『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
澄んだ音。
祝福。
ウエディング。
何となく想像するのは、素敵なことばかり。
どちらでもあるんだろうけれど、”鐘の音”が綺麗だと思えるうちは、大丈夫かもしれない。
ーーーあ、そう言えばとあるゲームの素敵なアイテムだったな。
鐘の音
あの教会の鐘の音。
いつもこれを聞いて過ごす。
違和感は無いはず……だったのに。
どうして、
どうして、
どうして……みんなには聞こえてないの……?!
どうして……
今日のお題
╭━━━━━━━━━━━━━━╮
鐘の音
╰━v━━━━━━━━━━━━╯
『鐘の音』
今年も除夜の鐘が鳴っている。多摩川にかかる橋の下に冬の寒さに震えながら、ホームレス仲間のおじさん達といつもよりちょっといいご飯を食べると91回目の鐘が鳴る。明日生きるための求人情報を見る。
その時、近くの草むらから火の手が上がる。後ろを見ると高校生らしき人影が笑いながら去っていくのが見えた。だとしても私に通報する手段も逃げる手段も残されていない。
近くの神社から108回目の鐘が鳴らされた。
鐘の音
「あっ!薫人さん!なんかおっきいのがありますよ!あれ鐘ですよね!」
「鐘だね。鳴らしてみる?」
「えっ!ヰノでも鳴らせるんですか!?うう……背低くて届きそうにないですけど……」
「はい。届くかな?」
「わえっ!?!?あ、あのゆき、ゆきとさん、これって……!?」
「鳴らさなくていいの?」
「な、鳴らします……」
カラーン…………
「あう……下ろしても大丈夫ですよ……?」
「すごく軽いから大丈夫だよ」
「そ、そうですか……?じゃあこのまま……」
「ところで、ヰノちゃん今何歳?」
「いっ、今ですか?今は17です!」
「そっか。……あと1年だね」
「なにがですか?」
「結婚」
「はわわわわわ……………………」
「わあ、コラコラ……暴れちゃ危ないよ」
鐘の音が鳴る。
その下には、新しい誕生を喜ぶかのように。
人組の夫婦が、まだ生まれて間もない赤子を抱いている。
我が子に明るい未来を望む為ここにいる。
優しい顔で寄り添い合い、赤子はすやすやと寝息を立てている。
鐘の音がなる。
祝福するように。
その下には、愛を誓った二人の人がいる。
一生を添い遂げるためにここにいる。
笑顔が溢れ、これ以上の幸せはないのだと告げているようだ。
鐘の音が鳴る。
涙を流すかのように。
その下には涙くれ、明日の希望を無くした人がいる。
亡くなった人を偲ぶためここにいる。
いつ頃からいるのか。瞼を腫らしながらも、それでも溢れる涙は枯れない。
鐘の音がなる。
まるで、別れを惜しむかのように。
その下は、黒で染まっている。
多くの人が集まり、去っていった一人にお別れを告げる為ここにいる。
涙を流すもの、お別れを惜しむもの。また涙の流し方さえ忘れてしまったものまでいる。
鐘の音は、私たちを見守っている。私たちが生まれてからこれまで。そして、いつかくるお別れの時までを。
優しく、まるで子を思う母のように、見守ってくれている。
鐘の音
走る
等間隔に鳴らされる音に
突き動かされるように、走る
荘厳な音が響く
頭が酷く痛い
鼓動は早く、息は苦しい
だけど、足を止めるわけにはいかない
この鐘の音が鳴り止んだ時
私は、大切な人を永遠に失ってしまう
眼の前は溢れる涙で何も見えなくて
ただただ、
聞こえる鐘の音だけを頼りに
私は走り続ける
11日目
私は鐘の音が嫌い。
いつも決まった時間に鳴り響く鐘。
家に帰れと急かす鐘の音が私は嫌いだ。
家に帰っても1人。どこに行っても1人の私。
鐘が鳴って家に帰っても虚しくなるだけだとわかっている。
でも、今は違う。鐘の音がなるのが待ち遠しい。
今では、私の家で、待ってくれてる人がいる。
私の帰りを笑顔で待ってくれてる人がいる。
だから、虚しい、なんて思わなくなった。
大切な人がいる家に帰るのが今ではとても楽しいのだ。
私は鐘の音が大好きになった。
フラれた私の第2ラウンドが始まります
戦いの鐘が鳴る──
一回じゃ懲りない
だってまだ彼は私の事を認識しただけだもの
二回じゃ懲りない
だってまだ彼は私の顔を覚えただけじゃない
三回、四回と彼の色んな表情を知り
五回、六回と彼は私を知っていく
もう何ラウンド目の鐘?
分からない
でも、もういいの
私と彼は晴れて恋人同士なのだから──
(2023.08.05/鐘の音)
いつまでもいつまでも
一緒にいられる
少女だった私
少年だったあなた
恋人達の聖地
恋人の鐘
みんなで願いごとをした
初詣の除夜の鐘
いつまでも いつまでも
ずっと続くと思っていた
少女だった私
子どもの頃の永遠は
永遠ではなかったけど
あの頃の思い出は
今でも色鮮やか
耳が記憶している
鐘の音が
切ない心を思い出させる
(そのとき、石室の中からかすかに鐘の音)
「聞こえた?!またさっきの鐘の音だよ!」
「うん…。」(不安そうに後ずさる)
「きっとこの鐘の音に、何かヒントがあるんだよ!俺行ってみるよ。」
(スマホのライトをつけて、暗がりのほうに一歩進む)
「待って!私も行く!」
(男に取りすがる)
【鐘の音】
今日もどこかで鐘の音が鳴る。
時刻を知らせる鐘の音。
健康を願う鐘の音。
恋愛を祈る鐘の音。
結婚式の幸せを知らせる鐘の音。
年を越す鐘の音。
そして、平和を願う鐘の音。
明日もまた平和でありますように。
■テーマ:鐘の音
鐘の音が響く。
あの日の思い出は今でも思い出せる。
今はもう楽しさも分からないけど。
それでも、もう戻らないあの日に
戻りたいと願ってしまう。
鐘の音が聴こえる。
処刑の時間を知らせるものだ。
オレの罪は、なんだったっけ? 嘘つき以外の何かだろうけど。
ああ、そうか。おまえの全てを食らい尽くそうとしたことが罪なんだった。
処刑台に引っ立てられ、処刑人が、大きな斧を振り被る。
厄介者がいなくなるというのに、ここから見える景色の中のおまえが泣いていて、疑問に思った。
『鐘の音』
神の意志か
それとも大臣の決定か
罰か
それとも誰かの都合か
足音か
それとも鐘の音か
断末魔
それとも誰かの喜びか
#note15より
教会の鐘の音が鳴り響く
ただ1人の人間が
神に祈ると優しく命を落とせるようだ
「鐘の音」
鐘の音
鐘の音。鐘の音。鐘の音。ばかり。
早くそれよりも、責任とれよ。
今までし続けてした事。隠してきたこと。
言ったでしょ?
一生許さないと。
塾の授業初めの音、それはあなたとの2人きりの時間のお告げ
ねえ先生
もし私が好きって言ったら、、
、どんな顔してどんな話聞かせてくれるの?
、先生がいるから私のいちごショート理論は成立して先生の声がホワイトノイズなんだ、
だから他の子にその顔しないでよ、、、
鐘の音
ゴーンでも、カランカランでも夏を感じるいい音。
【鐘の音】 短編②
広場の鐘の音が12時を告げた時、
僕は嬉しくて、悲しくて、
一人でベンチにうずくまっていた。
だって、大切な人が、僕だけの憧れの人が、手の届かない遠くに行ってしまうんだもの。
優しくて、向日葵みたいな笑顔が大好きだった。
「–––––––!!こんなところにいたのね。見つけた。」
そう言って走り寄ってきた彼女は、雲を集めたような、真っ白なワンピースが良く似合っていた。
隣に並んで座った彼女に身を寄せる。
「どうしたの?」
そう微笑む彼女は本当に綺麗になった。
最初に会った時から、素敵だったけど。
でもこれからあの人の隣で、もっともっと綺麗になっていくんだろう。
「二人の結婚式の鐘が鳴る日は、晴れるといいなって。」
嬉しそうにする彼女に。まだ幼い僕から、感謝と少しの後悔を込めて。
今、幸せですか –––––––––
広島
祈りの鐘
喜寿を迎えた
翳りゆく日の本で
平和への巡礼は続く
巡礼者よ
汝に光あれ