『踊るように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「踊るように」
雨の中
傘をさした小さな男の子が
水溜まりをジャンプした
雨の中
楽しそうに無邪気に笑っている
雨の中
大人たちは皆、憂鬱な顔して足早に去っていく
いつの頃から雨を鬱陶しく感じ始めたのだろうか
雨の中
眩しいほどの純真無垢な小さな男の子は
踊るように私の前を通りすぎていった
あのね! 今日〇〇ちゃんと一緒に帰ったんだ! あんまり話したことなかったんだけどね、思ってたより面白い子でね、話してたらあっという間に駅着いちゃったんだ! それでね、〇〇くんって勉強得意なの?って聞かれたから、ついそうだよ!って嘘ついちゃったけど、すっごく褒めてくれたから、この嘘も無駄じゃなかったんだなって思うんだ! へへへ、明日も一緒に帰れるといいな!
〇〇くんってどんな人なんだろうな。そう思って一緒に帰ろって話しかけた。いっつも職場でおちゃらけている彼が、何を考えているんだろうって。別に好きとかじゃ無いんだけどね。それで、話してく内に思ったんだ。これ中身詰まってないなって。相手のことを考えずにおちゃらけている感じが、すごく馬鹿に感じた。どうしてこの職場につけたのだろうって思うくらいに。どうやってあの頭で仕事をしているって思うくらいに。興味深いっていう点では面白かったけれど、もう2人で帰りたいとは思わないかな。
#踊るように
モンドリアンの絵、コルビュジエのソファー
私が大学を卒業後、モンタナの田舎から摩天楼のニューヨークに独り暮らしを始めたのは、戦争が終わった直後だった。
ドイツも日本も降伏して、ニューヨークは戦勝パレードでそれはもう盛り上がっていた。
戦争中、父さんは飛行機工場で戦闘機を作り、母さんは兵士が食べるレーションの工場で働いていた。
私は大学で生物学を学んでいたから、戦争には一切関わっていない。
私の大学時代の友人のジェイコブは、欧州の激戦区から生還して、再び大学に戻ることにしたらしい。特に彼はケガをしたわけでもなく、『戦利品』として、イタリア製の拳銃を持って帰ってきた。
まあとにかく、長かった戦争が終わったことでアメリカはひとまず落ち着きを取り戻した。
私はニューヨークの町並みがよく見えるアパートを借りると、引っ越しの荷物を並べる前に、まずお気に入りのモンドリアンの絵を飾った。
それから、20世紀の偉大な前衛的建築家が発明したLCソファーを絵がよく見える場所に置くと、深々と腰掛ける。
私は足を組んで、タバコに火をつけた。なんというか、すごく『モダン』だ。これから、この部屋を私好みのモダンな部屋にしていくのだ、と思うとワクワクした。
次の日の朝、私に父さんから電話がかかってきた。
「ニューヨークはどうだ?」と。私は「すごく素敵な所よ」と答え、それから、父さんは言いにくそうに「ジェイコブが死んだ」と告げた。
「どういうこと? 彼はどこもケガをしていなかったじゃない!」
「彼がケガをしたのは心の方だよ。遺書にははっきりそう書いてあったそうだ。可哀想にな」
私は泣き崩れた。せっかく生きて戻ってきたのに、どうして死んじゃうんだろう?
私は「もう切るわ」と言うと電話を切り、窓辺に立ってタバコに火をつけようとする。
ジッジッジッジッ。
ジッジッジッジッジッ。
何よこれ、ぜんぜん火がつかないじゃない。
私は震える手で懸命に火をつけようとした。
外は相変わらず戦後のムードで盛り上がっていた。
彼女は踊るように歩いた。
彼女が歩くとただの廊下がステージになるようだった。
綺麗な容姿に満点の笑み
そんな姿にみんな明るい気持ちになった。
私達も彼女のように
笑顔になった。
彼女の力はすごい
─────『踊るように』
焼け焦げそうな猛暑日に耐え
ひたすらに青い空と
入道雲を、クラクラとする熱風のなか
過ごした夏も
なんとか、乗り切った頃
朝晩の少し冷んやりとした
心地良い風に、ふと気付く…。
秋が少しずつ、少しずつ
台風の到来を越えてじわじわと
稲刈りの光景や
赤とんぼと共にやってくるのだ。
気温が下がるにつれ
紅葉が始まり、私の好きな秋がくる。
春夏秋冬がステージならば
秋は、名場面。
心が踊るように弾む
大好きな、シーンなのだ。
【お題:踊るように】
#踊るように…
これから進む道
踊るように 楽しみたい
これから起こる事
踊るように ときめきたい
これからの出会い
踊るように 手をとりあい
長い道の先…
振り返って
踊るように楽しい日々だったと
微笑んで睡りにつけるなら…
今が少しくらい苦しくても
我慢ができる
私…笑顔を忘れないで…
・踊るように
剣舞とは、その名の通り、剣を使った舞のことである。
踊り子の私からしてみれば、そんな舞は邪道中の邪道、許せない。
その、はずだったのだけど。
動きに合わせてキラリと光る剣先。
流れるような足捌き。
私の踊りにはない、ピリつくような覇気。
生まれて初めてみた剣舞は、正直、綺麗だった。人だかりをかき分けて、無意識に私は前へ出る。抱えている味噌の重みを忘れるほど、気がつけば夢中になっていた。
どれほどだったか、演者の一人が、不意に動いた。動き続けているのに動いた、なんて変かもしれないが、とにかく、ハッと目を引く動きだった。
そして…
その演者は、無造作に…恐ろしいほど流麗に…剣を振った。
誰かの悲鳴。
私は悟った。剣舞の美しさの正体を。
真っ赤な鮮血が、痛いほど目に残った。
私の指が踊る
白と黒のステージの上で
私の心が躍る
【踊るように】
地上の青空を飛ぶ君の姿を、頬杖をつきながら眺める。神々に逆らい地上へと追放された君のことを、愚かだと評するものは決して少なくない。僕だって、もう少し立ち振る舞いを考えれば良かったのにと苦言を呈したくなるくらいだ。
だけどそれでも、人間たちの喝采を受けながら自由に空を飛ぶ君は、天界にいる時よりもずっと楽しそうだった。
救いを求める人間たちを助けて何が悪いのだと、神々へと堂々と反抗してみせた君の、鮮烈な意思を宿した横顔を思い出す。ああ、そうして人間たちと共に汚れた地上で泥に塗れるほうが、あらゆる栄華に囲まれた天界での生活よりも、君にとってはよほど幸せなのだろう。
いつもつまらなそうに翼をはばたかせていた君が、踊るように空を舞う。自由で高らかなそのありようが眩しくて、天界の掟を馬鹿馬鹿しいと思いながらも逆らうだけの勇気もない僕は、ただ静かに瞳を細めた。
おはようキミ
うまくできるかどうかは
気にする必要はないんだ
大切なのは弾むような心
キミの好きな音楽を聴いて
空の色をいっぱいに感じて
陽の光をたっぷりと浴びて
世界に繰り出してごらんよ
いつもそばにある幸せを
たくさん見つけておいで
『踊るように』
学校なんか大っ嫌い。嫌いで嫌いでたまらない。
なんで私があいつの自慢なんか聞かなきゃいけないんだよ
クルクルと世界が回っている。
…いや、揺れているのが正しいか。
曲がっているのかもしれない。
とにかく、そんな感じに世界が動いてる。
体が重くなり、熱くなってきた。
これは、何か起こる気がする。
踏ん張りながら進もう。
自分の家が見えてきた。
もう少し…もう少しだ。
一歩一歩が徐々に重くなっていく。
はぁ…はぁ…
息も荒くなっていく。
ガチャ
玄関を開けた俺は
踊るように、そして気を失うように
ベッドへと倒れ込んだ。
風邪を引いたらしい。
ー踊るようにー
▼ 踊るように
アイツの声は腹に響く
重厚感がありながら軽やかで、喜怒哀楽が乗っている
隣に立っていたあの頃とは違う
経験から、乗り越え、背負うものがある安定感
もう大丈夫と言わんばかりの広く分厚くなった背中
(怯んだり、妬み嫉みがある訳じゃねぇ)
自分だって、環境は変わった
仲間がいて、あの子だけがいない
(アイツと比べてはいる訳だな)
馬鹿馬鹿しいと思考を止めて、こちらへ向かって来る足音に振り返る
表情が綻んでしまうのは一緒にいて楽しいから
それだけはあの頃と変わらない
足取りは軽く、追い風で体も軽い
背負ったものは重くてもこの足で歩いていける
朝の澄み渡った快晴
その真下で、私に怯えて
一斉に逃げていくスズメの群れ
特に驚かすつもりもなかったのだが
一斉に距離を置く彼ら
まるで踊るように
踊るように
踊るように跳ねる。
跳ねて、跳んで、回って。
ひとしきり動いたら休憩。
五秒休んだらもう一度。
跳ねて、跳んで、回って、Arabesque。
今度は身体の軸を糸でピンと吊り下げるように。
アン・ドゥ・トロワ、アン・ドゥ・トロワ。
身体が自然に動くように、動きを習慣として染み込ませる。
今、音楽が途中から鳴ったら?
すぐ行動ができるように足を上げてもう一度。
踊っているのではない、一連の動きを踊りに見せるために流れるように行動するのが踊りなのだ。
踊るように、跳ねて、跳んで、回る。
ふわりと高く跳ね上がり、
くるりと一回転。
トッ、トッ、トッと軽く前に進んでから、
また回る。
あたし、ほんと舞い上がりすぎだと思う。
自分が大好きなケーキ屋さんで、新作ができたと聞いて。
あたしは思わず、踊るようにステップを踏んだ。
もちろん、一人で。
でも学校の帰り道だったから、絶対人に見られてただろうな……
〜踊るように〜
私は思う
花のように着飾って
踊るように健康的で
舞うように個性的で
奏でるように楽観的で
空のように自由な
人生を満喫したい
#9
#踊るように
足がステップを踏む。
流れる曲に合わせて様々なステップを。
ステップを踏んだ所で踊れやしないのに。
車椅子の上で今日も私は踊るようにステップを踏む。
いつかの栄光を、未だに諦めきれずに。
嬉しい時、楽しい時、君はいつも踊っていた。
それで、僕もダンスが好きになったんだっけ。
君は、練習の時いつも言っていたね。
『心の底から楽しそうにしないと、見ている人も楽しくなれない』って。
『踊るように』
踊るように、流れに身を委ねるだけだった。
上手く踊れれば、綺麗に着地できるのだ。
楽に、楽に。ただそのスキルだけ磨けば。
楽しんだ者勝ちだろう。周りに合わせて踊れば楽だろう。
そこに自分の意思は関係ない。合わせて笑って楽しく踊ればいい。
強い者に従って、弱い者を見下して。
自分は上手く踊れているんだ。ここまで順風満帆にやれてこれたんだと、そう思っていた。
踊るように、生きてきた。
思っていたよりも、形になってはいなかったようだ。
『踊るように』