それも他の街に比べたら早くに消えてしまうけれど。
街の近くで魔物を狩っていた男もまた、遠くに響く鐘の音に解体の手を止める。
「ああ、早く帰らねば。夜が来てしまう」
ホロウベルの夜は人の時間にあらず。
人で在りたくば夜道を厭い、日が沈む前に帰りなさい。
それは街に住む者なら赤子の時分から聞く戒めだ。
男もまた幼い頃から両親祖父母から口酸っぱく言われ、律儀に夜を嫌う街の模範である。
…否、そうなったのは最近の話。
少し前まではそんな迷信クソくらえと反抗していた。
きっかけは二月ほど前。彼の幼馴染みにして親友が若くして病死した日に遡る。
ショックで憔悴していた男は、周りの注意をはね除けて夜まで狩りに勤しんでいた。体を動かしていないと窶れた親友の顔が浮かび、耐えきれなかったのだ。
そうしてカラーンと一つだけ鳴った鐘の音を無視して魔物を倒し続けた末に、男は明かりの消えた街を疲労で重い体を引きずって歩いていた。
その時。
「…ぁ…あ……ぁ」
「ん?何だ?」
風に紛れて聞こえた声に、男は注意深く辺りを見渡す。
人の事はいえないが、この街で夜出歩くなどまともな人間ではない。
他所の流れ者か気狂いか。
腰の剣に手を添えた男はしかし、予想とは違う答えを知ることとなる。
「あぁあぁぁぁぁぁ」
「な!?お前…!?」
「あぁぁあぁは、はははは!あぃぼウ!ァいぼぅ!!!」
目の前に飛び出してきた声の主は、死んだ親友だった。端から崩れていくような掠れた声に、透けた体。生気のない顔に今まで浮かべたことのない醜悪な笑みを張り付けて、"ソレ"は腕を広げる。
「む、むむかぇえぇ!!いぃぃぃいし、ししょニににひひひははははは!!」
「や、やめろ!来るな!来るな!!!」
それは本能的な恐怖。
捕まったら"同じ"にされるという危機感。
男は分かってしまった。親友が…魔物になってしまったのだと。
「あぁあぁぁぁぁぁははははハははは!」
「クソ!嫌だ!!嫌だ嫌だ嫌だ!!」
「いっししシしょに!またあぁそブぶぶぶ!ずずずっト!!!」
「助けて!誰か!誰か助け…っ!!」
あぁ、もうダメだ。男がそう目を閉じた瞬間。
「ぃぎゃあぁぁぁぁぁ!!!」
悲鳴が耳を貫き、目蓋を光が焼いた。
何が?と恐る恐る目を開けた男が見たのは…
「朝、日…」
…
カラーン、カラーン…
鐘の街『ホロウベル』では鐘が鳴る。
黄昏時に鳴るそれは、その日に死んだ者の数を…増えた仲間の数を歓迎する為の、霊魔(レイス)が鳴らす鐘の音だ。
人で在りたくば夜道を厭い、日が沈む前に帰りなさい。
その地下にいつのものか分からぬ巨大な地下墓地(カタコンベ)を有する呪われた街は、今日もその戒めを子供達に説くのである。
鐘の音
鐘の音がなる。
おねむさんな誰かが目を覚ます。
鐘の音がなる。
きっと誰かが祈りを捧げてる。
だけど今は聞こえないよね。鐘の音なんて。
私はいつも思う。あの音をもう一度聞きたいって。
いつも願ってる。あの音をもう一度聞かせてくれって。
だけど、私はおっきな鐘を買うお金も、それを置く場所も今は一つもない。
「あの世にまだいたら、私は聞けてたのかな」
鐘の音と聞いて思い出せるのは除夜の鐘くらいだが、初詣は近所のお宮なので正直、除夜の鐘は聞かない。
他の鐘だとヒーリングボール?シンギングボール?をYouTubeで聴いたりする。あれは鐘か?
文章を考えたりする時は、メロディーのある音よりもああいう音を聞いてる方が集中できる。
元々集中力がない方だ。まず取りかかるまでに時間がかかり、さてやるかな、と思って進めても、周りの音だとかですぐ途切れる。幼稚園児か。
ドラマとかアニメはがっつり観ちゃうし、音楽もだめ。ピアノ伴奏だけとかでもだめ。
たぶん頭の中に情報が入ってくると、その間出力機能がオフになるのだと思う。逆に文字書くことだけに集中してると、他のことは全然聞いてないというか、聞けない。全くもって余裕なし!
所謂シングルタスクだ。会社でも喋りながら仕事ができないタイプである。笑えない。
でも生活していると無音なことってあんまりないし、かつ面倒な性格なもので、逆に無音も落ち着かない。
そういう時はああいうヒーリングミュージックとか、自然音楽とかをイヤホンで聴いてると、私はやってることが捗る気がする。
なんかよく開運ミュージックとかであるから、本当に開運なってるかはわからないけど、一石二鳥できてる気がする。かしこい。
5時になると、近くのお寺の鐘が鳴る。それが私の1日の終わりの合図
鎮魂の音が響く。
祈りは何も変えられない。
変化は行動だけが起こすものだから。
それでも鐘は響く。人は祈る。
78年後の今も、届け、届け、と。
変わらないことでしか、変えられないことがある。
【鐘の音】
大好きでしょうがなくて、
いるはずもないけど探してしまう。
君は今どこで誰といるのだろう。
現実を直視したくなくて目をそらすけど
現実味のない妄想じゃ満たされないこの心は
あなたでしか埋めることはできないのだろう。
クリスマスの鐘が鳴り響き、静かに雪が降ってゆく。
お題〈鐘の音〉
鐘の音
鐘の音と言えば除夜の鐘
結婚式で流れる鐘の音
色々あるよね
鐘の音
ーカラーン、コローン
教会の前をたまたま通りかかったそのとき、結婚式をしていて、ウェディングベルが鳴り響いていた。
教会から出てきた新郎新婦のとても幸せそうな顔を見て、少しうらやましくなった。
私にはそんな相手がいないし、ただいま片思い中の人がいるだけだから。
「あーぁ、早く私にも素敵な人ができないかなぁ」
「・・・その役、僕がやってもいい?」
ーーー!?
独り言にまさかの返事!というか返事をしたのは、私の片思い中の人!?
「やっ!えっと・・・前からずっとあなたのことが好きだったから・・・つい勢いに任せてこのタイミングで言っちゃって!!」
ーカラーン、コローン
突然のことにまだ理解が追いつかない私を祝福するかのように、教会の鐘が鳴り響いた。
音がした。
綺麗な音とそうじゃない音と。
この世界は音で溢れている。
人や動物などの生き物の音。
雨や風の気候の音。
扇風機やゲームの音など機械的な音。
思い出の鐘の音。
沢山の音が溢れている。
けど、僕には音が聞こえない。
もう一度聞きたかったあの鐘の音は
僕の耳には届かない。
思い出として記憶として、
僕の心の中にはあの鐘の音が残っている。