『鏡』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
真実を見るのはやさしくはない
驚き
打ち消し
もう一度 衝撃を受ける
だから少しずつ
真実に慣れよう
試着室の鏡
ちょっと素敵なワンピース
正面の大きな鏡と
左後ろの細長い鏡が
合わせ鏡になっていて
女の全身を映し出す
素敵なワンピースは
真っ直ぐな背骨が支えていた
誰も見ていなくても
女の姿勢は正される
『 鏡 』
鏡よ鏡
世界で一番
「 あの人のことを愛していたのはだぁれ? 」
それは
「 君以外の人だ 」
鏡
それはあなたです
そしてあなたはわたしでもあります
光は影の中に 影は光の中に編み込まれていて
お互いを見つめ合うことで上昇できるのです
そのメロディはどこにでも流れていて
耳を澄ませば見えてくるでしょう
次の行き先はきっとあなたが教えてくれる
だから聞き逃さないよう 見逃さぬよう
今を見つめるのです
『鏡』
鏡で見る自分と、写真で見る自分は違う。鏡の向こうにいる自分の方が、なんだかしっくり来る。写真だと、本当に写りが悪いなと感じる。他の人を写真に映しても、普段見ている姿と変わらないのに。自分だけ異常に阿呆らしい顔をしている。なんだか恥ずかしい。
人が鏡を見ている時、人は本当に『私』を見ているのだろうか。ふとした時に思う。鏡に映る自分の瞳を見ると、その中には鏡に映った自分がいて、その瞳に映っている私を反射して、それを何度も繰り返して、結局、本当の私は豆粒のようになってしまっているように思う。やっと写真に映せた私を見ても、これは私じゃない、と思ってしまう。だから、なんだか寂しくなる。私が一番『私』を見ていない。自分を可愛く見せようと必死の形相で鏡の前に立っているあの人も、見ているのは本物じゃない。他人しか本物を見られない。写真でさえも、映すのはレンズを通した私だけ。それですら『本物』ではないのだ。
私が自分自身を見られないとしたら、私は『私』を見失う。そうに違いない。私が『私』でいようとする時に、自身の姿を見られなければ、そもそも『私』って何なんだ、となってしまう。
唯一、自分を見る方法がある。それは、他人を頼ることだ。他人は、瞳を通して『私』を見る。鏡を通して見ることはない。最近はネットの発達で、人に会わなくても人を頼ることができる。けれども、私たちは会わないと『あなた』を見られない。スマホレンズを通して見た『あなた』なんて、ひとつも本物の『あなた』じゃない。それに気づかない私たちがいる。私たちは外見に囚われているように思う。大きな鏡の前に立っている。身長が何cmだとか、体重が何kgだとか、目は二重がいいだとか、足は細い方がいいだとか、馬鹿馬鹿しい。どんな体型でも、どんな顔でも、私たちは『あなた』だとわかる。
鏡は、『私』を見る道具のようで、結局は『私』を見失う道具だ。他人に頼らないと、『私』を見られないからだ。人に会わなくてもいい世の中で、『あなた』の隣で笑える『私』がいたら、素晴らしいな、と思う。
【鏡】
左右対称じゃない私の顔は
鏡に映ると まるで別人 らしい。
私の顔を毎日見ている夫がそう言うんだから
たぶん そうなんだろう。
どんな表情をしても、写真の写りが悪いと感じるのも
たぶん そのせいなんだろう。
他人が見ている 私の顔 と
私が見ている 鏡の中の私の顔。
どうやっても埋まらないくらい
大きな差があるんだ。
「いつまでも捨てられないもの」
博物館・美術館の特別企画展のチラシ(フライヤー)や
カタログにフリーペーパーなどの冊子と紙類
土産品などの包装紙を集めてしまいがち。
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「鏡」(一行詩)
姿見で着物を品定めする満月の夜
◆
手鏡に映る顔は誰の顔顔顔?
◆
水鏡に映る姿は人成らず者で水を流すモノよ
【鏡】*72*
ちょっと夜とか怖いイメージ
なんと言ってもビビりなんで笑
ホラー観た後とかお風呂で目つぶるの怖くて
しっかり開けて鏡確認しながらシャンプーとかしてたなぁ
後スタイル維持にはまず鏡で毎日確認することが必須!
怖さもあるけど鏡は好き!
鏡は真実を映してくれない。
髪が伸びても、背が伸びても、
中身は小さいときと全然変わらないのに。
鏡
全て叩き割りたいと思っている。
自分の姿なんて見えないほうがいいって。
拙い文字を書けるようになった頃、
ただ書くことが楽しかった。けれども、どうしたことか、『め』と『ぬ』だけは、長い間、上手く書けなかった。何度書いても反転してしまう。
自分でも書いてから「まちがっている」事には気づくのだけど、書き始めや途中ではきづかなかったのだ。
反転した文字を母に見せ「またへんになった」と見せると、「鏡文字ね。来てごらん」と言い、母の鏡台に私の書いた文字を映した。「見てごらん」と、母に言われ鏡を見ると、『め』も『ぬ』も正しく「まほう!まほう!」と、喜んで他の文字も写して見た。
他の文字は見たことのあるようなないような可笑しな事になっていた。
それからしばらく、失敗しては鏡に映して遊んでいたが、いつの間にかどちらも間違わずに書ける様になっていた。
幼い子の書いた文字の中に鏡文字を見つけると、今でもあの風景がよみがえる。
#鏡
「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?」
有名な童話の、魔女のセリフ。
「なんでこんな自信たっぷりに問いかけられるんだろう…?」なんて、幼いながら不思議に思った記憶がある。
あれから年月が過ぎて、大人になった現在も、この魔女のセリフに対しては、あの頃と同じように変わらぬ印象を抱いている。
きっと、自分はこの魔女のことを、理解できないままなんだろう。
鏡
「今日のお題を見た瞬間に急にやる気になりやがった」
「あんたの姉だよ、なんとかして」
「無理」
「諦めるの早くない?」
ふたりが引いてるのも無理ないと思う。現に私、いますっごくわくわくしてる。絵文字つけたいぐらい!
鏡は好きだよ。おしゃれな私を映してくれるから−−なんていうと思ったか。
そんな理由なわけあるもんか!
「鏡は怖い話の常連アイテムだからね!」
「「知らない」」
「なんでだよ! ムラサキカガミとか有名じゃない⁈」
「お前ほんとその地雷系都市伝説好きだな。何回擦るんだよ」
「ここのアプリで話してないからいいじゃん。んー、でも、同じのばっかりだとこっちも面白くないしな」
「今日、やたらとメタくない? 大丈夫?」
「せっかくだしみんなで騒げる奴をやる⁈」
「いやな予感しかしない」
「その名も『ブラッディ・メアリー』!」
「「パス」」
「だよね! 知ってた‼︎」
どこまでも冷静なふたりで助かった。私が暴走しても止めてくれるもんね!
念のために解説を挟むと、『ブラッディ・メアリー』とはアメリカ発祥の合わせ鏡を使う降霊術ゲームだ。そう、降霊術です。なので、絶賛非推奨です。いい子も悪い子も絶対に真似するなよ。どうなっても知らないから。
ふと、後輩が口を開く。
「鏡ってなんで怖いイメージが付き纏うのかな」
「自分が全くそのまま反映されるからじゃねえか? それが突然、違う動きをしたらと思うと怖くね?」
すかさず私の弟が言う。たしかに、それはいまでも思う。なんなら、普通なら私たちが絶対に見られない後ろも見えちゃうからね。ふとした瞬間に、見えてはいけないものが映ってたらと思うと……。
「結局、ホラー現象について考えすぎるから怖いって思うんじゃない? オレだって、あんたたちとの付き合いがなかったら鏡を怖いって感じなかった気がするんだけど」
おいおい後輩よ。鏡への恐怖は私たちのせいだって言うのか? たしかに、君にホラーとかオカルトを叩き込んだのは主に私だけどさぁ。
「−−昔、鏡が神聖視されてたってのが根っこにあるせいじゃないかな」
神聖なもの。いわゆる宗教的なものとして捉えられていたということだ。昔の宗教というと、自分たちの常識の範疇にないものは、全て「神がかり」や「自分たちとは違う存在によるもの」という解釈で罷り通る。そういうことが当たり前だった時代と、いまの私たちは地続きで繋がっている。
「さらにいうと、鏡はこの世とあの世の境目だって考えもあったんだよね」
「あ、その境目を見合う形で合わせるとなにが起きるかわからないから、合わせ鏡はよくないってことか?」
「あたしはそう考えてる」
「へー。なんとなく理解できた」
はてさて、鏡を見てどう感じるか。なにを思うのか。
すべては、見る人、使う人次第。
(いつもの3人シリーズ)
鏡よ、鏡
なんだか疲れ切った自分の顔がうつってるよ
ごめんな
お前もこんなネガティブな顔、うつしたくないよな
どうせならハッピーな顔をうつしたいよな
でも生きてると、うまくいかないこともあるんだ
いつでもごきげんってわけにはいかないんだよ
けどな、こっちだっていつまでも落ち込まないぞ
やつれた自分の顔を見て
このままじゃいけないなと思えたよ
鏡よ、鏡
お前が疲れた表情をうつしてくれるおかげで
明日は笑顔をうつすために頑張ろうと思えるんだ
一日だけ待っててくれ
明日はとびきり爽やかな笑顔をうつしてやるから
けど明日も疲れ切った顔だったら
その時はすまん、気長に待ってほしい
題【鏡】
鏡の前には毎日、たぶん、ぶさいくな私がたっている。
自分の顔は見たことがないから分かんないけど。
小さい頃からウイルスのせいで、マスクは絶対だったから。
しかも、メガネも掛けていて、女子力はゼロ。
鏡を見るたんびに吐き気がする。
みんなは顔、顔、顔ってうるさい。
性格しか取り柄がない…と思っていた。
あのときまでは。
今は、性格も完璧で、顔も最高に可愛い美少女になった。
実は、学校の文化祭で美少女コンテストがあったの。
でも、一群女子がふざけて、ぶさいくな私を推薦してきた。
私は、断れないので、はいと言っちゃった。
そして当日。
係りの人にお任せしたら…。
「前髪とメガネで顔が隠れてる!メガネを外して、コンタクトに!前髪きって良い?」
「えっ!?まぁ、はい。お願いします。」
チョキンチョキン バサ!
「仕上げにマスクを取って着替えると…。」
「か、可愛い!こんな自分初めて見た!」
「メイクもなにもしてないよ。これが自分。自信もって!」
「ありがとうございます!」
そして、コンテストで1位をとっちゃったってわけ。
このお陰で、私の人生は大きく変わったんだ!
猫に鏡を見せると、自分ではなく他の猫がいると思うらしい。鏡の中の猫にじゃれてみたり、鏡の後ろにまわって探したりする猫をテレビで見たことがある。
期待してうちの猫にも鏡を向けてみたことあるけど、気付く様子もなく素通り。抱っこしてわたしと猫の姿を映してみたけど、眠そうに目を細めるだけで全くの無反応だった。つまらんなぁ。
トンネルに入り車窓に映るのは君を見送り終えた虚ろな眼
題-鏡
「鏡よ鏡、この世で一番...」
「あなたじゃないです。あり得ないでしょフツーに。」
鏡
鏡よ、鏡、この世で一番美しいのは誰?
ああ。そんなこと考えて鏡の前に陣取ってる私は誰よ。なんか悲しい。綺麗な人がいいなら最初から声かけてくんな。
昨日は泣いた。さんざん泣いた。
私は振られたのだ。2年も付き合ったのに急に「別れたい」と言われた。
私にとっては急でもアイツはそうでもなかったらしく、別に付き合っている綺麗な人がいたらしい。二股かけられて振られた。
白雪姫の真実を写す魔法の鏡があれば、もっと早くアイツの悪事を知ることができたかもしれない。欲しかった魔法の鏡。
とはいえ、薄々別れ話が出ることに気がついていたが、気がつかないフリをしていた。どうせならこっちから振ってやるば良かった。なんか、こっちから別れ話を切り出すのは負ける気がしたのだ。
しかたがない。私にもプライドがある。小さいけど立派なプライドが。そのせいで、振られて惨めな気持ちになっているのだから世話ないけど。
鏡よ、鏡、この世で一番不幸なのは誰?
自宅の姿見に問うてみる。もちろん答えはないが、私はそれほど不幸ではない。
美味しい物を食べ、友達がいて、仕事があり、次は楽しい恋愛をしてみたいと思っている私は不幸ではない。
あ!
もし、アイツの不幸を望んでいいなら「彼女と2人で水虫になれ」くらいかな。
鏡がなくても幸せに生きていける
5分以上鏡を見ていれる方は、
尊敬します。
私は自分を見るのが嫌いです
【創作/散文/鏡に閉じ込められたバケモノ】
鏡を割って
私が写るから
鏡を割って
私が映るから
鏡を割って
私が、移るから
こんなにも粉々に砕けたのは、
拳で割られて
崖から落とされたから
鏡に閉じ込められた私は、
あぁこれで誰も傷つけずに死ねるって、
たしかにそう思ったのよ。
だけどいま
割れた破片の数だけ起き上がる「私」を見て
互いに顔を合わせ
気まずそうに微笑んでいる。
これから夜になる
さぁ、バケモノの時間だ
行きましょう。哀れな私たち
今度こそ、退治されるといいわよね