『鏡の中の自分』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鏡の中の自分
洗いたての顔をタオルから離すと、鏡越しに起き抜けの彼と目が合った。
同時に背中から甘やかな衝撃に包まれた。
「おはよう」
「おはよう」
鏡越しに彼と見つめ合う自分の顔は、見たことがない自分で。
――彼しか知らない私。
鏡の中の自分はどれだけ頑張っても綺麗に笑えない
歪な表情が出来上がる
でもこれが僕で
それは変えられない事実で
受け入れるしかない。
容姿にコンプレックスがあるので
鏡の中の自分を見るのが嫌だ
なので、いつも暗い表情が映る
CMみたいに鏡に笑顔を映してみたい
健康に気をつけて
他人の意見を聞けた
自分に正直にいれた
鏡の中の自分は自分でしかない。
自分以外の何かと思うことは幻想ではないか。
自分の知らない、気づかないフリをした自分を見つけ出す。
そういった行為は、本来自分の中で理解、分かっていたことの再確認であり「見つけた」とは違うのではないか。
こんな正論をかましていても、自分自身が気付かないふりをしている自分がそこにいるかもしれない。
そう思って昨日のお風呂上がりは鏡の中の自分を見つめてみようと思う。
・鏡の中の自分
鏡に映る僕は…
僕を笑っているように見える
……あぁ…
僕のココロが
鏡に出ちゃっているのかな…
それとも、僕は……
鏡のせいにしてるかもしれないな……
鏡の中の僕の瞳に見える
本当の僕の正体は……。
世界一尊敬している母
世界一軽蔑していた父
「鏡の中の自分」
鏡の中の自分
「空気」
自分はいじめられている。
空気みたいに、無視される。
おまけに虐待されている。
学校以外の外出もさせてくれないし、オシャレもさせてくれない。
空気の自分はオシャレしなくていいってか?自分はしたいのに。
今日は、内緒で、家を抜け出してみた。
欲しい漫画があるんだけど、超大人気だから、発売日の今日買いに行くんだ。
おっ、あった!
えっと…お金お金…600円っと…
レジに持っていって買おう。「すみません」
店員を呼ぼうとしたけど、来てくれない。忙しいのかな。
いくら忙しくても、接客の方が大事だろ…
どうやら、僕は町中の全員に嫌われているみたい。
「お金、置いときますよ〜!」
もういいや…と思い、お金を置いて帰っていった。
でも、何だかんだにこの町が好きだ。オシャレで、素敵で、きれいな町。
そんな町は、オシャレができない僕にとって天国だった。
…そういえば、服、これしか持って無かったな…
よし、服を買おう。
お、この服いいな…オシャレだけど…バレなかったらいい…よね?
試着してみよ
え?
僕は鏡を見て驚いた。
そうか、僕、◯んでるんだ
鏡の中のあたしはいつもステキだけど、今日はもっとステキでかわいい!
お気に入りのワンピと素敵な髪飾り。お母さんから借りたちょっと大人っぽいネックレスも着けちゃえば、お友達みーんなあたしに釘付けよ!
お母さんは言うの。鏡の中のあなたはいつだって自信満々ね、って。
そりゃそうよ! あたしがそうだもの!
鏡の中のあたしがしょぼくれてる姿なんて見たくもないわ!
しょぼくれてる姿を見せるのはお父さんとお母さんとお姉ちゃんだけで充分よ!
……うーん、もう少しかわいく出来そうだけどこれ以上いじくったらせっかくの髪型が崩れちゃいそう。
そうなったら直すのに時間がかかりそうだし……それに主役が遅れちゃ格好がつかないわ。
なんたって今日はあたしの誕生日!
幼稚園のお友達が家に遊びに来てくれるし、ケーキもあるし、お菓子もジュースもいっぱいあるの!
でもまずはお出迎えの練習ね。
ええっと確か、裾を摘んで、ペコっとして、ようこそいらっしゃいました……だったかしら?
首を傾げていると鏡の中のあたしは自信満々に頷いてウインクした。良かった、これでいいのね。
あっ、チャイムが鳴ったわ! お出迎えしなきゃ!
鏡の中の自分に向かって毎日 (お前はだれだ?) って言い続けると 頭がおかしくなるらしい
それをやってゲシュタルト崩壊? したって怪談を聞いたことがある。
実際に自分でやってみようとは思わない。
ビビリだから
▶3.「鏡の中の自分」 ✕✕✕のモデル
2.「眠りにつく前に」考えること
1.「永遠に」近い時を生きる人形
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✕✕✕は旅の埃を落とすため浴室に向かった。
途中に小さな鏡があり、人形の顔が映った。
足を止め、自分の顔と向き合う。
人間と遭遇する確率が低いため表情はオフになっている。
長い旅の中で得た省エネのひとつである。
過分なトラブルを避けるために
しかし、人々との交流の一助となるように
博士曰く印象に残りそうで残らない
でも少し記憶に残る顔を目指したと。
眉は旅上手で話上手な叔父から
口元はよく笑う友人から
声は博士の不養生を叱った昔の恋人から
目元は博士自身から
記憶データとの紐付けと験担ぎとして選ばれたパーツは
それぞれ、ほんの少しだけモデルに似ている。
一人残すことになってすまない、と博士はよく言っていた。
元々は共に旅に出るつもりだったらしい。
しかし、その時に構想していたであろう肉体の顔は、
設計記録にも博士の記憶にも残っていない。
✕✕✕はデータの想起を止め、再度浴室へと足を向けた。
鏡よ鏡。
この世で1番美しいのは誰?
有名なグリム童話、
「白雪姫」。
主な登場人物は
白雪姫と王妃と猟師と
女王が変装したおばあさんと
王子だけど、
白雪姫と王妃が逆の立場だったら
どうなっていたんだろう。
王妃は鏡の存在を知らないから
自分がこの世で1番美しいと
信じたままかもしれない。
白雪姫は自分が1番美しいと鏡に言われ、
美しさを求めすぎてしまうかもしれない。
立場が逆でもどちらかが狂ってしまいそうな
この童話を
物語管理官の私が
ハッピーエンドにするためのお話。
物語に入ってみんなを幸せにする
ステキなお仕事。
バッドエンドの方がいい話もあるけど、
それは管理官の判断に任せられる。
私は小さい頃から
管理官に憧れていて
「白雪姫」の王妃を
ずっと幸せにしたかった。
美しさで進んでいく面白い話だけど
そのせいで王妃は幸せになれてない。
人を殺めようとしたから
幸せになれないのは当然なのかもしれない。
だから私は
王妃に白雪姫に愛着が湧くよう
新しい召使いと言ってそばに居た。
その時に一旦鏡を隠し、
親子愛を育てることに集中した。
そして白雪姫が7歳になった時
白雪姫を美しく育てた王妃も
またお美しいですと、
2人に鏡を贈った。
2人とも喜んで受け取ってくれた。
鏡にこの世で美しいのは誰か、
聞いてみてくださいと
私は笑顔で言った。
鏡よ鏡。
この世で美しいのは誰?
それは
白雪姫様と王妃様です。
2人とも大喜びだった。
そして白雪姫の結婚相手を選ぶ時、
元々の話に出てきた王子を
白雪姫に提案した。
しかし白雪姫は
結婚を嫌がった。
嫁ぎたくないと。
王妃と離れたくないと。
あの鏡にいつまでも2人で写っていたいと。
王妃もまた
同じことを言った。
元の話とかけ離れてしまうと
私はこの物語から出ることができない。
王子が結婚する前に
白雪姫と出会って欲しいのに。
私は焦っていた。
手が震え、
体温が低下し、
心音が耳を塞いだ。
早く、早く結婚させなきゃ。
半ば強引に婚約させた日の夜。
白雪姫は王子を殺した。
帰れなくなった私は
もう全部を壊そうと思った。
白雪姫に沢山酷いことを言った。
どうせ出れないなら、と
私はここに来た時から
ずっと付けていた仮面を外し、
鏡の前に立った。
童話だから
ここにいる人は所詮
絵だ。
しかも古いものなので
別の世界にいた私には
勝てない。
鏡よ鏡。
この世で1番美しいのは誰?
それは貴方様です。
"Good Midnight!"
鏡の中の自分は
この世界の誰よりも不気味に
笑っていた。
「ねぇ君、私と代わらない?」
突然そんな声が聞こえた。今、家には私以外いないというのに。
濡れた顔を拭く手を止めておそるおそる顔をあげるとタオルを両手で持った自分と目が合う。
その瞬間タオルが手から滑り落ち床へ広がった。だが鏡に映った自分は変わらず両手でタオルを持っている。
きっとこわばった顔をしているだろう私に反して穏やかな顔をした鏡の私が口を開いた。
「君、今日死ぬつもりなんでしょ?」
これは夢かなにかなのだろうか、震える指で腹をつねってみる。痛い。
さっきこの人はなんと言った?私と代わる?
「…代わるってどういうこと?」
「そのままの意味」
会話が成立してしまった。今私は自分と同じ声、顔の人と話している。
小さい頃に自分と全く同じ人がいたら趣味も合って絶対楽しいんだろうなとか思っていたけれど、自分と全く同じ人と話している今はっきりいって気持ちが悪い、気が狂いそうだ。
「君はもうその世界からばいばいしたい。私はその世界で生きてみたい、お互いウィンウィンだと思うんだけど」
何も言わなくなった私を見兼ねてか鏡の私が話を続け、私の方に手を伸ばす。すると鏡からこちらに手が出てきて思わず後退りをしてしまう、なんなの、これ
「ほらほらこっちおいで」
私と手を繋ぐようにと手を上下にひらひらさせている。変わらず表情は微笑んだままだ。
「…もしあなたの世界にいったら私はどうなる?何をすればいい?」
「そーだなそっちの世界の言葉を使って簡単に言うと1秒も経たず死ぬ」
「あなたはこっちに来て死なないの?」
「私は何回もそっちの世界に行ったことあるし耐性もついてる。こっちとそっちじゃそりゃ世界が変わるわけだから耐性ないと体が耐えきれずに爆発しちゃうんだよ」
「体が爆発…」
そういうものなのか。てかこっちの世界来たことあるって、ドッペルゲンガーの由来ってこの人達なんじゃないの。
「もし君が生きたいって言うなら私は諦めるよ。けど、正直いって君がこれからも生きたとしても心が爆発するだけだと思う」
こんな提案乗らない方がきっといいんだろう。頭ではそう思っている自分もいる。だけど
こんなに私と目を見て話をしてくれたのはいつぶりだろうか。鏡の私が言った『代わらないか』という言葉も、誰にも必要とされていない私を唯一必要としてくれたような、そんな感じがして
そっと、目の前にある自分と全く同じ大きさの手に自分の手を重ねた。
〖鏡の中の自分〗
あーあ。なんでこんなに好きになっちゃったんだろうな。
昨日の続きで、25〜49&今日の分です。それぞれのセリフに繋がりはありません。……が、最後の方だけはあるかもしれません。
#51
「どんなに短い時間でも、君に会いたくなる」
「いっしょなら何処へだって行けるんだよ」
「何も無くても会いに来てくれ」
「顔を見たいからに決まっているだろう」
「授業終わりに、空を見るのが好きだった」
「大人の一歩手前のくせに、子供みたいにはしゃいで、まったくもう」
「どれだけ高く跳べるか、良く勝負してたんだよ」
「大人びたその鋭い眼差しも、隠さずに見せてくれないか」
「君の瞳の光はやわらかくて綺麗だねえ」
「目に焼きついて忘れさせてくれないんだ」
「今日は空が高いよなあ。眩しくてしょうがない」
「光が無ければ生きていけなくなってしまった。お前のせいだ」
「先に見つめてきたのは君じゃないか」
「声が枯れたら、吐息で歌ってやるんだから。終わりになんてしてあげない」
「そろそろ服、仕舞わねえとな。もう秋がすぐそこだ」
「こんな青空の日は、何かを始めるのに相応しい」
「引き留めたら、優しい君は振り向いてしまうだろう?」
「ともだちでいてなんて、そんなこと」
「一日一個じゃ足りないだろ。何個言えばいい?」
「過剰な熱は、紅茶の香りを飛ばすというのに」
「明るすぎれば星と星は互いを認識できない。少し暗いぐらいがちょうど良くないかい」
「君に出会わなかった世界が存在すると仮定しよう」
「なあ、初めて話した時のこと覚えてる?」
「お前の腕の中で命が終えられるのなら」
「永遠、なんて言ってみようか」
「……そんなの信じない。でも、君なら良いかもね」
「死ぬまで側にいてやる」
「お前がそう望むのなら、好きにすれば良い」
「鏡の向こう側なんていらないよ。だって今、世界で一番幸せだもの!」
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
嫌いかな 嫌いじゃないな 好きなのか? わからぬままに 行くしかないな!
【鏡の中の自分】
【鏡の中の自分】
2人目の私は
いつも綺麗で完璧な
笑顔を創る
同じ自分なはずなのに
私とは程遠く、違っている
いつか私も…
そう思って毎日のように
また笑顔の仮面を貼り付ける
「これで私も近づけたかな?ニコッ」
【鏡の中の自分】
僕の顔は母に似ているらしい。らしいという曖昧な表現を使うのは母は僕を産んで死んでしまったから。母に恨みはないがこの姿のせいで僕は…。鏡を放り投げる。大嫌いだ。母事態に恨みはないがこの姿は嫌いだ。偏愛を受けるこの姿が大嫌いだ。本当は母の代替品として僕を愛する父が嫌いで嫌いで仕方がない。傷を付けた事もあるが傷を見て発狂した父の姿がトラウマだ。だから、二度とやらない。助けてくれ?そんな言葉で救われるならなんて事はない。誰にもこの苦しみは分からないさ。
「最近、笑えていないなぁ…」
職場から自宅に戻りある程度片付けてから風呂に入る。
一通り頭や体を洗い終わると湯船に浸かった。
今日のお供の入浴剤はリラックス効果があると有名なラベンダーの香りのするものだ。
その他、疲労回復・肩こり・むくみにも効くらしい。
湯船に浸かりながら先程吐き出した言葉をもう一度ボソリと誰に言うわけでもなく言った。
「…笑えてないなぁ…」
周りの友達のほとんどが結婚、出産をしている中、自分だけ会社の駒で。
相変わらず脂ぎったてっぺんハゲの上司からは怒鳴られるしお局様的な社員にはくどくどくどくど小言を言われる。
学生時代は、もっと笑えてたのに。
就職したては大きな希望と夢を持ってたのに。
「あー!!でも、それが現実かぁ!!」
ヤケになって風呂場で叫ぶ。
大人になると言うことはこんなにも楽しくないことだったのか。
「もー、この歳になると夢も希望も無いっつーの!」
そう言って、一息ついた。
風呂に入り始めて45分位は経っただろうか。だんだんとのぼせてきた感覚が出始める。
湯船から上がり栓を抜く。
お湯がどんどん流されて湯船からただの浴槽へと変わっていく。
「…私みたい」
時間だけが過ぎて、何者にもなれないまま最期を迎える。
なんて滑稽なんだろう。
キャミソールとパンツ、頭にはタオルを巻いて脱衣所をでる。
一目散に冷蔵庫へ向かい500ミリの缶チューハイを取り出してそのままゴクゴクと喉に流し込む。
「っかー!生き返るー」
そしてベットにダイブする。
スマホを手に取りSNSを起動する。
そこにはやはりフォローしている友達の幸せそうなメッセージや画像が貼ってあった。
「……」
格の違いのようなものを見せられた気がしてすぐにスマホの電源を切って枕元に置いた。
そのままグダグダしていると普段は全然気にしていない本棚が目に入った。
ベッドから降りて誘われるように本棚へ歩いていく。そして一冊の冊子を手に取った。
【○○高校3年4組卒業アルバム】
少し色褪せている卒業アルバム。
パラパラとめくっていくと自分の書いたページが出てきた。
思わず次のページに行くのをやめて読む。
当時の自分が書いた夢や希望、なりたいものはキラキラと輝いていてアルバムに物理的効果があるのなら目眩を起こしているかもしれない。
その中の"習慣にしているところ"という項目が目に入った。
高校生らしい丸文字でこう書いてあった。
{毎日、鏡を見て、鏡の中の世界にいる自分を見つめて笑っていってきますを言うこと}
鏡の中の世界。
そうだ。当時の自分は鏡に映った自分、そしてそれに応えるように鏡の中の世界からこちらをしっかり見てくれる自分と向き合っていた。
鏡に映っているのは自分なのだから、鏡を見ていれば同じ動作をするのは至極当然、当たり前の話だが高校生の頃の自分は反抗期真っ只中で周りに味方がいないと思っていたから、せめて鏡に映る自分は味方にしようと鏡の中に自分という味方がいる世界を作った。
登校前に鏡の中の自分に笑いながら「いってきます」を言ってなんなら「今日もラッキーな日になるといいな!」なんて言ったりして家を出ていた。
いつのまにかそんな事はしなくなったけれど。
アルバムを閉じて机の上に乗っていたハンドミラーを見つめる。
いつのまにか笑うことも忘れた自分とそれに呼応するように悲しみに染まったような自分が鏡の中にいた。
あぁ、そんな顔は見たくない。
もう一度やってみようか。
毎朝、鏡の中の世界の自分に行ってきますを言って家を出るのを。
最初は無理に笑えなくてもいいから。
「…うん。そうしよう」
ーーーーーー
「それじゃ、会社に行ってきます!私!」
やる気に満ちたキラキラとした瞳で鏡の中の自分に挨拶をする。
鏡の中の世界の私が行ってらっしゃいとでも言うようにキラキラとした瞳で見送ってくれた。
鏡の中の世界
完璧な笑顔であなたを見送れたはず 鏡の眼は赤かったけど
題-鏡の中の自分