『通り雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
折り畳み傘を持っていたときは自分を少しだけ好きになれる
「通り雨」
宇多田ヒカルさんの「真夏の通り雨」
突然死した母を思い出します。
大切な誰かをなくした人は聞いてほしいです。
『通り雨』
はっとする冷たさに
憂鬱は攫われた
愁いしとしと流れ落ち
燈ゆらゆら灯る
率爾な雨音の報せに
閑静に苛まれた心が
ふと我に返る
喧騒まがいの序奏は
穢れを洗い流していく
毎朝、ホームへの階段を降りきる瞬間…
電車に乗り込む
名前の知らない可愛いアノ子
4人掛けベンチの左端から
扉越しにお見送り。
今朝は足早に駆け降りる
気まぐれな雨で遅れた約180秒…
モノクロの景色に小さな溜め息ひとつ。
いつもの左端には
茶色ショートブーツの誰からしい…
今日はベンチの右の端
雨音が消えて一瞬視線が奪われる。
ありがとう…
不意に小さく呟いた。
- shower -
『通り雨』
あ…雨だ
今日は晴れの予報だった、はずなのにな
…。
沢山勉強したから、絶対番号あるはず!
えっ…な、い。
あぁ、そっか
落ちたんだ
水が、雨が
降ってきたな
「通り雨」
雨はすぐに止んでも
頬にしたたる水は
すぐには止まなかった
自分だけは違うと思いたかった。
自分はあの子をいじめたりしなかったし、憎い花を踏み潰したりしなかったし、死んだあの子の死体を食べたりしなかった。神が導いてくださるというドレスも着なかったし、教会にだって行かなかった。
それでも特別にはなれなかった。結局のところ自分もただ血液が入った袋に過ぎなくて、食事と呼吸をしなければ生きることがてきないのだ。
自分は村を燃やしました。体が別れたあの子を天に送りたかった。自分も今は憎きドレスを纏って飛び降りるんです。涙ながらにも縋るしか無かった。
通り雨
ためらいの間に
つっかえたものを
水にさらした
朝
路面は静かに濡れ
僕はただ染められてゆく
#通り雨
傘忘れた時の絶望感は
すんごいやばい。
通り雨
「なんで降るかなぁ」
ついてない、と肩を落とす若い女性は、突然降り出した雨から逃げるように店の軒下へと急いだ。
同じようにどこかの店に入る人や足早にかける人たちを見ながら、女性は空を見上げていた。
降る雨はそこまで強くないし、雲だってどんよりとした灰色のものではない。
もしかして、通り雨では、と思ったところで、店のドアが開く。
「おや、雨ですか? 降られてしまいましたね」
出てきたのは、女性の好みドストライクの顔立ちの男性だった。思わず凝視してしまえば、男性は少し照れくさそうに微笑んで、ドアを大きく開けた。
「よければ、寄っていきませんか?」
その誘いと己の欲望に忠実に従って、ドアをくぐる。
ああ、雨よ。通りすぎてくれるなよ。
義理の母は
昔気質の威勢のいい女性ですが
超ド級の我儘で
しばしば困った言動が有ります
毎日食事を届け
ゴミなどを片付け
時には通院に付き添ったり
カチンときたり
虚しい気持ちになったり
様々なことがありましたが
気付けばもう5年続いています
最早数々の失言等は
わたしのネタとなりつつあります
長編が書けそうです
なるべく刺さったトゲは
通り雨の如く
サッと洗い流して
また今日も暴言を浴びに行ってきます
帰るときに限って雨が降ってるくる。
さっきまで降ってなかったのに!
通り雨は恋みたいだ
急に恋に落ち、さっと去ってゆく
短期間の恋だが
何度かまた恋に落ちる。物思いにふけっている。
まさに通り雨だ
頬を濡らす恋を私もするのだろうか、
#7 通り雨 2023.9.27
地面を叩く音
束の間の出来事…
一瞬 些細な時間…
通り過ぎてく…
痛みもなかったみたいに…
人生の通り雨…
傷みを晒して
生きて行く…
ただ過ぎて
束の間を過ぎて
ただ過ぎて行く
ただただ過ぎて通り雨
何も残さず何も訪わず
明日も過ぎて我を過ぎて…
ただ過ぎて…
人生の通り雨
……
新米が刈り取られ
お米の乾燥の工程作業の時期でしょうか?
遅くまで御苦労様です
稲穂が頬染め 恋して実り頭を垂れる
……
あのね!美佐子に見せたい風景があります
あれやこれやとっておきの風景を沢山知ってますが
たった1つ見せたい風景があります
その悲しみは過ぎてくから…
ふたりで生きて見ませんか🍀
僕と生きて下さい
君と見たい風景が始まるから…
キミと始まるんだ
ミーチャンと始まるんだよ
ふたりで始めよ
君とがいいから…
美佐子さんでないと…
駄目なんだよ…
……
青春 岩崎良美
相思相愛 GReeeeN
地平線 田中義剛
通り雨。
一瞬降って、すぐに止む。
自分の気持ちもそんな風に
切替られればいいのにな。
通り雨に降られた。
降られた時、いつも思う。
なぜ俺は傘を持っていないのか。
周りを見渡すと、突然降り出した雨にも関わらず、傘を差している人がいる。
みんな天気予報を毎日チェックしているのか。
そして惨めな気持ちになる。
俺は雨に降られて、びしょ濡れになって、いつもそんな男なのか、と。
でも、雨に濡れるのは時に気持ちいい。
この夏、通り雨が多かった。
日が落ちるにつれて、慌ただしく空を覆い隠すように発達した雲は、大量の水をこれでもかと降らせ、霧のように視界を遮る。
通り雨にあった時、傘を持っていたら気分は急降下する。朝のラッシュ時にでも振られたら最悪だ。
しかし、私の友人は雨が上がった後が好きだ、と言う。籠ったような空気が晴れて、澄んでいるように、心も浄化される、と。
私はそんなことを考えたことが無かった。寧ろ、いざという時に降ってくるこの通り雨を少し憎んでいた。
だが、その通り雨も捉え方によっては、自分の濁った気持ちを洗い流し、清々しいものに変えてくれるのかもしれない。
ならば、空にかかる7色に光る美しい虹も、己の心が浄化されたことを暗示してくれているのかもしれない。
通り雨
ある晴れた日の空から
急にぽつりと雫が落ちて
それが次第に増えていって
雨が降り出した
周りは慌てて
鞄や上着で濡れないように身を守り、雨宿りを探す
ほとんどの人がしかめっ面をしてる
だけど私には
その雨がきっと救いだった
一時の雨は、辺りを湿らし
潤いを与え
やがて虹を見せたのを覚えている
でもきっと、その虹は誰も知らない
私しか知らない
あの通り雨はあなた
私にくれた
唯一の光
『冠水間近』
私の涙腺 冠水間近 涙溢れる 雨の午後 通り雨で
済めばどんなにいいか 雨は降る 降り続ける
哀しみってなんだろう 感情線は廻り廻るサーキット
さようなら その一言がはじまりだった
「通り雨」
晴れ間から
生温い雨粒
どこからか聞こえてくる
カランッコロンッ
カランッコロンッ
目を見張るほどの
美しい行列
厳粛に行われる
密かな習わし
雨が上がるとともに
まるで儚い夢のように消えていく
幻か
私は見てはいけないものを見てしまったのか
ひんやりとした風が頬を撫でていった