『距離』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
言えない事は聞かない。
聞いて欲しい事は聞く。
一緒に遊んだりもする。
それが僕と彼奴の距離感。
# 10
肌の距離から
腕の距離
目の距離から
声の距離
機械の距離
噂の距離
思い出の
記憶の
夢の
少しずつ でも
確実に
空けてくれたお前を
優しいと思う
最後は
また肌の距離
その後は
ずっと同じままの
距離
(距離)
距離
いつの日だって僕らは
隣同じ道を歩んでた
いつしか君は僕を置いて
先に行っちゃって
温もりはいつか寂しさに
春から冬へと変わった季節
でも分かったんだ
孤独は強さに変わったって
二人の間広がった距離は
僕らを強くしてくれたんだ
離れ離れでもいつか
僕らはあの場所で
また会えることを願って
星に願う
この距離は永遠に縮まらない
星の先、光の先、遠く、遠く、
だから、会いに来て
それまで僕は、ここにいる
君と会うまで、僕はずっと僕のまま
(距離)
どこにいても
なにをしてても
心の距離はおんなじで、
だれといても
どんなときでも
キミとボクとの距離は変わらない
いつかボクもそっちに行ったら
またキミにあえるかな?
距離
目の前の夜景と君との数十センチ。遠くを見るその瞳は、手を伸ばしても永遠に届きそうにないよ。過去を懐かしんで今を見ない君は、大人っぽいのに未来が無くて悲しそうに見えた。私がそうだからかも知れないけど。ここが交わる場所なら、一生あわないね。
「ねえねえ、明日遊ぼ」「うんいいよ」
わたしから誘ってばっか。わたしから言ってばっか。わたしからばかりなのに、君はわたしのこと好きだなんて戯言言うんだね。嘘つき。
君の気持ちが本当に聞こえなくて、辛い。
#距離
いつからだっけ。
クラスが変わると、自然と話しかけにくくなって
だんだん距離が遠くなっていったよね。
あはは。いや、ただ君が私のこと嫌いなだけか。
「こんばんは名探偵。良い月夜ですね」
いつものように白衣の泥棒は口元に笑みを浮かべながら優雅に挨拶した。
「どういうつもりだ。この予告状は」
探偵が見せたのは、泥棒を象徴するマークが入った一枚のカード。
毎度予告状と称してターゲットへ知らぬ間に届けられるそれが、なぜか今回は探偵の元へ届いた。しかもご丁寧に暗号化されて。
そこに書かれていたのはたった一言。
『今宵、探偵の大切なものをいただきに参ります』
その『大切なもの』が探偵という職業にとってなのか探偵個人にとってなのか。
結局探偵は何一つ確信が持てないまま時間になってしまった。
ただ確かに言えるのは、この泥棒が誰かを傷つける気がないということ。ターゲットがいつものような宝石でない時ほど泥棒にとって緊急性が高いということ。
だから、誰にも言わずに探偵はたった一人で対峙している。泥棒の狙いを見定める為に。あわよくば捕まえるために。
「気になりましたか?私のことを考えてくれましたか?」
月を背にした泥棒の表情は読めないが、どうやら笑っているようだった。
「当たり前だ。だってオレは」
探偵だから、と最後まで言えなかったのは、急に泥棒が距離を詰めてきたからだ。
咄嗟のことに何も出来ず無防備になってしまった探偵に、触れてしまいそうなほど間近に迫った泥棒は満足げな笑顔で言った。
「その素晴らしい頭脳の中身をひとときでも私が独占出来た栄誉をいただけるなんて、恐悦至極」
「っ!」
ぽん、と音を立てて、そのまま泥棒は消えた。
神出鬼没の二つ名の通り、現れたのと同じ様に唐突に呆気なく。
探偵の唇に熱の余韻を残したまま。
「…っくそ…」
探偵が小さく悪態をついたのは、まんまと泥棒を逃してしまったからかそれとも。
先に囚われるのはどちらか。
北風が吹き渡る朝
寒がりな君は
どうしているだろかと
空を見上げる
ふたりの間には
果てしない距離があるけれど
離れていても
逢えなくなっても
想いは
何時でも
君のもとへと向かう
ねえ
心が温かくなってきたけれど
もしかしたら君は
この北風に姿を変えて
わたしのところに
来てくれたの?
# 距離 (337)
私達には明確な距離がある
私と、それ以外には、遠すぎる距離が
某ホストのように聞こえるかもしれないが、これは真面目に事実を唱えているに過ぎない
私は欠陥品である。 皆が当たり前に持って生まれてきているものを、私は持ってない
だから私は永遠に皆には届かない
私達には、明確な距離がある
あなたが好きだから
ずっと背中を追いかけた
あなたは振り向くことも
立ち止まることもしなかった
それでもちゃんとついていけたら
褒めてくれる
そんな距離感でやってきた
そんな距離感でやってきたのに
あなたのうしろを着いていつだけじゃ
あなたは振り向くことも
立ち止まることも
立ち止まることもしないから
これはただの自己満なんだって気づいた
貴方に惚れてもらいたくて
ずいぶん前を走ってる貴方に落ちて貰いたくて
後ろを歩くのを辞めた
いつかあなたの隣を歩けたら
この距離を縮められたら
もっと褒めてもらいたい
─────『距離』
みんなが遠い
あたしが好き勝手して
勝手に拗ねてるからだろな
あたしってずっとそうかも
死ぬまでずっとそうかも
距離
ういてる
みんなと距離がある
いつまでたってもクラスの雰囲気になじめない
3年目にもなって
話すときに緊張する
クラスにいるだけで
頭痛と息苦しさが常についてくる
なんで俺ってこんななの
ネガティブに考えすぎて
勝手に想像して
考えたくなくたって
勝手に頭に浮かんでくる。
みんなはいつも通り楽しそうに話してて
僕だけなんだなって。
情けないな
自分の体なのに
自分じゃどうにもできなくて
自分のことすら守れない
そんな人が
友達なんか作ったら
いっぱいいっぱいで
どうせうまくいかなくて
迷惑だって思われる。
怖くて誰とも話せない
授業も集中できなくて
俺この先どうなるんだろうって
不安になって
もうどうしたらいいのか
ほんとに、
ほんとにわからない
行ってほしい言葉も、してほしいことも
何もわからない
自分の体が何を求めてるのか
分からないから、怖い。
「大丈夫?」なんて言葉も
笑わせようとしてくれる人も
悪い雰囲気出してるかな
なんて
もっと不安になって
嫌になる
考えれば考えるほど頭がもやもやして
こんなだから人が離れていくんだな
全部自分のせいだって。
体と心が合わなくて
距離が遠すぎて
体にも
言葉があればいいのにな
なんて。
『彼と付き合ってるわけでもないんだから、適度な距離感を守ってください』
名前も知らない相手から、何の脈略も無く送られてきたDM。溜息を隠しもせず相手をブロックし、メッセージも削除する。
「他人にやっかんでんじゃねーよ」
10人いれば9人は彼に恋をすると思う。それほど魅力的な相手に恋をした私は、今では彼の良き理解者で親友だ。正直告白待ちな部分もあると思う。
すごく、ものすごく努力した。出来る限り毎日おはようって挨拶して、不自然にならないように彼の趣味を探って話題を振って。
嫉妬してしまうのも分からないでもない。でも、適度な距離とかいうけどそんなの当人同士の勝手でしょ?そもそもこれを送ってきた人は、彼と仲良くなる努力をしたのかな?
"ライバル"の登場なら、私はいつでも受け入れるし正々堂々戦いたいと思う。正直燃えるし。でも努力もせず絡んで来るような奴は一切相手にしたくない。そんな時間があるなら、彼を食事にでも誘うしね。
『なぁ時間ある?今日どっか食べ行かね??』
彼からの通知だった。お、なんと嬉しい連絡。行くいく!と手短に返信し、文字より通話の方が早いなって思い電話してみる。
これから私達の距離はどうなっていくんだろ。まだまだ予想出来ないけど、近い将来ちゃんと自分の言葉で伝えるね。
13.距離
いつも吐きそうになるほど満員な電車。
身長が低いせいかいつも埋もれてしまう。
とても苦しい。だけどいつもあなたが私を見つけて
苦しくないように隙間を空けてくれる。
制服を着ているから学生なのだろう。
あなたと僕は話したこともない。
それでも私を気にかけてくれるあなた。
この1cmしかない距離…
とても近くて心臓の音が聞こえてしまいそう。
電車が揺れるたび、縮まる距離。
私じゃない心臓の音が聞こえてくる。
上を見るとあなたの顔は赤くなっていた。
あなたと目が合う。鼓動が早くなる。この時間がずっと続いてほしいと思った。
降りる駅になり降り、トイレへ向かった。
鏡を見ると顔が赤く熱い。
あなたはどう思ったのだろう…
私と同じ気持ちなのだろうか。
同じならいいなと思いながら学校に行った。
この出来事は忘れたくない。
覚えておきたいと思った。
テーマ「距離」
隣にいるのに、心の距離は埋まらない。
私は、夜遊びはしない。
なぜなら、眠いという理由以外に、
夜までずっといたいと思える人がいなかったからだ。
友もいる。家族もいる。仕事仲間もいる。
みんないい人だ。
だが、ずっといたいと思える人がいない。
一緒にいても、やがて一人になりたいと思う。
人との距離が難しい。
中学の時にとても可愛い女の子がいた。
好きだけど、付き合う自信がないという告白をした。
当然振られた。黒歴史である。
あの時、ちゃんと告白して、付き合えたなら、
きっと、楽しくて、嬉しくて、
あっという間に、おじいちゃんになっていただろう。
そういう人生を送りたかった。
「ウィリアムウィルソン」
テーマ 「距離」
ショートショート ユーモアファンタジー
真っ白で、無機質な空間なのは知っていた。だが、一つだけ部屋の隅に輝く石があった。僕はこの空間に足を踏み入れなくてはならなかったし、自分がどうなろうがもう構わなかった。でも、今のところ生きているのならあの石がなんなのか調べないといけない。この空間はいつの時代でどの種が利用していたのかは分からないが、おそらくあの石を保存する為の空間だったのかもしれない。酸素ボンベには余裕があるが、いつまでもここに居たくはない。僕はその石を拾い、自分の世界へと続く階段を登った。あの空間は気圧も問題ないし、有毒な物質も検知されなかった、放射線も無しとかなり優良だ。僕は運が良かった。これでようやく、釈放される。気持ちが晴れやかだ。他の囚人の中には無惨な姿になってこちらの世界へ帰ってきたことも少なくないと聞いた。でも罪を犯した囚人はそうするしか無かったのだから、仕方ないのかもしれない。だが、僕は運が良かった。それにあの輝く石も手に入った。空間が利用できるかどうかを僕達に調べてもらうことが目的だから、空間の中にある物は持ち帰っても良いのだ。
僕と顔がとても似ていた。それだけじゃない、性格も酷似している。一番驚いたのは名前だ。
「距離」
あなたとなら
どんなに距離が離れていても
繋がれるって信じてたのに
あんなに近くにいても
だめだったみたい