『透明な水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
水面に落ちたのは1粒の雫
と、同時にそれは鏡に吸い込まれてゆく
また、『ぽつぽつ』と音をたてながら吸い込まれてく。
『ぴしゃんっ………』
誰かが私を踏んでゆく
『ばしゃんっ』
車、が私をひいてゆく
『しゅーーーーっ』
自転車が私を通ってゆく
私は動けない。けれど私もこの世界の生き物なの。
お題 『透明な水』
青い湖に来て覗いた
青い空と青緑の木々の葉が写し出されていた
そして風が吹く.
瞳を流される方へと追いやると貴方の横顔が写ってた
あっ,と思ってすくい上げた透明な水には
私の顔が写っていた
--《透明な水》
空から降ってくる透明な水
目から降る透明な水
雪が溶けたあとの透明な水
貴方は透明な水
そして私も
皆皆透明な水
透明な水のように、純粋無垢な君はいつも泣いていた。
1人、部屋の隅でずっと泣いていて。
僕のことなんか、ちっとも見てくれやしないんだ。
でもさ、本当は僕のことが好きなんだよね?愛してくれてるんだよね?嘘つかないでね?
君の流す涙は、とても綺麗な透明な水だ。そこに、僕は惹かれたんだ。
しんみりオカルト。老夫婦。300字小説。
連れ添い
亡くなった祖父は柱時計が十時を告げる音と共に閉店した喫茶店内に現れた。
白いシャツに黒のスラックス、ダークブラウンのカフェエプロンを着けた姿はこの店のマスターを勤めていたときのまま。コンロにドリップポットを置きドリッパーにフィルターをセットする。ポットからのの字を描くように注ぎ、コーヒーカップをカウンター席の祖母に渡した。
「……透明な水……」
「もう豆は置いてないし、ガスも止めているから」
祖母が一口啜り店内を見回す。
「子供のように大切にしていた店だから離れられないの」
「私が向こうに逝くときに連れて逝くわ」
五十年もずっと添っていたのだから。
「もう少し付き合うわ」
祖母は微笑んでカップの水を飲み干した。
お題「透明な水」
夏の部活
レギュラー争いなのに失敗の連続
悔し涙を隠すように
頭から水道水を浴びていた
「あんたから虹が見えるよ!」
太陽に後押しされた透明な水は、額から頬へ
キラキラ流れ落ちた先は『今』
あの時
タオルを持って駆け付けてきた女マネがいたから
主将としてグラウンドに立っている
透明な水。。って当たり前じゃん!
と思いツッコミを入れたけど。
自分の記憶の引き出しが一つ、開かれたようだ。
色付きの水を思い出したよ。
幼稚園時代に、花をとってきて、透明なビニール袋に水を入れ花を入れて。袋をモミモミして。
色水ってのを作ったなー。ワクワクが半端なかった。
あのワクワクなんだったんだろ。
ジュースを見るとは、明らかに違う感覚で。
自ら綺麗な色を作ったぜ!という達成感?
誰がその遊びを教えてくれたのか、わからないけど。
出来上がった色水を、日の光にすかして楽しかったわ〜。
今の今まで完全に忘れてた。思い出して得した気分。
ありがとうお題。透明な水。
透明な水があるのは、長い時間をかけて汚れとさよならしてきたから。
私たちが生まれながらにして持っている悪い性質もさよならすれば透明な人になれる?
私はガラスの人間が増えるだけだと思う。
ガラスは透明でも核を守るためのバリケードであって攻撃に弱い。
水のように何もまとわず自然体でいるのは難しい。
夏の暑い日、たまたま入った喫茶店のカラフルなクリームソーダを見て、エモいと思った。
普段はエモいの一言で済ませずに感想をまとめているのに、今日はエモいしか思いつかなかった。
何がエモかったんだろう。何に心動かされたんだろう。ただ単にカラフルで可愛いだけじゃない何か、それはなんだろう。
汗ばむ中徒歩で帰宅している最中に、その理由かもしれないものに思い至った。
自分で育てた朝顔で作った色水。
飲めないけれどカラフルな水。
あの、透き通った綺麗な赤や紫の水の美しさよ。
カラフルなクリームソーダに、綺麗な色水への思いを馳せようとしていたのかもしれない。
夏休みに遊んだあの頃の記憶が、蘇る。
あの頃も今と同じように、照りつける日差しに肌を焼かれていた。
#透明な水
透明な水
空で澄んで濾されて落ちる
透明な水
小さな虫が濾された水に溺れて消される
透明な水
死ぬ為に活かされた私と一緒。
そんなに私は、ピュアじゃない
ほんとは、真っ黒だよ
⚠︎切爆
⚠︎微ヤンデレ気味
#透明な「君」
あぁ…爆豪…おめぇは本当…綺麗だぜ……。何もかもな…。
しなやかで均等に鍛えられた筋肉体に切れ長の目にふわふわとしたベージュ色の髪の毛、そして何より綺麗に整った顔。全てが眩しくて見惚れる程だぜ…。
そんなおめぇの隣に立てることが、今でも嘘なんじゃねぇかと思うぐらい俺ァ今嬉しくて泣きそうだぜ。男らしくねぇけどな…。
その反面、いつか俺の中のぐちゃぐちゃした黒い渦みてぇなもんが綺麗で純粋なバクゴーを穢すんじゃねーかと思うと俺ァ…すげぇ怖ぇんだ……。
「(ンなこと考えてるって言ったら、きっと嫌われんだろーな俺ァ…。)」
それでも伝えなきゃと思ってる自分もいる。
だけど、それを言ったらバクゴーに嫌われるかもと思う自分もいて…臆病者だな俺ァ…なんの為に今まで鍛えてきたのか分かんねぇくれぇにはな…。
「(でもよ、やっぱ秘密にすんのもむず痒いしな…)」
よっしゃ!!やっぱ隠すのは俺らしくねぇよな!!!爆豪の為にも正直に打ち明けるしかねぇ!!!!!!
そんでもし爆豪に嫌われたとしても…___
「(くいわねぇ…!!)」
それが…男ってもんだろ!!!
早速俺は爆豪を探しに駆け出した。しかし、居そうな場所を組まなく探したが爆豪の姿は見つからなかった。
「(何処にいんだ?爆豪のヤローは…)」
と思っていると___
「………。」
…!!
見つけた!
「バクg__」
声をかけようと右手を差し出した時、何故か爆豪は…
ポロ、ポロ___
「……ッ!」
…泣いていた。
その時の爆豪の顔は逆光であまり見えなかった…けど、良い顔をしていないことは確かだった。
でも、何処かその姿が儚げに見えて…今にも消えてしまいそうで、まるで、そう___
「透明な水」みたいに薄く弱々しくて、今にも触ったらはらはらと散ってしまいそうだった_____
「当たり前なんかない」
水が透明なのは当たり前?
いやいや、元はただの泥水。
みんな最初は汚れてるんだよ。
元から完璧な人なんて居るわけないじゃん。
留まる水は濁りゆくのみって聞いたことあるな。
透明な、綺麗な水でいたいなら流れるしかないよね。
現状維持は腐ってくだけ。
透明な水はまだ何色にでも染まれる。
けど、私はもう遅いかも…
小さい頃の純粋さはもう真っ黒に染まっちゃったから
もっと綺麗な心の持ち主になりたかったなぁ。
透明は怖い。
何にも染まっていない事を恐れる自分が居る。
他人と違う事が怖いのだ。
独自性や個性が無いのか。
こんな事を考える僕は黒く染まっているんだろう。
明日は何色に染められるのだろうか。
社会から渡された色で生きるのか。
いいや、明日こそは
自分自身の色を探そう。
#1『透明な水』
透明な水が滴る様子をじっと見る。
透明は不思議な色だ。
そこにあるはずなのにないようで、
いないと思えばいつの間にか側にいて、
どんな色も包んでくれる。
そして、
美しくて
儚い色。
透明で染まった水をじっと見る。
『飽きないなぁ…』
用意するのは透明な水と願い事を書いた紙。
その紙を水で濡らして食むと願いが叶う。
「久しぶりに活動すると思ったらその噂について?」
「まぁ部長らしくて良いと思うっす!」
私達3人はオカルト研究会、通称オカ研だ。
そう言っても部活としては認められていないのだが。
部長の私とクラスメイトの涼香、後輩の満で
一応、3ヶ月に1回くらいは活動している。
「最近流行りの噂よね、それ」
涼香はどうやら聞いた事があるらしい。
「そう!それでこの噂、透明な水の謎を解明してくれ〜って頼まれたんだよ」
「誰に?」
「ほら、吹部のかほちゃん」
かほちゃんは、吹奏楽部の部員で情報通の子。
私のそういう噂の7割はかほちゃんから来る。
「そのかほちゃん?はこの噂に関わってるんすか?」
「かほちゃんの友達が実際に試したみたい」
「試しちゃったんすか…」
「怪しいと思わなかったの?その子」
「新入生らしくて、まあしかたないのかも」
この妙竹林高校は、そんなのが多い。
そんなのと言うのはいわずもがな、
心霊現象、すなわちオカルトである。
1年で必ず学年関係なく7人が居なくなるこの高校。
話を聞く限り、誰も入学しようと思わないだろう。
そのため、この妙竹林高校。
名前を書くだけで入学できる(事実)高校である。
心霊現象が多発した結果、倍率がすこぶる下がり、
このありさま。
まぁ、涼香のようにその道の名家もいる、らしい。
編入も可能で、これまた試験は無いため、
何も知らないおつむの悪い若者が7人。
悲しいことに揃ってしまうのである。
「それで、その子をどうすればいいの?」
話がそれたが、本題はそれである。
かほちゃんが言うには、
いつもの7人からどうにか外して欲しいらしいが…
「無理ね。」
「無理っすね。」
「で、ですよね…」
はっきりいって無理だ。
そもそも何かの幸運で今年を逃れたとしても、
1度足を踏み入れてたなら、また引きずり込まれる。
それが、オカルトというものなのだ。
……少なくともここにおいては、だが。
「まあまあ。そしてこれがそれに使ったっていう透明な水でございまーす」
私がペットボトルを取り出して机に置くと、
「わたくしのほうにそれを寄せないで頂戴。」
と涼香が部室を出ていってしまった。
「涼香さん、行っちゃったっすね…」
満はどう思う、と聞いてみると、
「えーと、部長さん」
「はい」
「一般的に、おまじない、つまり呪術系に使ったものには色々と厄介な思いが着いちゃうんすよ」
「もしかして…」
「うん、すごいです、それ」
燃やせー!!!!と、2人で近くのお寺に駆け込む。
幸い、知り合いの住職さんがすぐに燃やしてくれた。
良かった…のか?
まあかほちゃんが何も言わないってことは大丈夫なんだろう。おわりおわり。
朝、私の部屋の隅のデーブルには透き通った水がポットに入ってある。
私はその水をコップに入れる。
そして水を飲む。
朝日に照らされた部屋の中で飲む水は一日の始まりを知らせてくれる。
冷た過ぎずぬるいくらいの水が心地よく喉を通る。
「良い朝だ。」
''飛び込みたい''
こんなにも透き通った綺麗な水
なんてそんなことしても心が晴れるわけでも
嫌なことが無くなる訳でもないのに
ただただ美しい水になりたいんだ
美しすぎる心に
【透明な水】#04