過ぎ去った日々』の作文集

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過ぎ去った日々』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

3/10/2023, 6:50:58 AM

読むことが好きなのに
怒りのポコポコがなかなか減らなくて困ってる。
欲だけが溜まる。。。

ワガママじゃなくなりたい。

3/10/2023, 6:45:01 AM

『貴方には大切な思い出はありますか?』
僕はそう聞かれて、過ぎ去っていった日々を思い出していた。
 ある日は、テストで低い点を取ってしまい、友達に煽られたこと。
 ある日は、親友と一緒に雑談しながらいろんな道を歩いたこと。
 ある日は、初恋の人と、初めてのデートに行ったこと。
 ある日はー…

数えたらキリがないほどいろんなことがあった僕の人生。
でも、それらは全て過ぎ去っていった日々だから、
初恋だった人が今、どんな仕事をしているのか、
親友だったあいつが今、どんな生活をしているのか、
全く分からない。
でも大切であったことに変わりはなかった。
心の中に、ずっと響いているのには変わらなかった。
僕は、そんななんでもない日々に、過ぎ去っていった日々に救われていた。

「僕の大切な思い出はーー。」

3/10/2023, 6:20:35 AM

過ぎ去った日々は反省ばかりだから、
あまり思い出したくない。
今頃になって「あ!あれはそういう意味だったのか!」等と膝を叩く自分が可笑しくなってくる。
でも本当に必死だったよなあと少し愛おしくもなる。
ああ、本当に恥ずかしくなるから思い出すのはやめだやめだ!

3/10/2023, 6:14:22 AM

学校にいた時毎日が嫌で
先生、クラスメイトがとても怖くて
夜は眠れなくて泣いて
辛かった 過ぎ去った日々で
楽しい事はよく思い出せなくて

今は仕事
仕事は楽しいやりがいはあるけど
責任は重くて仕方なかった
毎日怒られてて嫌味言われて悲しくて憂鬱になって、
やっぱり人が怖い、表情 声 目線 仕草の全てが
私を殴ってくる
やっぱり障害者だと自覚させられる
いつまでもついて来るんだ
心の痛みと怒りは自分を殴る事で緩和できた
何回も何回も殴って頭がぼっーとして
血の気が引いてくるような感じ
人肌が恋しかった
寂しくて悲しくて抱きしめて欲しかった

結局生きる事を辞めれたら
何も感じなくていいのかもしれない
でもとても怖いから
これからもまだ生きて生きて辛くても死ぬ時まで
日々が過ぎていくんだろうね

3/10/2023, 6:06:59 AM

ある日の夕方……。私は、控え室でメイクを整えていた。そこへ……。ドアが開いて、ママさんが顔を覗かせる。
「睦実ちゃん。メイク中、ご免なさい。あなたに、お客さんよ」
「えっ! まだ、開店前ですよね?」
 ママさんの言葉に、キョトンとしながら返した私。しかし……。
「それが……、女の人なのよ」
 その言葉に、何かを思い出した。私は、鏡に視線を戻し、鏡の中に映るママさんに伝える。
「二十分、お待ち下さい。そう伝えて下さい」
「に……、二十分って。そんな!」
 驚くママさんに、私は静かに返す。
「そのくらい待つ覚悟があるから、わざわざ訪ねてきたんじゃないんですか?」
「わ……、分かったわ」
 それだけ返して、ママさんはドアを閉めた。

 二十分後……。私は、メイクや髪型それにドレスを整え、店のホールに出た。隅のボックス席で、ひとりの女が待っていた。半ば忘れていた顔も、その面影が記憶を蘇らせる。
「三鷹睦実……と申しますが。私にご用があるのは、あなた様ですか?」
 歩み寄って訊いた私だが、その前に相手の女は私を睨んでいた。
「私がここに来た理由、分かるわよね? 村野高雄くん」
 私が席に着くと、挨拶もせずに罵りの言葉を吐いてきた相手の女。私は、惚けた表情で返す。
「私の本名は、確かに村野高雄ですが。その前に、どちら様ですか?」
「ふざけるのも、いい加減にしなさい! あなたが中学のときに教育実習でその中学校に行っていた、今井裕子よ!」
 修羅の形相でそう言った裕子だが、私は飽くまでも惚ける。
「はて? どうでしたか?」
 馬鹿にするように返した私だが……。実際、忘れたくても忘れられない。私の想いを、踏みにじったのだから。
「これ、あなたの仕業よね?」
 そう訊いた裕子が、テーブルの上に一冊の本を置いた。それは、アダルト書籍で、頭のお堅い人には、変態の読み物として映る雑誌である。
「これは……、また。変わったご趣味を、お持ちのようで」
「ふざけないで!」
 茶化すような私の言葉を断ち切った裕子が、雑誌のあるページを開いて私に突き付けた。
「これ、あなたが書いたんでしょ?」
 私は、目を通すフリだけした。内容はすべて分かっているし、発売前に雑誌社から一冊頂戴している。つまり……。これは、私が書いたものである。
 タイトルは、『犯罪者の娘.今井裕子』となっている。
 小学校の校長をしている裕子の父親が、汚職事件で逮捕されてしまった。その父親を娑婆に出すために、保釈金貸付業者を頼った。しかし……。その貸付業者は、業界でも有名な高利で貸し付ける業者だった。
 借金を返すために、裕子は性風俗に手を出し、転がり堕ちるように淫乱な牝になっていく。
 ベタな顛末だが……。小学校の校長と汚職事件、それに登場人物の名前はノンフィクションである。
 作者の名前は、『佐倉真琴』となっている。もちろん……。こんな雑誌に、筆名を使わずに投稿するバカはいない。どうせ、採用される訳がない。そう思ったから、書きたいことを思い切り書けた。
「なるほど。面白い内容ですね」
 笑顔で言った私に、裕子は罵るように返す。
「ふざけないで! どうして、こんなことをするの?」
「はて? 私がこれを書いた……という証拠でも? 私には、このような才能はありませんよ」
 そう返した私は、腕時計を見るフリをして、席を立った。
「そろそろ、お店を開ける時間です。私ひとりサボる訳にも、いきませんので」
 裕子に背中を向けたら私は、静かに口を開いた。
「今井先生」
「何?」
「その小説は、ともかく。私は、凄く悔しかったんです。こっちは、勇気を出して告白しました。それなのに……。あんな酷い手口で。人を、ストーカー扱いして」
「あんな昔のこと……」
「あなたには、とうの昔に過ぎ去った過去でしょう。でも……。私には昨日のことのようで、今でも頭から離れません。今、私がニューハーフクラブで働いている理由。あなたには、分からないでしょうね」
 そう言い残して、私はその場をあとにした。

3/10/2023, 5:56:27 AM

彼と過ごした日々は確かに楽しいものだったはずなのに、その全てを思い返すことは出来ない。

人間の記憶量の限界。

一体幾つ忘れまいとした出来事をメモリから消してしまったのだろう。

数えようとしても、零れ落ちたそれを計測することは出来なかった。

忘れたくない。そう願っているはずなのに、どこかこれでいいと考えている自分も居る気がしている。

過ぎ去った日々にも想いを寄せて。

たとえ時間に溶けてしまった記憶があったとしても、それは確かに存在していた。
消えない気持ちは奥底に残っている。

そんな虚像すらない思い出に浸ることもまた一つの楽しみで。

過去に捕らわれることも、たまには悪くない。



【過ぎ去った日々】

3/10/2023, 5:14:02 AM


海は,波のが小波に流れて鴎がその波に泳いでいる
風が気持ちよくて太陽がその海を照らしてるように見えた
潮風流れように匂いがした
遠くの向こうに,雲のような薄らい色で船が進んでる
まるで誰もいない場所で眺めてる気がした
波の音は,ざぶんーって音がする
後から来る音も聞こえる
砂浜は,茶色けどふかふかしてる

3/10/2023, 4:50:44 AM

オムライスにスプーンを入れるたび
懐かしい気持ちに包まれる

お母さんの味
初デートの味
はじめてお給料をもらった日の味

全部ちがうオムライスだけど
少しずつ断片的に思い出す

中庭から鳥のさえずりが聞こえる
私は少しは変われただろうか

トロトロの卵とケチャップライスを
ちょっと混ぜて口に運ぶ

過ぎ去った日々のことは
美味しいとこだけ思えればいい


#過ぎ去った日々

3/10/2023, 4:48:53 AM

「この人を知っていますか」

一枚の写真を見せたられた私は、知っていますと頷いた。

「この人と最後に会ったのはいつですか」

昨日も会いましたけど。この人がどうかしたんですか。

「この場所は知っていますか」

この海、昨日も行きました。屋台が沢山並んでいて、焼きそばを食べました。

「海に行った帰りのことは覚えていますか」

帰り……ですか。帰りは手を繋いで帰って、いつも通り何事もなく。

「その時、彼は携帯を気にしていませんでしたか」

携帯は気にしてたかもしれません。顔色が一瞬変わったような……でも、普通でしたよ。また連絡するって言ってました。

「連絡はきましたか」

きて……あれ?

「連絡はきましたか」

……わかりません。きてないのかもしれません。私が覚えていないのかも。あれ、どうだったかな。どうして覚えてないんだろう。ちょっと待ってくださいね。いま確認しますから。

「連絡はきましたか」

きてないです。で、でも昨日の今日だし、夜になればくるのかも。もう少し待ってみましょう。きっと他愛もない会話をしてくるはずです。

「最後に連絡がきたのはいつですか」

え……だから、昨日ですよ。昨日会ったんですから。

「今日は何月何日ですか」

三月十日でしょ。わかってますよ、ほら。

「いまは令和何年ですか」

令和……?

「いまは平成じゃ、ありませんよ」

平成じゃ……ない……?

「いいですか、貴女は十年も前のことを昨日のことだと思ってるんです。あの日彼と海に行った貴女は、あれから一度も彼と会っていない。音信不通になったんですよ」

音信不通……なぜ……。

「貴女は彼に捨てられたんですよ」

やだなぁ、違いますよ。違う、違う、違う、違う。そんなわけないじゃないですか。どうして私が捨てられるんですか。捨てられませんよあの人は。私を捨てない、絶対捨てない、捨てるわけない。だってあの人、私のことが好きでしょう?

「身内に不幸があったんでしょうね。父親を亡くし、彼は貴女を捨てて母親を選んだ」

そんなこと知りません。

「いいえ、貴女は知っています。連絡がこなくなって不安になった貴女が彼の家を訪ねるとそこにはもう誰もいなかった。その足で知人からすべてを聞いた貴女はその真実を受け入れられずにいまも」

いいえ、いいえ、いいえ。

「いい加減、過去のことは忘れて現実を見てください」

過去だなんて言わないで。私はいつだって現実を見ているの。

「あの頃の彼はもういないのです」


#5 過ぎ去った日々

3/10/2023, 4:25:15 AM

過ぎ去った日々。
 コロナ禍によって消失した日々。

 特に学生。本来はイベント事に溢れ、出会いに溢れるはずだった、新生活、新天地に淡い期待と思いを馳せていた。

 待っていたのはオンライン授業と監禁に近い自宅での自堕落な生活。貴重な時間が溶けるようになくなってしまった。

 過ぎ去った日々を元に戻す事は不可能だ。
 しかし一方で、その日々の中で培った経験がある。

 オンラインが故に得たパソコン技術。
 就活の時に役立つだろう。

 大学で新しい友達が出来なかった分、高校時代の友達と今でも遊ぶ事が多くなった。きっと一生物だ。

 肯定的に捉えるには難しいが、過ぎ去った日々を「無かったもの」にするのは違うはずだ。

3/10/2023, 4:20:35 AM

今日は卒業式。

あっという間の3年間だった。

これまで、進路のとこでたくさん話を聞いて

一緒に悩んでくれた先生方。

同じ教室で沢山のことを学んで

一緒に努力してきた友達たち。

みんな、それぞれの道をゆく。

就職活動が苦で、諦め、他の道へと歩む人もいた。

逆に、諦めずにその道へと一直線に進み

努力が報われた人もいた。

僕はどうだろう。

一人一人が、満足する道へ行っている中

僕も満足した道へと進めてるのだろうか。

僕は誰よりも のんびりで マイペースで

判断が遅く 迷ってばかりだ。

3年間学んできて僕は

やっと1年生の土台に立てたくらいだ。

あっという間に 過ぎていった日々

僕は今 ちゃんと立てているのだろうか。

自分の足で 進むことができるのだろうか。

いや、出来ないじゃない やるんだ。

今までの3年間を、自分のものにするんだ。

過ぎ去った日々を大事にして。


【過ぎ去った日々】

3/10/2023, 4:15:40 AM

日々は過ぎても思いは残る。

そのうちに月日が経って
身が無くなってしまうまで

いつまでも思うことだけは
するだろうね。

3/10/2023, 4:15:03 AM

過ぎ去った日々を思い返す時
必ず君への想いもよみがえってくるんだ

3/10/2023, 4:10:51 AM

いじめにあい10年が過ぎた。後悔しても、もう後戻りは、出来ない。

3/10/2023, 4:07:26 AM

過去のあなたも
現在のあなたも
あなたはひとつながり
どんなに変わったって
なにが変わったというのでしょう
あなたという
ひとつ限りのたましいを
わたしは愛しているつもりです
過去のあなたから受けとった
得難きあのやさしさが
今も忘れられず
あなたはどうしているかと
過ぎた日々の中に住むあなたを
思い出していました
わたしはなにも恐れていません
あなたが変わったというなら
わたしはたぶんもっと変わった
そしてなにも変わってはいない
それをたしかめもせず
いつまでもあなたを
過去のままにしておくなんて
待つだけの人生なんてと
あなたならきっと
やさしく笑ってもくれるのでしょう


#過ぎ去った日々

3/10/2023, 3:48:58 AM

「過ぎ去った日々駅」は、過去から抜け出せない人でごった返している。駅前は郷愁でとてもとても美しいが、裏路地は、憎悪や絶望で目も当てられない。

「こちらの駅での長居にはくれぐれもお気をつけください」

今を生きる駅行きの発車時刻が迫っている。

3/10/2023, 3:48:35 AM

#過ぎ去った日々


ウチの校舎は今年で閉校
来年から坂下の子と新校舎で新生活が始まる

元々ウチの島は人口が少ないからね
旧校舎最後の卒業生もすごいけど
新校舎初めての卒業生になる私達もすごいよね

見慣れた景色ともお別れ
この校舎が無くなるのは寂しい
定年劣化なのもわかるけど何かしらで残してほしかったな

過ぎ去った日々はどれもいい思い出
太鼓の発表会したり
授業中に逃げたニワトリが教室が飛び出してきたり
風で校舎の屋根が吹っ飛んだ時はさすがに笑ったね

ボロいけどやっぱりこの校舎が好きだな

いつか大人になった時ふとした時に、この場所を思い出すと思う

そんな気がする。

3/10/2023, 3:42:03 AM

人生を失敗したなと思い始めたのは、30半ば

くらいから。

しらふになると罪悪感や後悔や自責の念ばかり

いつの頃からか、タイムスリップして人生やり直したくなる。

でも最近、変化が、訪れた。

もしタイムスリップして、海岸のテトラポッドの上で目が覚めたとする。

それは、高校生のぼくで、それからの人生や世の中

にどんなことがわかっている。


が、しかし僕は、きっと例え未来になにが、

起こるとわかっていても、自由に

生きていくんだろうなと思ったら、勇気が、

沸いて来た。

3/10/2023, 3:37:34 AM

―過ぎ去った日々―

時々スマホの画像フォルダを覗く。
そこには過ぎ去った日々の思い出が沢山写ってる。
旅行先の風景や食べ物、花の写真が多い。
中には、こんな写真撮ったけ?っていうのもあって面白い。

3/10/2023, 3:34:05 AM

友人たちの姿が見えなくなると、千沙都は振っていた手を力なく落とし、項垂れるようにバス停のベンチに座り込んだ。
(わたし、何してたんだろ…。)
高校生活も残り半年となり、一緒に遊んでいた友人たちが次々進学や就職へ向けて人生の駒を進めていく。
(みんな、まだ何にも考えてないって言ってたのに…。)
一人になると、さっきまで一緒にいた友人たちとの会話が勝手に脳裏に流れ始める。
『実は結構前から試験対策始めててさ。』
『あたしもお兄ちゃんに面接の話とか聞いたー。』
『あー、やっぱ流石に心配になるよね。』
『チサは? やっぱり成績いいし、進学するの?』
『うん、そう、ね…やっぱり進学かなぁ。』
『山下さんは国立大目指すんだって。』 
『へぇ、そうなんだね。』
いつも一緒にいて、同じ気持ちや時間を共有していたはずなのに。
(普段、山下さんとなんか話さないじゃん。)
焦りといらだちと情けなさがごちゃまぜになって胸や頭をざわめかせ、それを振り払うように目をギュッと閉じたときだった。

「無為に過ぎ去った日々を取り戻したいとは思いませんか?」

千沙都はベンチから飛び退いた。
ベンチの真後ろにはにこやかな表情をしたスーツ姿の男性が立っていた。
千沙都は通学バッグを胸の前で抱きしめるように持つと、いつでも走り出せるよう身構える。
「何…何ですかあなた。」
トキナガと申します、と男は紙を差し出したが千砂都に受け取る気がないのを見て取ると「ではこちらに置いておきますね」とそれをベンチの隅に置く。
「過ごした日々を後悔されていたご様子でしたので、お声を掛けさせていただきました。」
千沙都は何も言わず男を睨みつける。遠くから誰かを呼ぶ声が聞こえた気がした。
男はニコリと笑い、話を続ける。
「私共は皆様が人生に悔いのないよう、より良い時間を過ごせるよう、その手助けをさせていただいておりまして。方法は簡単です。こちらの」
男は先程ベンチに置いた紙を手で示す。
「QRコードからアプリをインストールいただきまして、あとは案内に従って戻りたい年月日をご入力いただけば、そこからの人生をやり直すことができるのです。」
千沙都はちらりとベンチの上の紙に目を向ける。足が一歩前に出る。また誰かが呼ぶ声がする。
「お支払い方法ですが、お客様の現在の残りの寿命から、戻った年数×1.3倍の年数を引かせていただくことになっております。」
1年前に戻るとしたら1年3ヶ月と17日ほどになります、と男がベンチの上の紙を取り上げ千沙都に改めて差し出す。
それは“時間屋 時永 智”という文字と見慣れたQRコードだけが印字された名刺だった。
千沙都の右手が、身を守るように抱えていたバッグから離れおずおずと名刺に近づく。
名刺を凝視している千沙都は男の口元に今までと違う笑みが浮かんでいることには気づかない。
千沙都の手が名刺に触れる。

「チサ! チサ!」
肩を揺すられ目が覚める。
「あ…?」
「こんなとこで寝て、風邪引くよ! ってか危ないよ! ヤバいおじさんとか来たらどうすんの!」
ここで手を振ったはずの友人の真顔が目の前にあった。千沙都はバス停のベンチに座っている。
「え? スーツの人、いなかった?」
「スーツ? 誰もいなかったけど…何かされたの!?」
友人は千沙都の両肩を掴み、鬼気迫る顔を近づける。
「ううん、何でもない。大丈夫だよ。でも、どうしたの?」
「何が?」
「だって、さっき別れたばっかりなのに、戻ってきてくれたんじゃないの?」
友人は一瞬、間の抜けたような顔を見せると、千砂都から体と目を離し「なんか変だったなぁと思って。」と呟いた。
その言葉と表情に千沙都の心がふわっと軽くなる。
日々は無為に過ぎ去ったわけじゃない。
「ごめん、心配かけて。」とはにかんだ笑顔で話し出した千沙都の足元では小さな紙が風に巻かれて飛んでいった。

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