『逆光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「何が恐ろしかったのか、ようやく分かった気がする」
「恐ろしい? 何がです」
「·····あの男だ」
「貴方は彼を恐ろしいと思っていたのですか?」
「今考えれば、だ」
「·····そうですか」
「あの男が私にはいつも眩しかった」
「·····」
「私が持ち得ない全てを持ち、それでいて誠実で、決して驕ることは無かった男」
「貴方だって不実なわけではないでしょう。その方向性が違っていただけで」
「人の心の奥底をたやすく掬い上げる男」
「彼はそういうの、得意ですからね」
「私には出来ない事をいとも簡単にやってのける男」
「貴方に出来て彼に出来ないこともあるでしょうに」
「いつも·····光を背負っているように見えたんだ」
「光、ですか」
「王宮でも、戦場でも、どこで見てもあの男は光を背負っていた。·····宵闇の中でさえ」
「宵闇·····」
「あの男が背負う光が眩しくて、恐ろしかった」
「そうでしたか」
「光を背負って立つあの男の、顔がまともに見られなくて、どんな表情をしているのかが分からなくて··········恐ろしかった」
――笑っているのか、嘲っているのか、見下しているのか、哀れんでいるのか。それともそのどれでもないのか。
逆光に目を細めていたようなものだ。
「·····彼はきっと、貴方が背負っている光も見つけていると思いますよ」
――そうなのだろう。だが私には、それこそが恐ろしい。
これは誰にも言えない秘密。
END
「逆光」
【逆光】
光が眩しいと周りが見えなくなるもの。
私にとっては推しがばかみたいに眩しくて
リアルそっちのけだしな笑
でもそんな日々が愛おしてくて本当に大好き。
でも、その逆もまた然り。
辛い、苦しい闇が深くなると
そんな大好きな推しが見えなくなる。
いつだって隣り合わせの光と闇。
でも闇はカメラを向けないと気づけないほど
普段の私は笑ってても笑えてないんだよ。
ねぇ、知らないでしょう?
だからこそ推しとの時間を何よりも大切にしてるの。
眩しき日食。
どちらかと言えば、いま逆境。
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【47】逆光
逆光
光の裏には影がある。
誰かのハッピーエンドの裏には誰かのバットエンドがある
誰かの正義は誰かの悪
ヒーローがいればヴィランがいる
ヴィランがいるからヒーローはヒーローなんだ。
【逆光】
いい笑顔だな、と思って
君をさっと撮ったけど
写真を確認したら逆光だった
でももう一度同じように笑って、って言っても
やっぱりなんか違う
自然な笑顔じゃないからかなあ
誕生日はいつもろくな事が無かった
だから僕は産まれてきてはいけなかったのだと
この日になるといつも思う
どうにかなるよ、と柔らかな色と
どうにでもなれ、と突き刺す光と
それは僕が作り上げた逆光だ
僕はその中心で真っ黒になったまま
自分が産まれた意味を探した
でも見つからなかったから
何もかも諦めてただ息をしていた
振り向けば その光に飛び込んでしまえば
楽になれるのに
どうにかなるから、と柔く弾かれ
どうにでもなっちまえ、と突き放され
それが僕の作り上げた逆光なら
強くなれるかな、
僕はまだ、強くなれるかな
#10『逆光』
影になって見えなかった
何も見えなかった
光などなくたって良かったのに。
「逆光」
いい写真撮れた、と思っても逆光で
ガッカリすることがある。
でも、逆光のおかげで思わぬ一瞬が撮れる時もある。
私すごい、と自画自賛してしまう。
だから、逆光も捨てたもんじゃない。
「逆光」というお題で、人間関係の事が頭に浮かんだ。
逆光がある、ないで同じ写真も違って見える。
これって人間関係でも同じ事が言えると思う。
人によって視点が違う。
だから人間関係も違って見える。
逆光
意味が分からない
今までで
1番難しいお題に思う
インスタントカメラで
逆光で撮る写真より
若いとき流行った
プリクラのほうが
太陽の光より
ずっと可愛く撮れてた
なな🐶
2024年1月24日298
題 : 逆光
ふと、美しい彼女に向けてシャッターをきった。
夕暮れの教室。僕の目には、窓際の席に座る彼女が夕日より綺麗に見えた。
「今日は綺麗に撮れたかな」彼女が言った。
確認するも、夕日が逆光となり彼女の顔が見えない。
「夕日を背景で逆光だなんて当たり前だったね」
そう言って笑う彼女の笑顔は、カメラなんかに収まらないくらい美しかった。
延べられた手は、あまりにも眩し過ぎた。
それが怖かったから、手は繋げなかった。
拒んで解った。
あの人もきっと、助けが欲しかったんだ。
お互いに見えたのは、等身大の影だけだった。
「逆光」
外傷後ストレス障害(PTSD)に
つきまとわれている
過去に
背後から襲いかかってきた男は
全部で3人
フラッシュバックが起こるとき
男に気づいたわたしが振り向くと
男たちの顔が逆光で見えない
セメントに叩きつけられた痛み
セメントの冷たさ
機械油のにおい
手のひらにくいこむ小石
こんな路地 通らなければよかった
男の皮脂の気持ち悪さ
煙草のにおいの交じる息
わたしは こんな男たちに
支配されるために生まれてきたんじゃない!
そうだ 殺してしまえ!
クズ男ども 燃えてなくなれ
かの子
逆光
小学校の頃、担任の先生がクラスの集合写真撮ったらを思いっきり逆光になって誰が誰だか分からなくなったことがあった。
「パパー! 太陽をバックに写真を撮ってね
スーパーヒーローは光を背負うのが格好いいんだっ」
「はいはい」
「ポーズは三通りあるからね!」
「はいはい」
逆光は"子供らしさ"を見事に覆い隠して
ヒーローを演出したが
「……パパ、写真撮るのも下手だね
そんなだからママにも嫌われちゃうんだよ」
そこに居たのは『ダークヒーロー』
写真フォルダを覗きながら
子供は厳しく容赦ない必殺技をキメる
#逆光
逆光
光の正面
逆さまなのは光ではない
後光なら順光かな
後光を見た側なら逆光だけど
光への位置の問題
暗闇からの光
これを希望だとすると
希望は逆光になる
目に映るものは逆光
目からしたら
どこから見た光なのか
光をどう見るのか
見えているものは光だけではない
逆光は目には良くないけど
光の中にも影がある
光は後の祭り
祭りから先が逆光
まとまらないけども、いいかな
スポットを 浴びては闇に 包まれて
逆光の道 輝く未来
#逆光
逆光
写真なんて大っ嫌いだったのに、彼は強引に私を撮ってきやがった。自分の顔は好きじゃない。映りがいつだって悪い。嫌な気分になるだけ。
それでも、彼は私を撮った。毎回変わる表情を、永遠に残すように撮った。気まずい時も辛くて悲しい時も、写真を撮る。
最後の写真は、逆光だった。
太陽が私の後ろに照らされて、顔が暗くなっている。だけど、暗さを吹き飛ばすかのような、明るさを持つ笑顔だった。私史上、いちばん、いい。
最後は、逆光の写真だった。それでよかったよ。
その瞬間に輝いて笑う私は、ずっと思い出にあるから。
逆光にて
鈍色の雲
縁は金
光、過ぎ去り
見るは綿色
お題☆逆光
前方に眩い光があります
とてつもなく眩く輝いています
私は道に迷っていて
ここがどこかも分からずに
途方に暮れて前方の光をぼうっと見ていました
ふと気づけば私の他にも人はいて
彼らも光を見つめていて
私たちはその光の元へ歩きました
子供は無邪気に光の元へ駆けていきます
眩い光が痛みになることを知らずに
気にもせずまっさらに駆けていきます
大人は光を見て唸ります
目に激しい痛みを感じるのでしょう
それでも険しい顔つきで光を見ています
そこに肉体の歳はありません
光を見ることに痛みを感じ 歩みが緩めば
それはもう大人なのです
まっさらに駆けていった子供達はすぐに飽きて
「楽しくない」「つまんない」と笑って
横切った猫の後ろに着いて行きました
大人は様々です
光を呆然と見ている者がいました
光から顔を逸らす者がいました
背を向ける者がいました
歩み始める者がいました…
…歩きはじめる者の歩みは少しづつです
子供達の無邪気な走りに比べれば
本当に少しづつ
歩く大人は歩きました
彼らはやがて
光に辿り着いたのか消えていきます
いえ、あまりに眩い光の元にいるので見えなくなったのです
私は光に消えゆく後ろ姿を見つめているだけでした
残った幾人もその後ろ姿を見つめているだけでした
たとえ光に焦がれた背中が消えたとしても
ここに突っ立って
あの眩い光を見つめているだけでした
2024 1/24(水) 6『逆光』
「逆光」
「あれ?逆光かな?
うまく取れなかったかも、もう一枚!」
光の加減を言い訳にして、2枚写真を撮った。
1枚は好きな人だけを撮ったのは、誰にも内緒。
撮ったあと見れない古いフィルムカメラの利点を
活かした片思いの隠れ技(笑)